子育て編?
にぃにぃにぃ…みゃー…にぃにぃにぃっにぃっ…
とても元気なちまにゃんこ。
生まれてまだ少ししかたっていない赤ちゃんにゃんこは、とても元気でした。
にぃにぃにぃにぃっ
ふわふわの金の毛並みや、かわいらしい顔だちは、しょうらいきっと美猫(びじん)になるだろうと、おもいうかがわせます。
みゃーにぃにぃにぃっ
…しかし、どうも少々げんきすぎるようです。
おなかがへってはにぃにぃにゃあにゃあ。
かまってほしがり、にぃにぃにゃあにゃあ。
ごきげんになっては、にぃにぃにゃあにゃあ。
「…」
にぃにぃみぃ
「…」
にぃにぃみぃ
「…」
にぃにぃみぃ
「―――…」
「……おい、カイカ…?;」
ちまにゃんこをかかえたまま、動かなくなっていたカイカにゃんこは…
「――――」
ぱったり…
と、(金色ちまにゃんこをしっかり頭上にかかげて)その場にたおれふしました。
「カイカーーーー!!?;大丈夫かーーー!!?;」
どうやらかんぜんな育児疲れのようです。
「そんな訳で来たんだ…;」
「み。」
「…ゆっくりしていって;」
カイカにゃんこが過労でたおれ、テッドにゃんこはわが子をつれてしんゆうにゃんこのおうちにきていました。
…べつに、看病を放ってきたわけではなく、ちまにゃんこがいるとカイカにゃんこがしっかりやすめないので、外へとでてきたのです。
「あ、ちょっと大きくなった?」
「みv」
愛想よくしっぽをふって、もみじのおててでタッチのサービス。カイルもえがおがこぼれます。
「カイカさんのとこの子、来てるんですかー?」
「うん、」
そこへ2匹のちびにゃんこを両肩にくっつけた元こにゃんこがやってきました。
「おー。だいぶ大きくなりましたね〜♪」
「に。」
「…カイルさんv次の子は女の子も…ゲフッ!!;〜〜〜ち、ちみっこはちみっこ同士遊ぶといいですよ…;」
黒にゃんこから教育的指導をうけながらも、そういってテッドにゃんこから金色にゃんこをうけとります。
ちびにゃんこらも、自分たちよりも小さな金色にゃんこにきょうみしんしんです。
にゃいにゃい♪いっているちびにゃんこたちを監督するように、カナタはカイルたちからすこしはなれた場所ですわります。…ちなみに、わりと放任主義のようで、茶トラのちびにゃんこがみみをつかまれて悲鳴をあげても、とめていません。
「―――ふ〜;」
「大丈夫?」
そして、黒にゃんこと新米パパにゃんこは、親友どうしの会話にもどります。
「…お前こそ大丈夫なのか?;」
2匹分の育児、とテッドにゃんこがといます。
「カナタも手伝ってくれるから…」
「そうか…」
…でも、その本猫(ほんにん)は、金色にゃんこにわが子がこんどはしっぽをつかまれているのも、おもしろがってみているだけです。
「…テッドは手伝わないの?」
「…あ”−;…」
痛い所をつかれたと、こころなしかみみを下げて、テッドにゃんこはあたまをかかえます。
「―――正直、何をしていいのかわからなくてさ…」
テッドにゃんこのよわねに、黒にゃんこさんはすこし微笑みました。
「…テッドに出来る事なら、なんでもいいと思うよ?」
「…そうか?」
にこりとわらっていわれ、新米パパにゃんこも新米らしく、あらたな決意をいだきました。
「あ。」
…そこへ、ふと元こにゃんこカナタが声を上げます。
手には(ついにこちらもしっぽをつかまれた)ママにゃんこ似の黒ちびにゃんこを抱いていますが、なんとなくイヤなよかんを感じさせる「あ。」です。
「そー言えば、大丈夫なんですか?」
「何がだよ?;」
金色にゃんこに遊ばれ、ぐったりしているちびにゃんこを気にしつつも、テッドにゃんこはききかえします。
「いえ、子育て中のカイカさん(母にゃんこ)から子供取り上げてて。」
「は?;」
「カイルさんはそこまでじゃなかったですけど、子育て中って、子供絡むとかなり気が荒くなってますよー」
「…そうなのか?;」
「…うん、ハルとルィの姿が見えなくなると、落ち着かなかったかな…?;」
今でもだけど、とカイルが言い終わるよりもはやく、ちかくでバーン!となにかがぶつかる音が聞こえました。
そとに直面している縁側なので、よく音がひびきます。
「に。 にぃ〜♪」
そして、金色にゃんこもなにかに気がついたようです。うれしそうななき声をあげました。
その時です。
すっと、音もたてずに、1匹のにゃんこが壁のうえにたちました…。
それはカイカにゃんこでした。
―――血や泥やなにかでよごれ、みみやしっぽの毛は逆立ち、瞳のなかの瞳孔がちじまったカイカにゃんこです。
おもいっきり臨戦態勢です。
「カイルさーん!!;ルィとハルパスですーーー!!;退避退避〜〜!!;」
「落ち着けー!!;カイカーーー!!!!!」
…かくして、平穏なじかんはうしなわれました。
「…子育ても、子育て中のおかーさんにゃんこもなめちゃダメですよ…;」
「…ああ、そうだな…;」
すかー!とスッキリした顔で、わが子をだきしめてねむるカイカにゃんこ…。
その頭をなでるテッドにゃんこは、傷まみれですが、1匹のパパにゃんこのかおになっていました。