VSしゅー●っは!?〜春直前の大乱闘〜
今年さいごの雪が、わずかにつもったある朝のことです。
にゃんこたちにとっては、じゅうぶんに雪あそびができる量でしたので、2匹のにゃんこはマクドール邸のお庭でかけまわっていました。
「ぎゃ〜!冷たいです〜♪♪」
「…(♪)」
茶トラのこにゃんこは、まっ白い雪のうえにわんこのごとく足あとをつけまわっていますし、あわい茶の毛並みのにゃんこさんはしんけんに雪の玉をおおきくしています。
マクドール邸にたいざいしている、このこにゃんこカナタとカイカにゃんこは、にゃんこの常識からはずれて雪をおおいにたのしんでいるようすです。
もちろん、にゃんこはコタツでまるくなる♪というように、さむいにはさむいのでしょうが、さむさよりもたのしさがまさっているようなのでした。
そしてさむさの方ががまさったもう2匹のにゃんこらは、ぬくぬくおコタでお昼寝中です…。
まあ、そんなへいわな1日だったのですが…異変がおこるのは、ほんのわずかな時間でじゅうぶんでした…。
「カイルさんへのお土産に可愛い雪うさぎを作りまくりですよ〜♪」
「…」
こにゃんこがしっぽをふりふり、雪うさぎのさくせいにはげむなか、カイカにゃんこもさらに雪玉をおおきくしようとお家のかどまでコロコロころがしていきます。
フッ、とカナタの死角にはいったそのしゅんかんです。
ドン、
「?」
なにかにぶつかって、雪のかたまりはうごかなくなりました。
お耳をぴこぴこさせながら、(無表情ですが)ふしぎそうにくびをかしげてカイカが前をみますと…じぶんがつくったものではないおおきな雪の玉がありました。
しかも、じぶんがいまからつくろうとおもっていた完成形の雪玉が2つかさなったぶったい…雪だるまです。
「?」
さらにくびをかしげながらも、カイカさんはこにゃんこにもおしえてあげようと、雪だるまに背をむけたそのときです。
バクッ。
「!!!!!」
「あれ?カイカさん??」
いっしょにあそんでいたにゃんこの不在にようやくきづいたこにゃんこは、かわいくできた雪うさぎをおいて、キョロキョロあたりをみまわします。
ふいに庭のかたすみから、なにかがうごく気配…
「あ♪ ―――って、わ゛あ゛ーーーーっ??;」
のそりとあたわれたソレに、こにゃんこはしっぽを逆立てて、よくわからない奇声をあげました。
「おい、そろそろ昼メシの時間だから、部屋に戻れよ」
マクドール邸宅でおせわになっている、半野良にゃんこのテッドさんがひょいっと庭にかおをのぞかせてそういいました。
しかし、2匹のあそぶすがたはそこにはありません。あるのはたいりょうの雪うさぎばかりです。
「どこ行ったんだ…?」
まさかいきおいあまって敷地のそとまではしりでたのか?とも、テッドにゃんこはかんがえましたが、さすがにこのさむさのなかでそこまでむぼうなことはしないだろう、とかんがえなおしました。そんなときです、
「………ん?」
きゅっ、とゆきをふんだような音がきこえて、テッドにゃんこはピクリと耳をうごめかせてふりかえりました。
ダラーン。
「……………」
そこにはなぜか、口から2匹のにゃんこを垂らせた雪だるまがたっていました。
1匹は下半身を雪のなかにうずめたカイカにゃんこで、もう1匹下半身だけはみでているにゃんこで…しっぽのもようからするとこにゃんこカナタでしょうか?
