レッスン1
<知らない人には付いて行ってはいけません。



「君女の子かな?男の子かな〜?ボクといい所に行かないかな〜?」
「?仲間になってくれますか?(←お決まり勧誘文句)」


レッスン2
<人気のない路地や物影には連れ込まれてはいけません。>


「仲間に?…あ〜なるなる、さぁ、こっちに行こうね〜」
「…(こっくり)」


レッスン3
<体を触られたら、逃げるか人を呼びましょう。>


「…いいお尻してるね〜本当に、」
「??」


レッスン4
<これが肝心です、付き合っている人以外とはエッチな事をしてはいけません。>
(…以上、アグネスによる子供向け性教育講義内容。)


「…ぁっ…(ぴくっ)」



…路地裏でカイカが艶の篭った声を上げたと同時に、

トス。

…と、肉に矢が突き刺さったような音が響いた。
で、続いて怒声。

「カイカッ…!…〜お前なっ…!(怒)」
「てっど。」

矢が刺さり泡を噴いて気絶した変質者を退け、カイカは嬉しそう(いや無表情だが、)に相手を見た。が、怒っている様子に首を傾げた…

「…〜〜〜いいから、こっちに来い、今すぐッ!」
「うん。(こっくり)」

 



こしあん軍本拠船、まんじゅう。
そこに帰還した二人は…

「あれだけ知らない相手に付いて行くなって言っただろうがッ!?(怒)」
「言った。…(でも)仲間の人かと思った、」
「1・0・8・人揃っただろう!それとも最後の一人を取り替えるのか!?」
「(いやいやっ)」
「だったら何であんな場所に連れて行かれてるんだ!」
「…言う事聞かないと仲間に…」

確かに妙な条件のある仲間は多い。
怒りの余り絶句したテッドは、くるり!と体を反転させた、…怒鳴る相手を変えたのだ。

「アグネスさん!アンタの講義全っ然!効いてないぞ!?」
「失礼なっ!あたしはちゃんとやりましたっ!エレノア様からあんまり難しい事は言うなって言われてましたしっ…それに他の子達は皆理解しましたよっ」
「カイカ!言われた事はわかってたのか!?」
「…(言われた事って)何?」
「「あ゛ーーー!!;」」


こしあん軍リーダーカイカ…彼と今、なんだかよくわからない間に恋人関係になっていたテッド…。そう、彼は今、変質者を大量 に寄せ付けなおかつ、それに気付かず無頓着な恋人の教育に非常に苦労していた…。
見た目可愛く、中身が足りていないとなると、まさに変態さん方の餌食まっしぐらだ…。
それが可愛いと言えば可愛いのだが(…そう思えてしまう自分はもう末期だろうが…)、いつまでも…まあ、そんな感じではいけない。何しろ、好物のまんじゅうで体を売り兼ねない相手なのだから、

…しかし、誰が何を言おうが、わかりゃしない…。別に言って覚えないという訳ではないのだが、次に何かあると覚えた事をトコロテン式に忘れて行くのだ。


「…カイカ〜」

怒りを押さえ、(青筋は見えるが)テッドは優しく手招きをする。

「…(♪)」

それに騙され(?)、カイカが傍の傍まで近づいて…

ガシッ!


「??」

テッドは、自分より少しだけ身長の高い相手を小脇に抱えた。そのまま、さすがあの攻撃力!という感じの速度で歩き出す…。

「てっど?」
「…とりあえず、俺の部屋に行こうな。」
「…(こっくり)」


…150年の年の功でカイカをタラシながらテッドは思った。

(体に覚えさせる…)

…と。
恋愛は…深く惚れた方が負けとはよく言ったものである…。

 



ぼすっ!とベッドの上に転がり、カイカはそのままの態勢で、不思議そう(でも無表情)にテッドを眺めた。
無防備にも、その海の青をした瞳は、何?と言っているだけだ。
コイツには警戒心がないのかよ…;と内心でツッコミつつテッドは、自分も靴を脱いでベットの上に上がる、

「いいか、カイカ…」
「?」
「…今日俺が怒った理由、覚えてるか?(堪え怒)」
「……………………………知らない人についていくな、」

ちょっと『…』が多いのが気になるが、まあ覚えていたようだ。
一つ頷き、テッドはカイカに覆い被さる。

「で、お前は前にもそれを聞いてて破ったんだよな?」
「たぶん?」

首を傾げながらカイカは頷く。

「じゃあもうしないってわかるように、お仕置きするぞ?」
「………?」

ちょっと間を空けてから頷いた。

…テッドは思った。
コイツに足りないのは(頭もだが)我慢する事だろうと、

何も考えずに行動する故に、大変な事になる。
で、とりあえず約束を破ったら酷い事になるという事を覚えさせる、

「じゃあ手上げろ、」
「うん、(こくっ)」

上着を脱がせて、下のシャツも頭から引っ張って脱がせる、ここまでは風呂場でもよく見られるが…ついでに下の2枚重ねのズボンも、本人に手伝わせつつ取り去った。
これでベッドの上には裸のカイカがいる事になる。…さすがに恥ずかしそうだ、(多分)

