まんじゅうプチお題『まん十。』

 

 

1.キスすると甘い

「………;」
「?」

…今日も餡…というか、まんじゅう味のキスだった。

…俺は口を押さえてカイカから顔を離した。
…別にまんじゅうを食べる事が悪いとは言わない、言いはしない。

「?」

じっとカイカを見つめた所、相手は何もわかっていないようで、俺の布団の上で首を傾げている。

 

『ん…ふっ…ふぁぁ……んんっ…』

 

深いキスをすれば、甘いいい反応を示すのに、その味は甘い甘い…まんじゅう風味…。
…何かもう一つこう…俺はムードとかそういう物が欲しい。

「てっど?」
「…」

見掛けは俺より年上の癖に嫌に幼い仕種…

ああっ!もう!;

「、」

 

…その澄んだマリンブルーの瞳に誘われ、今日も俺はまんじゅう味のキスをする…

 

 

<アホだテッドさん…(笑)恥ずかしいネタ。>

 


2.どの餡が好き?

こしあん
つぶあん
白あん
黄あん…
うぐいす餡…v

うっとり…v
とばかりに、カイカはまんじゅう屋のふかふかとまんじゅうを蒸し上げるセイロの湯気を眺めていた。

「もうすぐ出来ますからね、」
「(こくこくっ)」

まんじゅう船、こしあん軍リーダーカイカは、日頃の無表情さが嘘のように嬉しそうなオーラ放出させていた。
―――――で、それをテッドは横で眺めている訳なのだが…

「………」
「…(♪)」

ここまで楽しみにしているので、かける言葉もない。

「………」
「…(♪)」
「…カイカ、」
「?」
「何してるんだ」
「まんじゅう…」

それは見ればわかる。
しかし、いつもよりわくわくというか、ドキドキというかそんな表情をしている(ような気がする)のだ。
疑問で首を傾げるテッドに、パムがにこやかに話し掛ける。

「いえ、今日はカイカさんが色々餡の材料を持ってきてくれたので、いつものまんじゅうじゃないんですよ、いろいろな種類が出来ますよ」
「へえ」
「…(♪)」

そこまでするか…という気持ちがあるが、それはまあ置いておき、
不意に疑問に思った事を口に出す。


「どのアンが好きなんだ?(こしあん軍って名前だし…)やっぱりこしあんなのか…?」
「…」


カチ…と何かのスイッチが入ったような音が聞えた気がした…。



「つぶあんはつぶあんであのつぶつぶしている感触とか甘さが好きで、こしあんはこしあんでくどさのないすっきりとした上品な甘さがいいと思う。白あん黄あんはしっとりとした柔らかさだから、皮を薄くしたまんじゅうにした方が…」
「わーーーッ!?;(汗)」



…まんじゅうに関してはとてもよく喋るらしい。


――――で、とりあえず、どれが好きなんだよ?
――――全部すき。


 


3.中身が違うッ!

まんじゅう…それは小麦と小豆と砂糖からなる、甘美な(?)食べ物だ…。
しかし、当然そればかり食べていると栄養が偏る。


「やっぱり…ちゃんとご飯食べてないよねぇ?」
「ありゃまんじゅうの食べ過ぎだろ?;」
「お店の大半のまんじゅうはカイカが食べているそうです…」


それは食べすぎだ。


――――あえて、場所は伏せておこう、そして集まった者の名前も伏せておこう… どうも最近、茶店屋の夫婦が仲間になってから、ますますカイカがまんじゅう好きに拍車をかけ、普通の食事が入らないくらい食べているのだ…。 それを心配した一同がこうして集まった訳だが…

「…やっぱ、強硬手段しかないな、」
「そうだな」
「はい、」
「それしかないよね」

一同が納得した…



「…」

まんじゅうまんじゅう♪と無表情に、嬉しそうに待っているカイカを見つつ、テッドは先に朝食に箸をつけていた。船の上な為、やはり主食は焼き魚だ。対するカイカは――――…


まんじゅう。


(…ちゃんと朝食食えよ。)

