毛糸遊び

 

 

「かくれんぼはやめです!!もうこうなった運動しましょう!運動!!」

「〜〜〜;」

コタツからひっぱり出されて、にゃんこはいまだに床につめを立てています。ギギギーと、つめが床にキズをつけていました…。

「とゆー訳で!とーーー!!」

こにゃんこはどこからか運んできた毛糸を、りょうてで思いっきりころがしました。

そして、赤い糸のさきがピロピロとゆれるのを、ついつい視線でにゃんこも追ってしまいます。にゃんこのサガですね。

こにゃんこはすばやい動きで、じぶんでころがした毛糸のあとを追いかけ、追いこし、とっては投げ、けっては抱えをくりかえします。

「あはははははー♪」

カイルさんはそれを見ているだけなのですが、やはりおもしろいのか、毛糸にうごきが加わるたびに黒いしっぽを、ピクリピクリとうごかしています。

しかし…

「とー♪」

「え?」

いきなり毛糸とこにゃんこがカイルの方へところがってきました。

「あ…;」

「わぁっ!?;」

 

コロコロコロコロ〜〜〜〜!!

 

にゃ〜〜〜…というひめいと共に、毛糸とにゃんことこにゃんこはもみくちゃになってころがって行きます…。

 

 

 

 

「ぼっちゃ〜んカナタ君ー、おやつを買って来………ぼっちゃーーーんっ!?」

付き人さんがかえってきて見たものは、にゃあにゃあとひめいをあげる、おおきな毛糸のすがたでした。

「またこんな事に…!;いったいどういう遊びをしていたんですか!?;」

「こ、これが本当の赤い糸で結ばれてる関係でしょうか!??;」

「言ってる場合じゃないから…;」

 

すっかり絡まってしまった毛糸をはずすのに、付き人さんはたいへん苦労したそうです。

もちろん次からは、遊ぶときは外にだされるようになりました…。