終局は始まりの…
ごごごごごごごご…
吹きすさぶ冷たい北風がにゃんこ達の身体を押し流し、シードにゃんこ達は転がるように走ってゆきます…
「ぎゃああああああぁぁぁ!!」
コロコロコロ、
…いえ、シードにゃんこはにゃんこを抱えたままコロコロと転がってゆきます。
このままでは危ないとはんだんしたシードにゃんこはつめを地面に立てながら、なんとか土管の中にかくれました。
「ぜーぜー、」
「大丈夫ですか…?」
にゃんこが心配そうに尋ねます。
「なんとかな……」
シードもカイルも風に煽られ、せっかくの毛並みが台なしになっていました。
ぐしぐしとそれを撫で付けながら、シードにゃんこは言います。
「それにしても…いつまで逃げてりゃいいんだよーーーーッッ!!」
真紅のしっぽが逆立ち、怒りまくります。
まあ、とうぜんと言えばとうぜんの怒りですね、
クルガン氏から逃げはじめてもう大分たっています、いくら走っても走っても冷たい風がにゃんこ達から体温を奪いさってゆき、かなり寒い状況になっていました。
「………(もう諦めてつかまった方がいいかな…)」
「………(死んでもつかまる訳には行かねえっ!)」
一一一性格がよく分かれています…、まあ次の瞬間に何の心配もなくなるのですが
「カイルさんみ〜つけたvかくれんぼですか?」
ヒョコッと土管の端から顔をのぞかせたのは、こにゃんこでした。
顔にはたくさんのきずあとが付いています、ジョウイにゃんこの姿がないのを見るとこにゃんこが勝ったのでしょう。
「はいv捕まえました♪」
きゅっ、とこにゃんこはにゃんこのしっぽを掴みます。
にゃんこはもう逃げる気がなくなったのか、なされるがままカナタの好きなようにさせていました。
「あれ?シードさん。」
今気づいたのか、こにゃんこは狭い土管の中に入りにゃんこに充分じゃれついてからシードにゃんこの方を向きます。
にゃんこ以外目に入らないようですね、
「なんだよ?」
「クルガンさんが探してましたよ?」
「なっ!」
ごすっ
驚いたシードにゃんこは思わず立ち上がろうとして自分で頭をぶつけました。
「〜〜〜〜〜っ」
頭を押さえ、しっぽと耳が痛そうにまっすぐ上に伸びています。
「ど、どこでだっっ…?!」
なんとかシードにゃんこ、ガッツで喋ります。
「シードさんの後ろです♪」
「は?」
ぎぎぎぎぎぎぎとぎくしゃくして後ろを見ると、そこには銀のしっぽと長い足が見えます。
ひくっと頬をひきつらせると、シードにゃんこはゆっくりと体勢を整えて…
「ぎゃあああああああ〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!」
すごい勢いでクルガン氏の足を押し退け逃げてゆきます。
まあ、つかまるのも時間の問題でしょう。
「…………」
にゃんこはシードにゃんこの冥福を祈りました。
「一一一カイルさん♪」
「…なに?」
自分の身の心配を忘れていたにゃんこですが、本人(ほんねこ)未だに危険を感じていません…はやめに危機感をこにゃんこに対して持ちましょう。
「おねがい聞いてくれますか?」
にこっとカナタが笑います、それにつられてにゃんこも微笑みます。
「いいよ?」
「…え〜っとv(hっ、変なお願いできそうにないですね……、…カイルさんかわいいからいいですけど♪)」
「うん」
はた目にはニコニコと微笑ましい様子のにゃんこs、…まあこにゃんこが何を考えているかはともかくですが、
一一一一一寝てないで僕を構って下さいね。
と、にゃんこの耳に囁きます。
にゃんこのつぼを押さえたナイスなアイディアと言えるでしょう。
で、まあ。親友にゃんこのジョウイはと言いますと…
「ジョウイ、かくれんぼしてるの?お姉ちゃんも混ぜて〜v」
「ナナミ…してるように見えるかい?」
「うん♪」
にゃんこの手により、首まで地面に埋められたジョウイにゃんこは速く掘り出して欲しいと切実に思っていました。
一番迷惑を被ったのはこのにゃんこと…
「ぎゃ〜〜〜〜っっ何で俺ばっかぁーーーーーッッ!!」
このにゃんこでしょう。
…まあ、後はクルガン氏の手加減に期待しましょうか………
終わり