そう思ってはいても、まだテッドは口にしない。
別に言ってもいいのだが、一応、どうしても我慢出来なくなって切れるまで彼は言わない。

「…(♪)」
「できましたよ」

ほわほわ|と湯気を立てて、出来立てのまんじゅうがカイカの前に置かれると、彼は無表情に至福のオーラを撒き散らすのだ。

(………なんだかなぁ…)

まあ、それを知っているからこそ、見逃してしまうのかもしれないが…
テッドが表向き冷静に焼き魚を口に運んだ時――――


「かはっ!!」


―――何か、血でも吐いたような妙な音が響いた。

「?」
「…」

何事かと、テッドが隣を見てみると、カイカが宝物のように握るその手から、齧りかけのまんじゅうがコロリと転がった所であった。

「…カイカ?」
「…」

唇が音もなく「中身が…」と呟く…
そう…まんじゅうの中には、ぎっちりと酢の物が詰まっており………

――――――ヒィイアアアアアアアア………!!!!!

「だからこんなことで紋章を使うなーーーーーーーーーッ!!(怒)」
「…(泣)」

食堂で、ソウルイーターと罰の紋章との壮絶な戦いが繰り広げられた…。



「だから、せめて温野菜にしようって言ったのに、」
「ちょうどワカメが採れたんだよ」
「そもそもまんじゅうに入れる必要があったのか?」
「これがカイカにばれたら、私達もただではすみません…」

騎士団一行はそう小さく呟きあうと、全員で沈黙を決め込んだ…。

………まあ、一番ババを引いたのは、テッドさんというお話。

 


4.半分こ


「………」
「…」
「………」
「…」
「………」
「…あげる」
「………」
「…」
「………」
「…」
「………」
「…」
「………〜〜〜半分な、」
「…(♪)」




「あの2人何してるの?」

チープ―が素朴な疑問を、タルに聞いた。
その視線の先には、当然先ほどのやり取りをしていたテッドとカイカが居る。

「いや、なんかカイカがまんじゅう食べ過ぎだ、って怒られてたみたいだ。」
「あ、負けたんだ」
「ああ、絆されたんだ。」


納得して頷く二人…
――――今日も平和だ。

 


5.非常用の食料

カイカの部屋には本棚、それにベットとテーブル(その上に茶器)、かざられたラズリル壺が置かれている。
最近、それに宝箱が増えた。


「カイカ、」
「?」

ぷるぷるとした危なっかしい手つきでお茶を入れているカイカに、テッドは声をかけた。
まんじゅうにお茶は付き物だという理由からか、小間使いをやっていたからか意外にそのお茶はおいしかったりする。
…見ているとハラハラするが、
まあそれはさておき。

「聞いていいか、」
「(こっくり)」

頷いて少しお茶を零している…。

「あの宝箱なんだ?」
「?」

部屋の隅に設置された宝箱を指しつつ、尋ねる。
そして、それに対してカイカは首を傾げながらも、お茶を入れ終わったのでその宝箱の方へ近づき――――

ギィィ…


「まんじゅう」
「コラ。(怒)」

みっちりと、箱の中に詰まった大量のまんじゅうの姿がそこにあった…。

「なんでこんなに…」
「?」

―――いや、食べる。
フツーにコイツなら食べる。

テッドは思い直した。

「このまんじゅう…(怒)一体なんだ?おやつなら、出来立て買って食べるよな?」
「…非常食。」
「どういう時のだよっ!?」
「………(困っている)……………流された時のとか…」
「他の物も入れろよッ!?(怒)」←そういう問題でもない。


せっかく入れたお茶が飛び散るほどの勢いで、怒られるカイカだった…、
とりあえず非常食は没収。(夜中に食べていたら困るので)

 


6.あげない。


「いや…」
「………(怒)」
「やだ…」
「…ダメだ」
「いやぁ…」

潤んだ瞳でうるうるとカイカが哀願するのに対し、テッドは冷たく言い放つ…。
カイカが日頃の無表情さを捨て去った…、そんな状況で2人が一体何をしているのかと言うと………


