冬の日溜まり

 

寒くなってくると、あちらこちらの暖かい所に猫玉が見られます。

にゃんこ達がくっつきあったじょうたいの事です、

そして、ここにもじゃれあい身体を寄せあっているにゃんこ達がいました。

 

「カイルさ〜ん♪」

とら柄こにゃんこ、カナタの咽からゴロゴロとじゃれる音が漏れます。

「ん〜」

じゃれられているこにゃんこよりも少し大きなクロにゃんこ(体格はカナタの方が大きいが)、カイルは以外と寒がりでした。

暖かい日溜まりで、こにゃんこのフワフワとした毛並みに顔を埋めます。

『。。。』

こにゃんこにとっても役得でしょう。

 

 

「カイルさん寝ちゃいました…」

すーすーと規則正しい寝息がこにゃんこのおなかの上で聞こえます。

上体をずらせると、にゃんこの顔が見れます。

かんぺきに気を許した寝顔です。

「はぁ〜かわいいです〜〜〜。…もうこの際寝ている内に押し倒しちゃおうかな?」

にやりとあくどい笑みが広がります。

それは犯罪です、

「………冗談だけどね、」

カナタはにゃんこの顔にすりつきます。

「嫌われたくないんですよね〜」

まだまだこにゃんこなカナタですが、もうすぐ立派なにゃんこになります。

その時までは我慢するようですね、

 

「とりあえず、この春(発情期)が楽しみです…」

ふふふふふと無気味な声が聞こえます。

その声に反応してか、寒くなったのかはわかりませんが、にゃんこの身体がびくりと震えます。

それを見取り、こにゃんこはカイルに軽く口付けをし自らも眠りに落ちるべく、にゃんこに身体を寄せました。

 

とりあえず、クロにゃんこカイルの運命はこの春まで(一応)無事なようでした。

明日も暖かい陽がにゃんこ達に訪れますように、