天魁星3人日常劇(仮)4

 

 

この城には今現在、3人の天魁星がいる。

 

一人、現在の天魁星カナタ。

一人、3年前の天魁星、トランの英雄カイル。

一人、約150年前の天魁星、カイカ。

 

バランスが崩れたような、新たな均衡をとったような、それなりに上手く行っているような…

そんな彼らの日常。

今日も今日とて何かが起こる…。

 

 

 

お見舞いの品(?)は、冷たい飲み物と、やっぱりコレ。まんじゅう。

「カイカさんまんじゅう好きですからねー」

「…お茶の方がよかったかな?;」

「まんじゅうにはお茶かもしれませんけど、茹だっちゃってますからやっぱり冷たい方がいいんじゃないですか?」

「うん、」

久しぶりに二人きりの時間である、カイカが居ても楽しい事は楽しいのだが、やはりラブラブな時間は必要らしい。少年の足取りは軽かった。

…正直なのはいいが、一応カイカが医務室に運ばれている事だけは注記しておきたい…。

「忘れてませんよー!;ちゃんとお見舞いのまんじゅうとカイカさんの着替え運んでる所なんですからねーッ!?」

「カナタ…;(誰に言い訳して…)」

そういう事らしい。

 

「でもまあ、内の医者(ホウアンさん)ですから安心ですねー☆なんとなく、イメージ小児科って感じですけどー(笑)」

「安心って?」

「いえ、お医者さんってセクハラなイメージあるじゃないですかーv(笑)」

「………(汗)」

片寄っている。

「カイカさんって何かセクハラ受けやすいフェロモン出てますからー、ちょっと心配だったんですけどね〜(笑)」

「………(…ふぇろもん?;)」

笑いながら医務室のドアを(足で)開いたカナタは――――――固まった。

 

「…」

「カナタさん、」

 

何か治療台の上、腰から下だけをシーツで覆われた(殆ど)裸なカイカが、ホウアンに聴診器で診察されていた

―――ぼとっ。

 

まんじゅう(箱)が床の上に落ちる…

「しっ…信じてたのにーーーー!!;自分の所の医者がセクハラ医者でないとーーーーーーーー!!;うっ裏切られましたーーーー!!;そりゃちょっとお小姓さんみたいなトウタが居て、多少怪しんではいましたけどギリギリいい人の範囲だと思ってたんですよーーーーーーーーー!!!!!?;」

「カナタ落ち着いて;」

「まんじゅう…」

「っ;カイカさんは着替えるまで動かないで!」

「ギャーーーーー!!;不祥事ですーーーー!!!!!;」

カナタが頭を抱えて絶叫し、パニック状態に陥る…。

もう収拾がつかなさそうだ…

 

「ホウアン先生〜お水汲んで来ました〜!!…あれ?どうかしたんですかー」

「いえ…どうも、自分で着替えを持って来られているのを忘れているらしくて…」

「はあ?」

「っぷし!」

カナタの混乱を止めないと、カイカは近い内に風邪を引く事だろう…。

 

続く