「…まんじゅう(泣)」
「お前の頭の中にはそれしかないのかッ!?(怒)」


スパーン!と思いっきり、頭を叩かれてカイカは痛そうに頭を抱えた。(でも愛の鞭)
現在の事を語るとなると、話は少し時間を遡らなければならない…




「食べるな…」
「?」

まんじゅうをまぐまぐと口に頬張っていたカイカは、「今なんて…?」という風に、無表情に驚愕の瞳でテッドを見ていた。

「………」
「…」

でもやっぱり、口を動かすのはやめない。

「………(怒)」
「…」

その為、ぺちっと手を叩かれ、まんじゅうは皿の上に落とされた。
「あ。」という表情でそれを見るカイカだ。もし他の者がやったならば、よっぽどの事がなければ………………………(自主規制)な目に合うだろう…。

「カイカ…」
「?」
「今、それで何個目だ…?」
「?」
「…まんじゅう、食ったのは、」
「……………いっぱい。」

テッドが少し目を離した隙に、まんじゅう屋のセイロの上に山積みになっていたまんじゅうが一瞬で消失したのだ。素晴らしいマジック!………などと言う事もなく、作り溜めしていたのかと思いきや、その多量のまんじゅうは全てカイカが食べる分だったらしい。で、それを全部食べたと、
…カイカがまんじゅうを食べている姿は可愛らしく、なおかつ幸せそうで、見ているほうも心和むのだが…

―――――――量が問題だ。

このままではまんじゅう死(?)をしかねない…そう考えたテッドは大きく息を吸い込み――――…

「しばらくまんじゅう禁止だ!!」
「!!!!!」

テッドから「まんじゅうあげない!」(カイカ変換)と言われたカイカは、声にならない悲鳴を上げた…。


で、話は最初に戻る。

「…(泣)」

すでにその日の夜には、テッドの部屋でこんな状態になっていたカイカだ。
めそめそと(テッドの)ベットに倒れて不貞寝をするカイカと、そのベットに腰掛けて不機嫌そうなテッド…。
そんな光景をもし他の者が見たならば、あらぬ誤解を抱きかねない…。
―――一応、カイカの中では、テッド>まんじゅうらしいので、怒られたからには食べられないらしい。
しかし、それでもテッドの部屋に来るというのは凄いが…

「………てっど。」
「〜〜〜〜〜」
ちょっと良心を刺激されてしまう。(わざとなら気にとめないが、彼は本気で素の行動をとっているだけだ)
別にテッドも苛めたい訳でも泣かせたい訳でもないので、ズキズキと罪悪感が痛みつづける。甘やかすな、と自分でも理性が告げているのが分かる。が、
しかし…惚れた弱みからか、つい甘やかしてしまいたい気持ちもある訳で…

「〜〜〜〜〜〜カイカッ」
「?」
「…明日から食べる量減らすか?」
「(こくこくっ)」
「最低半分は減らせよ」
「…(…こくっ)」
「(なんか間が気になるな…;)じゃあ、」
「…」

じぃ〜っと、期待に満ちた瞳が、テッドを見上げてくる。
その顔をがしぃッと掴み、



「………今日は我慢しろよ?」
「(こくこく)」

少し顔を赤くしたテッドと、嬉しそうにしているカイカの姿があったという…。

…とりあえず、らぶらぶ。

 


7.カビちゃった…



「…」

今にも泣き出しそうな顔で、カイカは凪いだ海を見つめていた。
初めて見る本気の悲しみの表情が、こんな時だとは…
テッドはどう声をかけていいのかわからないまま、自分の頭をガシガシッと掻いて、カイカに声をかけた。