「………てっども」
「俺のはいいから、」

伸ばされかけたカイカの手をすぐに制す。
足首を掴んで、足を開かせつつテッドは相手の目を見据えながら言った…。

「カイカ、仕置きだからな?いいな、」
「…うん、」

少し逃げ腰で返事をしているのがわかる、

「じゃあ俺がいいっていうまで絶対にイクな、」






「ひぃっ…ゃ…てどっ…てどっ…もっ、あっだしたい…」

ひっくり返され、シーツにしがみつきながら、小さな悲鳴のような声を上げて身じろぐ。
元々感度の良い体をこれでもかという程いじられ、カイカは半泣き状態だ。
それでもテッドの言った事だから守ろうと、なんとか耐え続けているのだが…テッドの手の中にあるカイカの性器は限界に打ち震えている。

「これは仕置きなんだからな、まだ駄目だ。まだイクなよ…?」

先から溢れる液を舐めながらテッドは言う、そこが相手の性感帯の一つだと知っての仕業だ。

「てど…もっ、やらぁ…!やめぇ…」
「やじゃないだろ?こんなに感じてるんだからな、」
「うぁぁあ…ん…や〜…」

もうおかしくなりそうな様子で、カイカが身悶える。

…テッドも、これが本当に躾になっていない事はわかっている。
しかし、やはり変質者に襲われている姿を見たので、穏やかではいられないのだ。
だからこんな意味のない仕置きを続けてしまう、
…そりゃあ、


「ひゃあぅうう…ぁ」
「…カイカ、」
「うっ…てど、ごめっ…」
「またお仕置きだな…、」
「やぁああ…ってっどぉ…」

確かに楽しいが。
テッドは言い付けを破って精を吐き出したカイカに、わざと恐い顔を作って見せる。

「てっど…てっどてっどぉ〜…っ」

快楽の余韻と嫌われる恐怖に、ますます舌足らずな様子で抱き着いて来るカイカに…少しクラリと来たテッドだ。
…しかし、ここで仕置きを止める訳には行かない。
カイカを片手で抱き寄せ宥めながら、もう片手で滴った液で濡れたカイカの入口を探る。

「約束は約束だろ?ちゃんと次を我慢出来たら、カイカの好きな事してやるから」
「ほっ…と?」
「ああ、」

それに励まされてか、カイカは体の中に入って来る指先を大人しく受け入れた。

初めに比べて、大分体内に性器を納めるのに慣れたカイカは、何の才能があってか後ろでも快感を感じるようになっていた。
テッドが体内に自身を納める頃には、もうトロトロに意識も体もとろけてしまっていた…。

「てどっ…またでる…いゃっ…やー」
「自分で押さえてていいから、俺が出したら終わりにしてやるからっ、な?」
「うんっうんっ…」

内壁とテッドがぐちゃぐちゃと擦れる音を立てながら、カイカは必死にテッドに縋り付こうとする。
片手で出さないようにと、苦しみながら性器を握り締める相手にテッドも慰めるように深い口付けをする、…すぐにむしゃぶりつくようにカイカの舌が絡み付き、更に体は熱くなる。

「ふっ…ゅうぅっ…!んんっ…」

足先がピクリと緊張したように伸び、全身に限界を告げる痙攣が来たが、我慢っ!と頑張ったカイカは、その刺激を中に伝えた、

「っう…!」
「ゃぁああ…って、ど…んんんっ…!」

痛い程自分の性器を握り締めたカイカの指には…溢れた液はたっぷり付いていたが、確かに吐き出してはいなかった。
虚ろになった視線で、体をピクピクと跳ねさせながらカイカはテッドを見つめる。

「…よく出来たな、カイカ」
「…(♪)」

体内から糸を引いた自身を取り出しながら、テッドは笑顔でカイカの頭を撫でてやる。

「もう知らない奴について行くなよ?」
「(こくっ)」
「こんなのはもう嫌だろ?」
「(こくっ)」
「…じゃあ、ゆっくり続きやろうな、」

にっこり笑った150年の年期を感じさせる笑顔でテッドは言った。
カイカも嬉しそうに笑って、テッドにぎゅぅっ!と両手でしがみついた。




…こうして、一時はカイカを教育出来たかに思われた…が、しかし。



「カイカーー!!(怒)」
「?」


…今度は『知ってる人』にセクハラされているカイカを見て、怒声を上げるテッドだった…。
まあ、二人の未来は遠いが、なんとか平和。

 

 

騙されてますか?ていうか、古い作品なので、読み返せませ…(吐血)