いったいなにをあそんでいるのかと硬直するテッドさんです。
が、しかし。
「てっど。」
「助けて下さいーーー!!;」
なにかをうったえるようなカイカにゃんこのしせんと、くぐもりながらもわかりやすい助けをよぶこにゃんこのこえをきっかけに、―――雪だるまがテッドにむかっておそいかかってきました。
「何だぁああぁあッ!!!!????;」
肉食獣さながらのうごきに、テッドにゃんこもしっぽを逆立てうしろへ跳びずさります。
雪だるまのくちのはしからのぞいているのは、するどいキバです。
テッドにゃんこをねらう今も、カイカとカナタをがっちりはさんではなしません。
「オマエら…どんな雪だるま作ってるんだよッ!?;」
「つくってない。」
「そーです!無実です!!ソイツは野生の雪だるま型しゅー●っはですよ!!」
「しゅーま…??;」
説明っ!
しゅー●っはとは!その昔チャン●ォンで連載されていた全7巻のギャグ漫画で、毎回おじいちゃんの作り出すしゅー●っはと世間から戦う少女の悲しくも愉快な物語である!
尚、何故だか当サイト内においても時々出没し、カイルさんの頭を悩ませているぞ!
「ちなみに主食は松坂牛のみ!好物は食後の冷えたビールです!!」
「オマエら食われてるだろッ!?;」
「そこが謎な部分です!」
だらりと腰からしただけを垂らせているこにゃんこは、まだまだよゆうのようでした…。
「寒い…」
おなかどころか、からだ中をひやされているカイカさんは、(無表情ながらも)ピルピル耳をふるえさせていて、よゆうはあまりないようです。
「僕なんて顔面凍傷の危機ですよ!でもまあ、もう少しの辛抱です、テッドさんが何とかしてくれる筈ですから!」
「こんな物相手にどうしろって…!(怒)」
殺(シャ)ァアアッ!と、おそいかかってくる雪だるまのこうげきを、よけるのでせいいっぱいなテッドさんです。
かじられているのが、さんはん器官のじょうぶなにゃんこらでよかったことでしょう。ふつうでしたら、目をまわすかきもちがわるくなっているところです。
にげまどいながらも、テッドにゃんこはひっしに打開策をかんがえます。
(雪だるま雪だるま…!;―――そうだ…!溶かせば…!)
「テッド?カナタとカイカさん…え!?;」
タイミングよくあらわれた黒にゃんこカイルさんは、雪だるまに2匹がくわえられ、親友にゃんこがおいまわされているという光景に、フリーズです。
「(助かった!)カイル!頼むっ一生のお願いだ!;お湯持って来てくれ!!」
「うん、わかった;」
なにがどうなっているのかはわかりませんでしたが、黒にゃんこさんは親友にゃんこのいうとおり、お湯をとりにお家のなかにもどりました。
かくして、バッシャ〜ンッ!という音とともに、このたたかいは終結したかのようにみえたのですが…
「は〜は〜;」
「大丈夫?;(皆…)」
あまりだいじょうぶなようすではないようです。
雪だるましゅー●っはからにげていたテッドにゃんこは、(精神的に)つかれてへたりこんでいましたし、雪だるまごとお湯をかけられた2匹はさむいのか温いのかわからないようなひょうじょうですわりこんでいましたし…
「足…」
「顔がピキピキです;凍ってます…っ;」
「………(汗)とりあえず、家に…;」
かおやら足やらをさすってプルプルしているにゃんこらをみて黒にゃんこさんはそう提案しますが、そのはいごで―――…
「おい…あの辺りの雪、何か動いてないか?;」
「え?」
ふりむいた傍から、雪がむくむくむくっとふくれあがり、ギラリとキバをひからせて雪だるま型しゅー●っはがよみがえりました。
「さすが野生のしゅー●っはです!ひと味違うしぶとさ!!」
「そんな事言ってる場合じゃ…;」
「冷たい。」
「カイカ!!;何あっさり喰われて…まさか、冷えてて足が動かなかったのか!?」
ほんの庭さきのことだというのにもかかわらず、この異常なそうどうは雪がすべてとけるまでつづけられました。
しゅー●っはなにゃんこ4匹…(笑)
やってみました☆
というか、メールの調子が悪くて、アップ遅れましたが、何とか…(爆)