「オイ、カイカ…」
「…」

一応声をかけると、カイカは何?という風に振り向いた。
その事に安堵はする物の、表情はまるで変わっていない…。

「…仕方ないだろ?――――お前が悪いんだからな、」
「…」

ますます落ち込むカイカに、こんな顔が見たかった訳ではないテッドは慌てるが―――――…原因が原因なだけに、どう慰めていいのか分からない…。
そう――――…

「カビたんだからしょうがないだろッ!?」
「…(泣)」

そう、まんじゅうがカビてしまったのだ…(それだけの理由だ、)
おそらく原因は湿気の多い場所に放置していた事だろうが、そんな事はカイカにはなんの慰めにもならなかった…。
カビていても、何が何でも食べようとするカイカだったが、テッドに全力で止められ、まんじゅうを海葬(?)で送る事となったのだ。
まんじゅうの詰まった箱は、今はもう遠く流れてしまっている…。
しかし、それでもカイカはその場所から離れなかった。

「大体、まんじゅうを食べたかったらすぐに食べろ。カビるような場所に置くなッ」
「…」
「集めてから食べるのも止めろよ」
「…」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜元気、…出せよ?」
「(こっくり)」


ようやくカイカは頷いた…。

 


8.どれくらい食べるの?


早くもなく遅くもなく…
早すぎず、遅すぎず、
ひたすらマイペース、一定間隔でカイカは口にまんじゅうを運んでいた。
特にガツガツと食べているようにも見えず、ともすればゆっくりと味わっているようにも見える。

もくもくもくもく…

しかし、確実に皿の上からはまんじゅうが消えていく訳で―――――…


…これはまだ、彼のまんじゅう消費量に気付いていなかった頃のお話である…。



「………」

一体どれくらい食べるんだコイツは…?
テッドはそう考え、カイカを見ていた。
皿の上に乗った3つほどのまんじゅう、それはデザートだ。
朝にも見たし、昼食にも、おやつにも見たし、夕食にも、夜食にも、戦闘合間にも見る代物だ。

「………」

…一つ一つ考えてみると、色々ととんでもない事だと分かる。
どれくらい食べるのか、それは悩んでいてもわからない事なので(まさか今からカウントする訳にもいくまい)、昔からの付き合いのあるらしい連中に尋ねてみる事にした。

「アイツ…毎日どれくらい買ってるんだ?…まんじゅうを、」
「え?カイカ、まんじゅう買った事ないよ?(ご飯の時は別として)」




ジュエルの言葉は予想もしていなかった答えだった。

「おい……;」
「――――確かに買ってないよなぁ…?見てるのはあるけど、」
「じゃあただで受け取っているんでしょうか?」
「そりゃないだろ、相手も商売だし」
「でも確かに買ってる所は見たことないし…あ、人から貰ってるのは見た事あるけどさ。…あたしも一個あげてるし、」
「あ、オレも。」
「私もです」
「つい習慣になるしな、…って、全員か?」
あははははー♪喜ぶしな〜?ハハハー、と4人は和やかに笑った。
…確かに、カイカは常に無表情で居るが、感情が出にくい訳でない為(?)、まんじゅうを与えると、普段より喜びのオーラを見せる。

それはともかく、テッドは考えた。(一同が話し込んでいて、会話不能だからだ、)
じゃあ普段食べているのは、全部貰った物なのか?と、
しかし―――――――――――その量はどれくらいだ?
そして、何故カイカは先程からまんじゅうを食べつづけているのに、皿の上のまんじゅうは3つから減っていないんだ…?
隣に居るカイカを見つめ続けていると―――…


「カイカ様、これ…まんじゅうです!」
「…(こくこくっ)」


…まんじゅうを口に頬張ったまま、嬉しそうに礼を言うカイカ…。
――――食ってから礼言えよ。…じゃなくて、
食べた分が、補給されていた。
更に置かれた分も消費すると、こっそりと他のメンバーが皿の上にまんじゅうを置いていく訳で、
…中には、袋ごと置いて行く輩までいる訳で?
―――――…。

「ちょっと待てーーーーーーーーー!!(怒)」

ピタッ、とその場全員の動きが止まる。…一応カイカも食べるのを止めて、その姿勢のまま静止している。
静まり返った場、テッドが静かに問い掛けた…。

「…………この中で、毎日カイカにまんじゅう、渡してるヤツ手上げろ。」

ザッ。
…九割がた手が上がった…。(餌付けしようという、疚しい心の者は、顔を背けて上げている)



