春はまだ来ぬ

 

あぉ〜〜〜んあぉ〜〜〜〜ん

気のはやいにゃんこ達の恋するこえが聞こえてきます。

 

「ねえねえ、ナナミ〜〜〜」

「なに〜?」

こにゃんことその姉ナナミは、そんな事はおかまいなしで毛布の上を二人でころころしています。

「僕もカイルさんとあ〜ゆ〜事できるかな?」

ころころ…

「え!え!カイルさんてあのきれいな黒いにゃんこさんよねっ!!」

「うん。」

ぱたぱたとナナミのしっぽが左右に揺れます。

肯定されたセリフにウ〜んと首をひねりますが、すぐに明るい笑顔をみせます。

「カナタなら大丈夫よ!!なんていったってわたしの弟なんだもんっ!!」

説得力もないセリフですが、なぜか納得してしまう響きがあります。

 

あきらめなければ大丈夫!!

 

そんな気がしてきます。

「そうだよねっ!!!」

ガッツ全開で拳を握りしまます。

こにゃんこにつきあわされるカイルは気の毒ですが、まあ愛だと思って諦めてもらいましょうv

 

 

「……………ところで〜」

「えっ!なになにっ!!」

「ジョウイの姿見ないよねー」

「…………あれ?あれあれあれ???」

いつも一緒にいるはずの親友(?)にゃんこジョウイの姿がありません。

「う〜ん、こんな時期だから誰かおんなの人(にゃんこ)にナンパされてたりして♪」

「ええーーーー!!!!」

ナナミがびっくりした声をあげます。

「な〜んてそんなことないよね〜vvv」

「そうよね〜ジョウイだもんねっっ!!」

あはははは♪と楽しく2匹が語り合っている時……

 

 

「まあ、あなたわたくしの夫になりませんこと?」

「は?」

「あなたといればなにか楽し気なことがありそうですわっっ!!!」

「あのっ僕の意見は………」

ジョウイはなんとか言い返そうとしますが、ふはははははははという笑い声にかき消されて誰にも聞こえていませんでした。

と、言う訳でナンパされていました。

 

                            終