新たなる生命の神秘編!〜前編〜

 

 

 

ごくフツーのよくはれた春の日のことです。

(元)こにゃんこカナタとそのこどものちびにゃんこたち、そこにまざってカイカにゃんこがいっしょにあそんでいました。

そんなへいぼんなほのぼのした光景が、フツーでないにちじょうにかわったのはどのタイミングだったでしょうか?

 

「…」

 

お腹をおさえたカイカにゃんこのあたまに、ヒラリと桜のはなびらが舞ったしゅんかんでしょうか?

 

「どりゃー!!カイカさん行きましたよー!?」

「…」

 

 

バシ――メキィッ!!

 

 

「にゃ!?;」

「とーにゃ…;」

 

それとも、カイカにゃんこがものすごいいきおいでとんできたボールをまわしげりで打ちかえして、(元)こにゃんこのがんめんにめりこませたしゅんかんでしょうか…?

 

 

 

 

「戻りましたです〜;」

「たにゃいまー!」

「早かったね?」

「きゅうけい…とーにゃいにゃぃにゃぃ」

かけよってくるちびにゃんこらをだきとめるカイルさんは、そのときになってようやくパパにゃんこの負傷にきづきます。

「カナタ大丈夫?;その顔…どうしたの??;」

「どうしたもこーしたも、僕にも何が何やらです〜…;」

「カイカにゃーがすごかったの…」

「きっくでとーにゃやっつけた!」

鼻がいたいパパにゃんこのしんぱいはなく、ちびにゃんこらはカイカさんの勇姿に大こうふんのようすでした。

そのカイカにゃんこさんは、いつもどおりテッドにゃんこさんのとなりにすわっています。そしてなぜだか、じぃっとテッドにゃんこを見つめていて…。

いつもも表情がよめないカイカにゃんこですが、きょうはなれてきたテッドにゃんこにもなにがいいたいのかわかりません。

「、どうかしたのか?」

まったりのんでいたおちゃをおき、いごこちわるそうに片耳をあげてといかけます。

「…」

それにたいしてカイカは、耳としっぽをいちどうごかすことでなんでもないとこたえました。

なんだかよけいにきになるようすです。

「カイカ…」

だからテッドにゃんこもくわしく問いつめようとしたのですが、…タイミングわるくはなしはそれることになってしまいました。

 

「おにょと!もいっかーぃ!!」

「雪辱戦ですー!!」

 

「ルィとカイカさんは?」

「おうちいにゅ」

「…」

こくりとカイカにゃんこもうなずき、はなしは「じゃあ一緒におやつの準備しようか?」といった親友にゃんこに2匹がついていってしまったのでおわってしまったのです。

 

 

それからしばらくして、桜のはながすっかりちってしまったころになって…

カイカにゃんこはすがたをけしました。

 

 

 

 

 

「………………」

ずーん…。

そんなおとがきこえてきそうなテッドにゃんこです。耳もしっぽも毛並みはバサバサで、かれがかなりつかれていることもわかります。

「テッド…」

「あ〜何かかなりダメそうな感じですね〜?」

カイカにゃんこがいなくなって幾週間…。

1週間くらいまでならどこかとおくにでかけているのだろうとテッドにゃんこもしんぱいしていなかったのですが、1ヵ月をこえたじてんでカイカのみになにかあったのではないかとおもいあたりました。

…しかし、その段になってカイカのゆくえをさがしても、まったくみつげだせなかったのです…。だから、かれはとてもおちこんでいるのです。

「…あれですね、猫は死期を悟ると誰にも告げずにふらりと姿を消すって生き様ですから、カイカさんもお船に揺られて独り灰に………」

「カナタ!(怒)」

冗談になってないからやめて!と黒にゃんこさんはさけびます。

それからチラリとテッドにゃんこをみると、ますますおちこんでいるようすでした。…というか、もう死相がでているきもします。

(元)こにゃんこをどならないところをみると、とてもじゅうしょうなようで、黒にゃんこさんにはかけることばもありませんでした。

…親友にゃんこのテッドさんは、カイカさんととてもなかよしだったはずで(じっさいのところ、友達いじょう恋人みまんヤっちゃってる感じつはラブラブなかんけいなのですが)、それなのにすがたをけすなんて…なにかあったにちがいありません。

「……………」

カイカさんと仲がよかったちびにゃんこたちも、とてもしんぱいしていることでしょう…。

ママにゃんこはしんぱいげに我が子らにしせんをうつしました。

 

 

「し〜?」

「うん、し〜ないにょー」

 

 

………しかし。そこでは、なぜだか我が子らがないしょ話をしているのがみえました。

そんな2匹のすがたは、パパにゃんこのカナタがうしろめたいことをかくしているときのようすにそっくりです。

「???;」

黒にゃんこさんはくびをかしげました。

(元)こにゃんこにもしせんをうつしてみますが、カナタはわざとなのかホントにきづいていないのか、「もしかして家出かもしれませんから、ガッツですよ〜」などとテッドにゃんこにエールをおくるばかりです。カイルさんのほうをむこうとはしません。

………………とてつもなくあやしいです。

かんがえてみれば、カナタとちびにゃんこズはよくカイカさんとあそんでいたのですから、なにかじじょうをしっているかもしれません。

黒にゃんこさんは、そっと2匹のちびにゃんこのまえにすわって、まっすぐしせんをあわせます。

「にっ;」

「にぃ…」

そのとたん、パパにゃんことママにゃんこにそっくりな毛並みをさかだてるちびにゃんこズです。

「ルィ、ハル…カイカさんの事、何か知ってる?」

「う〜ないにょー」

「カイカにゃ、し〜っていっにゃ…」

「?」

カイカさんが内緒に…?と、黒にゃんこさんはこんわくします。

しかし、それでもカイカさんのゆくえをききださなければいけません。親友にゃんこのためにも…そして、カイカさんのためにも、

「ルィ、ハル…もし何か知ってるなら教えてくれる?…皆ね、カイカさんの事が心配だから、カイカさんがどうしていなくなったのか、今どこでどうしているのか探してるの、」

「しんぱいー?」

「おかーにゃしんぱい?」

「うん、心配…」

だいすきなママにゃんこに、コツンとおでこをあわせられておねがいされて、ちびにゃんこたちはおたがいにしせんをかわしあいます。

そして、ないしょのおはなしをママにゃんこにもおすそわけすることをきめたのでしょう、ピトッとママにゃんこの両脇にそれぞれくっついて黒いお耳にかおをよせます。

 

 

「あのねあにょね、ないしょはね」

「おにゃかがドキンドキンなの…」

「おなかいたくないていってたけにょね、」

「ちょっとうごいてたの」

「るぃといっしょにぎゅーってしたときにわかったゃ!」

「ないしょがね、ばれにゃぃように、かくれんぼすにゅっていってた…」

 

…………………………。

 

「!!!!!; 〜〜〜〜〜テッドッ!!」

 

我が子のばくだんはつげんに、あおくなったりあかくなったりしてママにゃんこはさけびました。

 

 

 

 

 

………………パパにゃんこはなんだかふまんげなひょうじょうにもみえました。

 

 

後半に続くー!