大晦日だらだら座談会。
コタツ。
ミカン。
そして、カナタ、カイル、カイカ、テッド、の4人。
だらだらとした大晦日が始まっていた…。
「あー…別れる時?」
「そーです。」
「うん、」
テッドの疑問の声に、カナタとカイルは頷いた。
コタツの上にはミカン。
コタツの下(?)には、べったりとカイカがテッドに懐いている。(別に手を繋いでその横で寝ているだけだが…)
大晦日。だらだらとした会話を続けていたのだが、そんなカイカの姿にどうやって別 れたのだろうか?という疑問を抱いたらしい。
「…そうだな〜…わりにあっさりしてたけどな?;」
何か言いにくそうだ。
しかし、他人の『そういう話』は所詮他人事だ。
カナタは興味津々に聞きたがっている。
「面白そうだから話して下さい☆」
「オイ。」
暇なだけかもしれない。
しかし、まあ…カイルもなんとはなしに聞きたそうにしているので、テッドは仕方なく口を開いた。
「大分省略するけど、まあ…。―――あの戦いの時…カイカは最後に紋章の力を使って…」
紋章の上げる聞き慣れた悲鳴の音。
船体が波と衝撃に煽られ、連続して大きく揺らぎ続ける。
『カイカ!』
反射的にテッドは少年の名前を呼んだ。
――――すると、少年は無表情に嬉しそうな顔でテッドの方へ駆けてこようと―――…
この揺れの中で?
『違う!;動くなって言って――――…!!』
『?』
つるっ。
『あ!;』←「この馬鹿!」という気持ち…
ドッポーーーーン…
「――――で、そのまま行方不明になった。」
「見事に別れの挨拶すらないですね!」
「捜さなかったの?;」
「一週間は探したぞ…(げんなり)」←捜索に付き合わされたらしい。
生きているだろうと見当を付けて、旅立ったらしい。
何か、除夜の鐘が鳴り響く中、微妙な雰囲気が場に満ちていた。
こんな大晦日でいいのか?
呑気に寝こけるカイカだけが、ただ平穏そうだった―――…