※にゃんこネタです。

 

ひなまつり編

 

 

桃の節句。

おひなまつりの日のマクドール邸には、なぜだかおひなさまがかざられています。

もちろん、マクドール家には、ぼっちゃんにゃんこであるカイルさんしかいません。

ですが、なぜ女の子のおまつりである、おひなまつりが行われているのかといいますと………きっと、黒にゃんこさんがとてもかわいらしいからでしょう。

こにゃんこ時代には、おひなさまの衣装まできせられていましたが、さすがにりっぱなにゃんこになってからは、(いくら可愛いとはいえ)本猫(ほんにん)からのていこうもあって、そんなかっこうをすることもなくなっています。

しかし、ちいさな頃からのしゅうかんであるおひなまつりは、ことしももよおされて、おやつにはひなあられや桃のジュースが用意されているのでした。

 

 

縁側の、いちばんあたたかいばしょにクッションをひいて、黒にゃんこは、ひなたぼっこをしながら、猫(ひと)をまっていました。

「…カナタ、少し遅いかな…?」

お日さまにあたってキラキラひかっているお耳をピコリとうごかして、くびをかしげます。

きょうもきょうとて、こにゃんこカナタと遊ぶやくそくをしているようです。

春の日ざしのお日さまに、ねむけをさそわれながらもまっていますと…

 

「カイルさんー♪遅くなりましたー!!」

 

茶トラのしっぽをピーンとたたせ、笑顔まんめんのこにゃんこがカベをよじのぼってきました。

片手には、ピンクいろの花のついた枝をもっているので、すこしたいへんそうです。

おりるのは、ぴょんっとひとっとびで、カナタはいっちょくせんに黒にゃんこの元へはしります。

「お土産です♪」

と、こにゃんこははりきった顔で、桃の花をカイルにてわたしました。

「ありがとう…」

「いえっvひな祭りですから♪」

花の枝をかかえた黒にゃんこに、こにゃんこは花のひとつをおって、その黒いお耳のすぐそばにかざりました。

「似合います〜♪」

「………」

すこし黒にゃんこは困ったようなしぐさで耳をうごかしましたが、まあ…ひなまつりだから、と思いなおして、こにゃんこの笑顔につられるようにほほえみました。

「おやつに雛あられがあるけど…食べる?」

「わ〜♪」

 

 

マクドール邸のひなまつりは、へいわに過ぎてゆきました。。