マクドール家のぼっちゃんにゃんこ、カイルさん。

にゃんこさんの最初のきおくは、ちいさいちいさいうまれたばかりのこにゃんこの頃。

ふわふわのやわらかいものにつつまれた、甘い甘いミルクのかおり。

ただそれだけです。

いつのまにかその甘い温もりがなくなったあとは、付き人さんにそだてられていました。

 

 

こにゃんこカナタの最初のきおくは、つめたい雨とくうふく。

すてられたのかそうでないかはわかりませんが、気がついたときには1匹(ひとり)でいきていました。

人懐っこいせいかくと、パワフルな生存ほんのうでエサにはくろうしませんでした。

 

『ねーねー!あなたもひとりっ! ならあたしがお姉ちゃんになったげるっ!ナナミお姉ちゃんよ!』

 

そう、おなじくらいの生後のこにゃんこが声をかけてきたのが、さいしょの温かいきおく。

 

 

 

「そんな訳で、親の顔ってわかりません〜」

すっかり気に入っているおこたのうえで、こにゃんこはのんびりとそんなことをいいます。

こにゃんこには、野良にゃんことしてうまれたことを悲観するきもちはないようですね。

でもその話をきいたにゃんこさんは、こまったような顔で、黒いおみみを上げ下げしています。

こにゃんこはまったく気にしていないのか、あえてきづかないようにして話をそらそうとしたのか、にへ〜♪と笑顔で、おこたから下りてにゃんこにたずねます。

「カイルさんも全然覚えてないんですか〜??」

そしてそんなこにゃんこの様子に、にゃんこもほっとしてちいさな笑みをかえしてこたえます。

「うん…でも、僕は皆がいてくれたし…グレミオがいてくれたから。」

「え!?」

しかし、このへんじにあせるこにゃんこ。

『僕がいるのにグレミオさんのが大事で大好きって意味ですか!?(泣)』

 

「グレミオがお母さん代わりだったから…」

 

照れたようにいうカイルさんに、こにゃんこの逆立ったしっぽがしぼみます。

きもちは、セーフ!といったかんじでしょうか?

寝どこや、ごはんのおせわをしてくれるグレミオさんはお母さんで、遊んでくれる付き人さんのクレオやパーンはお兄さんお姉さんなのです。

 

「ぼっちゃん〜晩ご飯のグレミオ特製シチューが出来ましたよ! カナタ君もいっぱい食べていってくださいね」

コト、と目の前におかれた、ほわほわ温かくいいにおいのするシチューと、ニコニコの笑顔。

たしかにグレミオさんは…

 

「義母さん♪」

「え?;カナタ君、どうしたんですか??」

ペトッと足にしがみつかれて、ごろごろとこにゃんこはお礼ののど鳴らしをします。

それを微笑ましく黒にゃんこさんはみつめていました。

 

 

そんな、のどかなある冬の日のおはなし。

 

親子企画?やってみました(爆)

微妙っ!