ちびにゃんこズ編!〜迷子のこねこちゃん前編の巻〜
ママにゃんこゆずりの可愛さと、パパにゃんこゆずりの活発さをかねそなえた2匹のちびにゃんこたちは、いつもげんきです。
マクドール邸でそだっているちびにゃんこたちでしたが、ちかごろではそろそろお外デビューをしたそうなようすをみせていました…
「我〜が〜子〜!♪♪♪」
よくわからないかけ声をあげつつ、(元)こにゃんこカナタは2匹を抱きしめてあそんでいます。
口調はなんだかあそんでいるようでも、(元)こにゃんこはとてもちびにゃんこたちをかわいがっているのがはた目にもわかりますね。
そして、そんなあそびのなか、ママ似のちびちゃんこはされるがままにカナタの腕にころーんところがっていますが、カナタ似のちびちゃんこは大ハッスルで噛んだりひっかいたりしています…。
じゃれあうおやこを見て、ママにゃんこ(?)カイルはほほえましそうにしていました。
「あ、もうこんな時間です〜。今日はちょっと早いですけど、帰りますね!隣町までお散歩なんです!!」
「うん、」
にゃんこらは通い婚なのでした。
(元)こにゃんこは、ちびちゃんこたちを開放すると、今度は黒にゃんこさんにだきつきます。
「お土産持ってきますね〜♪♪」
「…ありがとう(///)」
ぅちゅー♪とキスをおくられ、カイルさんは頬をそめててれました。…どうやらまだまだ新婚さんのようです。
そして、こにゃんこが縁側からお外へ出ようとした時です―――
ひしっ
「あれ?」
「にぃ」
こげ茶トラのちびちゃんこが、しっか!と背中にくっついていました。
「何でハルが背中にくっついてんですか??;」
「に!」
ぶん!とこにゃんこはからだを振ります。
びゅん!とちびにゃんこのからだがまわされます。
「にゃ!」
しかし、しっかりとツメをたててつかまっているハルと呼ばれたちびにゃんこは、はがれるけはいもありません。
「どりゃー!!」
ぶんぶん!!
「にゃ!」
「カナタ!;危ないから止めて、」
しんまいパパにゃんこはあそんでいるつもりでも、ちびちゃんこはひっしです…。とうぜん見ていられないのがカイルさんです。
「ハルも…今日に限って、どうしてカナタから離れないの?」
「に〜…」
こまった顔でいうママにゃんこ(?)に、ちびにゃんこもしっぽとみみを垂らせます。
それでもパパにゃんこの背中からはなれずに、
「はにゅも、おにょといきゅ…!」
とちいさな宣言をしました。
ちびにゃんこのおそとデビューの宣言です。
「むむっ…!もうそんな時期ですか…!確かに!ハルにもそろそろ、僕の漢の生き様を見せ付ける頃…!」
「(よくわからない事も言ってるけど…;)早く、ない…?」
「いえいえっ!全然問題なっすですよ☆」
「に♪」
「ただ…ルィはカイルさんに似て可愛いですから…!今から変な虫がついたら嫌ですし!今回の所はハル一人で行きますね!!」
「にぃ…」
げんきにカナタの背中で鳴き声をあげるちびにゃんことはぎゃくに、カイル似のちびにゃんこはすねたようにパパにゃんこをみあげます。
「ああっ!!その顔にメロキュンですー☆」
「ルィが行く時は僕もついていくから…」
きょうはおそとには行かない黒にゃんこさんは、だからがまんしてね?といいきかせるように黒ちびにゃんこにはなしかけます。ちなみに、(元)こにゃんこのコメントについてはむしのようですね。
「そうと決まればレッツラゴーです♪♪」
「にぃ♪♪」
そっくり親子は、言うがはやいかすぐに縁側からとびだしていってしまいました。
「行っちゃった…大丈夫かな?;」
「………」
じっとルィと呼ばれたちびにゃんこは、おそとをみつめています。
そんな我が子に何かこえをかけようとカイルはしましたが、そのときふいに付き人さんによばれるこえがきこえて、ルィから目をはなしてしまいました。
ほんのいっしゅんのことです。
「…りゅ〜もいっにょにいきゅ…」
ぴん!とほそいしっぽをたて、ちびにゃんこはおともなくころがるいきおいでおそとにしゅっぱつしました。
「………あれ? ―――ルィ!?」
いなくなった我が子に、黒にゃんこはしっぽを逆立ててさけびました…!
つづく。