遠足大作戦 その2

 

 

とにもかくにも、こにゃんこたちは山へやってきていました。

まだ秋の色がのこる山のなかは、木やこの葉がいっぱいで、風とさむさをやわらげてくれています。

 

「あーーーーーー!;」

 

何とかおちつけた4匹でしたが、またおちつくヒマもなくこにゃんカナタが声をあげました。

「お弁当忘れました!!」

しっぽもみみも、ピーン!と立たせてこにゃんこはこまります。

「僕も持ってきてないけど…(こんな遠くまで来ると思ってなかったから…;)」

「オレもないぞ。お前は?」

「ない、」

テッドにゃんこが尋ねますと、カイカにゃんこもふるふると首をよこにふります。

どうやら、全員わすれてきてしまったようです。

…まあとつぜんのことでしたので、仕方がないといえば、しかたがないことかもしれません。

うーん。とあたまをなやませる一同でしたが、しずかになったそのとたん、ちいさな水音がみみにとどいてきました。

 

見にいってみますと、ちかくに小さな川があることがわかりました。

春や夏なら、とてもおもしろくあそべたでしょうが、いまはさむい季節です。ざんねんながら、水あそびはできません。

「まあ…飲み水は確保だな、」

「ていうか、ここでゴハンもGETできるかもですよ〜♪」

「カナタ;水冷たいから、」

「…」

黒にゃんこさんが、こにゃんこのむちゃなことばをたしなめたのも聞こえなかったのでしょう…こにゃんこのことばに、みみをピクリとさせたカイカにゃんこが、ぴょんっとためらいもなくつめたい川のなかへ飛び込もうとしました。

 

「「わーーーーー!!?;」」

「カイカさん!;」

 

このにゃんこさん、にゃんこにしては、めずらしくも泳ぎがたっしゃなのです。

それでも、このさむさのなか、川のなかに飛び込むのは、いのちしらずにもほどがあるでしょう。

ほとんど反射のうごきで、テッドにゃんこが、薄茶のしっぽをはっし!とにぎったので、カイカさんは水中ダイブみすいにおわりました。

…痛そうなこえはあがりましたが…

 

 

「ふーーー!;危なかったですー!;」

「うん…;」

テッドにゃんこがカイカにゃんこをせっきょうするなか、こにゃんこと黒にゃんこさんはドキドキ;とひやあせをぬぐっています。

「でも、ごはんどうしましょうね〜?きのことか栗とかドングリなら集められますよ!」

「生じゃ食べられないから…;」

そう。もともとは、おべんとうがないからこまったことになっているのです。

こにゃんこはいっしょうけんめいに、どうやってゴハンを調達するかをかんがえます。

…そのときです。

ガサガサと茂みをかきわけて、なにかがでてくるではありませんか!

 

「―――お? 何でこんな所に、わんさか猫がいるんだ?」

 

………。

「…狽ュ、クマですーーーーーーーーーーー!!!!!」

こにゃんこはしっぽをさかだてて、さけびます。

しかし、その相手はクマではありません。でてきたのは、クマのようにおおきいですが、れっきとした人間のビクトールさんです。

「クマーーーーーー!!カイルさんを守りますーーーーーーー!!!!!」

「カナタッ!?;落ち着いて…」

 

ゴスン。

 

…こにゃんこは、いきおいをつけて、じぶんの体ほどもあるおおきな石を、ビクトールさんのあたまにぶつけました…。

いくら頑丈なビクトールさんでも、きぜつをしてしまいますね。(タンコブですんでいるのはさすがですが。)

 

 

 

「お弁当GETです〜♪」

「いいの、かな…?;」

「…オレはもう気にしないことにした。;―――カイカ!まんじゅうだけ食うな!(怒)」

「…(♪)」

4匹はもくもくと、おいはぎのごとく、ビクトールさんのおべんとうをたべました。

デザートのまんじゅうまできっちりとです。

 

 

次回はテド4中心でとのリクもありましたので、それで。(テキトウな…!;)