バレンタインSSS

 

 

バレンタイン。

そんな日に歓声が聞こえるのは何も、チョコをもらえて浮かれ騒いでいるからではない。

 

「僕としたことが不覚です…ッ!」

 

バレンタイン前夜に、ポッキリ足を折った少年がベットに押し込められているからだ。

しかし、カイルがホットチョコレートやチョコケーキや、お見舞いの義理チョコを差し出しているから、不服そうなもののベットから飛び出す様子はない。

「まさかチョコレートトラップを作ってカイルさんとハッピーバレンタインを満喫しようとして、お風呂場で足を滑らせるなんて!!」

「………(聞かなかったことにしよう;)」

さすがに怪我人にこれ以上怪我を負わせる訳にはいかなかった。

「まあこれはこれでイチャイチャバレンタインですね♪」

「そう?;(…介護?)」

 

本人は納得していたので、今年は平和なバレンタインとなった。