にゃんこ逃げる
「カーイルさんっ♪」
「………!!」
ベシャッ。
…と、にゃんこは落ちました。
そう高くはないヘイの上からです。
落ちたにゃんこは、マクドール宅の坊ちゃんにゃんこさん、カイルです。いつもならのんびりとした様子で、そのキレイな黒色の耳としっぽとを日光にあてているというのに、今はなぜだか地面 のうえにころがっています。
原因は、声をかけたこにゃんこカナタなのですが、こにゃんこにはその『原因』はわからないでしょうし、(もしここに誰かほかのにゃんこがいたら)端から見ていたにゃんこたちにもわからなかったでしょう。
しかし、カイルが落ちたことはたしかなので、こにゃんこは、茶トラ色のしっぽをピーン!とたたせて、あわてます。
「カイルさん大丈夫ですかっ!?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
地面に落ちてしまったにゃんこは、そのこにゃんこの手とかおを見ると、頬をまっ赤に染めて…
「――――――!!;」
ダッシュで逃げてしまいました。(珍しくも、)
「Σ!?;」
あまりのことに、こにゃんこは呆然です。
まさか、(何もしていないのに)にゃんこさんに逃げられるとは思ってもみなかったのでしょう、かおを見て逃げだされるなんて、初めてのことなのです。
あれでもか、これでもかと、自分のやらかしたこと(いたずら)をはんすうしますが、結論はでません。そして、ふと思いついたことは、
「…はっ!もしや嫌われたんですか!?(泣)カイルさーーーーんっ!!?」
うに”ゃーんっ!(泣)とこにゃんこの泣き悲鳴があがります。
こにゃんこが本懐を告げたその次の日からの騒動…