食べ過ぎだーーーーーーーーーー!!!!!!!(怒)…テッドの怒声が響き渡る…。
そして、この時からまんじゅう制限が始まったと言う事だ…。

 


9.お腹いっぱい。



「食べろ」
「(いやいや)」
「…食べろ」
「(いやいや)」
「食ーべーろーー(怒)」

現在、2人が揉めている場所は食堂である。
テッドとカイカはほとんど箸(?)の触れていない朝食を前にして争っていた。
そう、カイカは…

「まんじゅうの食べ過ぎで朝食が入らないって理屈はなんなんだよ!?」
「…(反省)」

………………まんじゅうの食べすぎでお腹が膨れていた。
とくとくと説教をするテッドの姿に、見ていた者らは、こう感想を持った。

―――――――完全に保護者になったなぁ、

と。

 


10.NEWまんじゅうの開発


ある日…カイカが小麦粉をボール一杯に入れて運んできた。

「――――?」

特に気にすることなく(実際の所気にしてはいるのだが、)テッドは寝転んだ姿勢のまま本を読んでいた、が…チラリと横目でそれを覗き見る。
カイカはいそいそとまな板、ヤカン、ボール、調味料を机の上にせっせと乗せている所だ。
――――――ちなみに、言っておくがテッドの部屋である。
いや、別にそれをどうこういう訳ではなかったが(もう慣れたから)、気にはなる事は確かだ。

「…カイカ、何やってるんだ?」
「?」

不思議そうに首を傾げる。可愛いが、そういう問題ではない。
テッドは本を置き、起き上がってカイカの横に立った。

「…何やってるんだ?これ、」
「まんじゅう。」

一般にバカな子ほど可愛いと言うが、少し殴りたくなってしまうのは、テッドのせいではないだろう。…きっと。

「〜〜〜〜〜まんじゅう屋で買えばいいんじゃないのか?」
「(ふるふる)新しいの、」
「…作るのか?」

言葉が足りていないが、そこまで理解できるようになっているテッドだ。つまり、新しい種類のまんじゅうを手作りで作りたいらしい。
テッドの言葉にカイカはこっくりと頷いた。



小麦粉にお湯と塩を混ぜ、一気にこねる!こねる!こねる!

「おー…」
「…(必死)」

テッドは思った。
確かに、不器用ではないのだろう。
彼は不器用ではないのだろう。…ただ力の入れ方が間違っているだけで、
―――その証拠に、見事な生地が出来上がっているし、カイカの体は、小麦粉が飛び散って髪まで真っ白になっている。
カイカの今の状態は、「こねこねこねここねこねこ♪」…という、古い子供向けの歌を彷彿させる感じだ。(ネコが一生懸命にパンを作っているという…)
一生懸命で可愛らしいが、部屋を散らかすのは勘弁してくれ…とテッドの表情はそう語っている。
テッドが溜息をついた瞬間、何を思ったかカイカは首を傾げ――――――テッドの顔に手を伸ばし…

ぎゅっ☆


「!?!?!?」
「…」

テッドの耳を引っ張った。
軽くだが、コレは堪らない。

「………カイカ?(怒)」
「耳たぶの硬さ…」
「自分のを使え!!」

真っ赤になって怒鳴るテッドだ。…ちょっとキタらしい。
反省したカイカは、反省した顔で、それでもまんじゅう生地をもう少しこねようとした。が、

「…」

テッドの耳に粉がついてしまっている。
自分の手を見る。
自分の手は粉塗れであった。
しかし、汚したので、粉は取らなければならない。
カイカが方法を考える付くのに、それ程時間はかからなかった。
そして、即座にそのアイディアを実行に移す。

ぱくっ。


「―――――ッ!!!?」

テッドの耳を口にした。(舐め取ろうとしたらしい)

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜カーイーカー…?(///)」
「?」



全身粉塗れになったカイカは、テッドに美味しく頂かれたと言う事だ…
完成。カイカまんじゅう。

 

 

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