天魁星3人日常劇(仮)2

 

 

この城には今現在、3人の天魁星がいる。

 

一人、現在の天魁星カナタ。

一人、3年前の天魁星、トランの英雄カイル。

一人、約150年前の天魁星、カイカ。

 

バランスが崩れたような、新たな均衡をとったような、それなりに上手く行っているような…

そんな彼らの日常。

今日も今日とて何かが起こる…。

 

 

 

「ちょ、ちょっとさっきのはビックリでしたケド、やっぱり雪遊びは楽しいですねー;」

「………(汗)」

結局カナタは、城内に雪を積もらせてしまっていた…。

5cmくらいの深さな所は、さすがに愉快犯な少年とはいえ、周りの事を考慮したのだろう。一応リーダーだ。

「ホラ、カイカさんも楽しんでるみたいですしー♪」

「うん…;」

少し離れた所で、カイカが雪の上に手形と足跡を付けて回っている。雪が珍しいのだろう、無表情だが楽しそうにしている。(遊び方は良く分からないが、)

「所で、雪だるまとかまくらどっち作りますかーv?」

「(カマクラはムリだと思う…;)雪だるま、」

「じゃあさっそくやりましょう!ジャイアント雪だるまを!―――カイカさーん!雪の玉 作ってくれますかー?頭〜」

「?」

作り方がわからないので、カイカは首を傾げている。

「雪でおだんご作って、転がしまくって大きな玉を作るんですよー」

「…(こっくり)」

わかったようだ。

「カイルさんもやりますよー☆一番大きな玉を作った人が胴体ですー♪」

「…一個多くない、かな?」

「…外国風の雪だるまって事で、スノーマンでしたっけ?」

「さあ?;」

呑気な会話を交わしつつ、3人は雪だるまの製作を始めた。

 

 

雪の塊を作る。

転がす。

更に転がす。

転がして、転がして、転がす。

 

いびつながらも、大きな雪玉が出来始めていた。

「はぁー…結構大きくなりましたーv後、ひとふんばりですねー。」

「…まだ大きくするの?;」

少年の腰辺りまで大きくなった雪の塊を見て、カイルは尋ねる。

…もう充分な程の大きさになっているだろう。(ちなみにカイルは形を整えつつ、綺麗な円形の雪玉 を作っているので、程々の大きさの雪玉が出来ている。)

「まだまだこれからですよ!!何せジャイアントなんですから!―――ねえカイカさ………」

 

「?」

 

――――遠くの方でカイカは、自分の身長を遥かに越えた雪玉を転がしていた…。

勿論、それだけの大きさな為、雪以外の物(木とかバケツとか)も混じって、大変な事となっていた…。今の所生き物だけは混ざってはいないが…

「いや、デカッ!!;デカ過ぎです!!ひーーーーッ!!;」

「(…わかってくれたみたい…)カイカさん、もう…あっ;」

「?」

 

カイルは何かに気付いて声を上げた。

――――確かあのカイカのいる辺りには池があったはずだ…。

 

「止めて来ますーーーー!!;」

「あ!カナタ、待…」

止める暇もなく、カナタも走り………ついに、池の上に張っていたらしい氷は悲鳴を上げた。

…そう、ピシリと、

後は…

 

 

ドッボーーーーーーンッ!!

 

 

 

…一応、池からはみ出た雪の塊の上にはカナタとカイルの雪玉が乗せられ、巨大な雪だるま(…のような物)は飾られたらしい。

続く