お花見へ行こう!3

 

 

ちらちらと降る桜…

それを並んでながめているにゃんこが2匹。

もう、夕暮れがちかいじかんなのですが、2匹はまだ一緒にいました。

「キレイですよね〜…v」

「うん、」

こにゃんこカナタは、カイルの方を見て言っていたりするのですが、それににゃんこは気づいていません。

地面の上に雪のように降りつもっている桜のはなびらを見ると、ついついかけまわりたくなる年頃のこにゃんこなのですが、今日は大人しくカイルの横に座っています。

何せ、こにゃんこは今年の春にすべてをかけているのです、ここで男を見せなければ、にゃんこがすたるというものです。

カナタは覚悟をきめました!

 

「あのっ!カイルさんっ!」

 

「?」

突然、こにゃんこがはっし!とカイルの腕をつかみます、そして…

 

ちゅっ

 

本当にとつぜんな事でしたので、にゃんこは固まります。しっぽの先まで、ぴたっとみごとな固まりぶりです。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜ちゅーーーーーっ!

 

「???;」

そして、しかも、まだつづいたのでした。

黄茶の毛並みのしっぽはうれしそうにゆれて、

まっくろな毛並みのしっぽは、耳まで逆立っているじょうたいです。

にゃんこの顔は赤くなり、真っ赤になり、そして…

「好きです〜v」

「…〜〜〜〜(///)」

こにゃんこからのちゅうvが終わっても、にゃんこのかおはまっかでした。どうやら、イヤではないようです。

「カイルさんvカイルさんvカイルさん〜v」

その反応がうれしかったのか、こにゃんこはしっぽをぱたぱたとふって愛情表現ーvとばかりに、顔中に『愛のキッス』をふらせまわるのです。

舞いちるさくらがまるで、ハートの嵐のように見えるのは、決して気のせいではないでしょう。

にゃんこの頭にもこにゃんこの頭にも、ハート形の花びらがついています。

…そして、ちゅうの嵐でいつの間にか、にゃんこの目がとろんとしていました。

ほっぺたは桜色、いつの間にか逆立っていたしっぽの毛並みも収まっていて…

 

『いける!』

 

きゅぴーん!とこにゃんこのオスの本能が炸裂しました。

「カイルさ…!」

 

 

つるんっ!

 

 

――――びったーーーん!!

 

「カナタ!?;大丈夫!?」

―――にゃんこ木もから落ちる。

 

 

やはり、枝の上はあぶなかったようで、こにゃんこはせっかくのチャンスを逃してしまいました。

しかし、心配したにゃんこに一晩かいほうしてもらえたという、小さなしあわせはあったようです。