天魁星3人日常劇(仮)3
この城には今現在、3人の天魁星がいる。
一人、現在の天魁星カナタ。
一人、3年前の天魁星、トランの英雄カイル。
一人、約150年前の天魁星、カイカ。
バランスが崩れたような、新たな均衡をとったような、それなりに上手く行っているような…
そんな彼らの日常。
今日も今日とて何かが起こる…。
どうあっても風呂行きであった。
「さっさささささぶいです!!死ぬ程寒いですーーーーーーーッッッ!!;」
「………(この気温で池に落ちたんだから…;)」
池に落ちたカナタを助けた為に、カイルも氷水の洗礼を受けてしまっている。非常にサムイ。(…ちなみにカイカはあっさり自分で、池から上がったりした。)
「カイルさーん!!;暖めてあげますーー!!」
ばっ!と両手を広げて、カイルにさあ!と何かを期待する行動をとるカナタ…。
「カナタ、冗談やってると、カイカさん風邪引くから…;」
「っぷし!」
タイミングよく、カイカがくしゃみをした。暖かい気候で過ごしていたカイカは、寒さに免疫がないらしい。確かに、カイルの言う通 り、早くしないと風邪を引いてしまうが、
――――でも、カナタの行動はホンキであったりした。
…相手にされなかったので、少々悲しい。
「いいんですっ…泣きませんっ!!僕泣きませんよッ!?(涙目)」
「お風呂…」
「うん、お風呂;」
でも、カナタは放置された。
「わーーーんっっっ!!(泣)ヒドイですよーーーーッッ!!」
「カナタ…;」
濡れた身体で抱きつかれ、もう服を脱いでいたカイルは非常に冷たい思いをした。
「僕よりカイカさんのが大事なんですか!?子供に奥さん取られた旦那の気持ちですーーー!!(泣)」
「だから子供って…;」
一応年上だ。
「わーーーんっっ!!(泣)」
「カナタも、風邪引くから…;」
抱きついて離れないカナタ(セクハラ)に、カイルは困りつつ言う。
「うう〜ラブラブタイム〜〜〜―――ぶわっくしょっ!!…お風呂入りますー…;」
「うん、;」
さすがに、凍死するのは嫌だったらしく、少年も落ち着きを取り戻して、服を脱ぎ出す。濡れた服を脱ぎ捨てると、風呂場が近い事もあって多少暖かくなる。
「あ〜…生き返りますー;」
まだ湯舟にも浸かっていないというのに、気が早い…。
元々体温高めな為に、すぐにも、体温が平常に戻り始めるのだが―――――…耳が熱くなった。…いや、痒い。むしろ痒くなった。
「〜〜〜〜か、カイルさんー;なんか耳が痒いんですけど?顔とかも」
「しもやけ?」
血行が急に良くなり始めると、大変な事になるらしい。
氷水の中に使ったのだから、当然かもしれないが…
「熱いですー!;顔が熱痛いー!;」
「大丈夫?」
ちなみに、カイルは浸かってまでいないので平気だ。
しかし…二人同時に思った事には、
あ。
「「カイカさん、(先に湯舟に浸かってる、)」」
…風呂場を覗くと顔を真っ赤にしたカイカが、茹だっているのが発見された…。
続く