春の兆し

 

にゃんにゃんにゃん♪

「カイルさんvカイルさん♪」

こにゃんこ、カナタは今日も楽しそうにとら模様のしっぽをパタパタふって楽しそうに、だいっ好きな黒にゃんこさんと遊んでいます。

どうやら今日はきのぼりをしているようです。

桜の花びらがにゃんこ達の目の前を舞っています、

「カイルさん!!いきますよ〜――ていっ!『にゃんこミラクルアターック』っっ!!」

こにゃんこは桜の木の上から、くるくると回転して地面へと着地しました。

どうやら本人(ねこ)にとっては必殺技のようです。

「どうですかっ!!どうですか〜〜〜っっ!!!」

得意げにしっぽをピンと立て、みみをピクピクさせています、

「うん、すごいね」

嬉しそうなこにゃんこを微笑ましく思うカイルです。

 

「ところでカイルさん………」

「?」

もう一度木の上に上ってきたこにゃんこは何やら言いにくそうに、口を開きます。

にゃんこには何を言うのか予想もつきません。

「『はつじょうき』ですよね、」

「―――――うん…?」

発情期。

どうやらこにゃんこは、黒にゃんこさんを狙って(?)いるようです。

「どうして?」

しかし、にゃんこはこにゃんこの下心など全く解っていません。

「えーっと、ほら周りが………」

周りと言っても、遠くの方での微かな声ですが、にゃんこ達には充分に聞こえる声です。

艶やかな声があちらこちらで上がっていました。

「それに、クルガンさん達最近見ないな〜と思って……(汗)」

「そうだね、」

 

「「……………」」

 

何やら間があいてしまいます。

「―――――――〜〜〜〜〜」

この場の雰囲気に耐えきれなくなったこにゃんこは、意を決して口を開きました。

「カイルさん発情期は―――――」

「え?まだきた事ないよ…?」

「〜〜〜〜〜〜〜〜」

こにゃんこはもはや何が言いたいのか忘れてしまいました。人間………いえ、ねこタイミングを外すと何がなんだかわらなくなるものです。

『僕と過ごしましょう!!』

と言いたかったのでしょう。

「え〜っと…明日も遊びましょう!!」

「うん。いいよ?」

きょとんとしている、にゃんこでした。

 

『明日こそ押し倒してみせます〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!』

 

と、闘志に燃えるこにゃんこに、明日はあるのでしょうか?

 

 

まて!次回!!