同盟軍本拠地アイギス城。

門の紋章戦争時代の解放軍本拠地と同じ名前がつけられたこの城では、 現在、今だかつてない、ものすごい賑わいを見せていた。

「シロウ、負けるなよ〜」

「タイ・ホー! あんたには300ポッチ賭けてんだ!」

同盟軍兵士の怒涛の叫び声に混じって、まだ幼い…しかし強い声が発せられたのは直後の事。

 

「カナタさん、カイルさん、わざわざここまで来てくれてありがとうございます…と、言いたい所ですけど」

 

「けど?なんですかー!?」

辺りの騒々しさに負けじともう一人の少年が答える。

少年の名はカナタ、一応はオレンジドラゴン軍のリーダーをしている者だ。 今日はこの城まで遊びに来ている。

隣に座っている少女のような容姿を持つ少年、カイル=マクドールはいまはその容貌を机に突っ伏すことで隠してしまっていた。場所と時間が悪かったのだ。あまりの酒臭にダウンしてしまっているらしい。

「けど」

その続きを言うべく、アイギス城主にてクロト軍主、イチハは腹に思い切に力を込めた。

「今日がちょうど毎週行われてる『ちんちろりん大会』の日だったのを忘れてたんです!」

ごめんなさい、の言葉はカイルに向けられた言葉であるのは間違いない。

「これ、飲んで。少しは気分マシになると思うよ」

その隣から、元解放軍リーダー、ユノ=マクドールがカイルの状態を見かねて、薬を手渡した。

「ありがとうございます…、」

カイルは、何とか顔を上げユノから薬を受け取る。

酒気のせいか、顔が高揚しいつもはない色香を放っているようだ。

「へー。そーなんですか〜!あ、カイルさん♪」

「…?」

イチハに相槌を打つとカナタは薬を飲むのを僅かにためらっていたカイルをみる。(あまり薬は好きではないようだ。)

「飲ませて上げます〜vvv」

「!?」

言うが早いか、カナタは薬を奪って自らの口に放り込み…

「んむ〜〜〜!」

………。

 

 

「………」

「で何するんですか〜?」

顔色も変えずにカナタ。カイルは薬が効いた(為か不明だが)からか、ぐったりと寝ている。

「本当は別の事を考えてたんですけど、カイルさんもそんな状態だし…」

終わり良ければ全て良し…薬を飲ませた過程の出来事は見なかった振りをし、少々耳の赤くなった(決して酒に酔ったわけではない)イチハは言葉を続けた。

「この大会に参加してみます?」

「僕『ちんちろりん』弱いですから、いーです。」

あっさりそう言葉を返すと、どこからか取り出した毛布をカイルにかける。

「じゃあ、僕に賭けるといいよ」

そう言うと、ユノは群衆の中に埋もれるように消えていった。

「ユノさん、メチャクチャ強いからまず負ける事はないし…」

イチハはというと、賭博元締め役のヤム・クーに賭け金を渡しに行っている。

ユノの相手は、先程の勝負でタイ・ホーに勝ったシロウだ。

「つーか、ちんちろりん大会ってやる側にも賭けるんですか。」

カナタはそう呟くと立ち上がる。

「ちょっと席外しますね〜」

そう、彼にはやるべき事があった…。

「あ、カナタさん…ティウには手を出さないで下さいね!」

視線はユノ達のいる方へ向けたまま、今はこの場にいないわが子同然の幼鳥ジグジリスの事について素早く釘をさした。

「……………」

ぴたりとカナタの動きが止まる。

そして振り向く、

そこには、純真なる笑みが存在した…。

そして…

「しりませ〜〜〜んvvv」

走った。

「っっやっぱりかー――――!!!」

イチハが振り向いた先には、もう既にカナタの姿は見られなかった…。

「あははははは〜っと、焼鳥焼鳥〜〜!」

楽しげな声が、城内に響き渡る………。

「くっ…ティウ、俺が行くまでなんとか持ち堪えてくれよ…」

 

その頃、イチハの心配をよそにジグジリスの幼鳥ティウは中庭の木の上で安らかに眠っていた。

ふと、殺気にも似た気配を感じ、ティウは飛び起き空へと逃げる。

「甘いですよ…?」

ティウが声に気付いた時には、すでに遅かった。

まだ幼い体に、急激な体重が掛かりティウは再び地面へと縫い付けられる。

幼鳥の咽から、奇声が上がった。

「鳥相手に空中戦は不利ですからね〜。」

少年は、2階から飛び降りて来たらしい。偶然だったのだろうが、幼鳥が飛び立とうとしたことで窓からその存在に気付く事でき、カナタにとって都合のよい形になった…。

「さ、どうしますか?」

焼鳥。と言葉をかけるが、まったく隙なく相手の動きを待つ。

「クゥゥゥ…」

ティウは自らの命を諦めたのか、急に大人しくなり身動き一つしなくなった。

「む〜〜〜やる気ないですね〜。」

ぷ〜と頬を膨らませて少年、

「しょーがないです、焼鳥は勘弁して鳥鍋くらいにまけてあげます!」

あまり変わりがない。

「クワァァァァァ!!!」

と、その時、ティウが声を振り絞るように鳴いた。

…決して、焼鳥より鳥鍋の方を気に入ったワケではない。

「そこかぁ!!」

己の主人…イチハに存在を知らせる為であった。

「ここです!」

少年はびしっとポーズを取る。

よく見ると、まだティウの上に乗ったままだ。

「なんか、おもしろくなりそうな予感ですーv」

手早く鳥を縛り上げる。

ホントは「バラして」から運ぼうとおもってたんですけどね〜?とぼやきつつも軽々とティウを担ぎ上げた。

ティウを人質に取られたイチハは、うかつに動く事が出来ず、もどかしそうに眉をよせる。

「何回言ったら分かるんだよ!? ティウは食用じゃない!」

おそらくは何を言っても通じるわけはないカナタに、それでもイチハは言う努力を怠らなかった。

「ええ!?鳥を食べる以外に何に使えと!?」

予想通りの反応であろう。

しかし、多少カナタも考えた。

首を捻って30秒。

 

「羽毛布団?」

 

「…っそれも違うっっ!!!」

とりあえず、命は助かるモノを考えられる頭に進化を遂げたカナタに、一瞬『それで、もういいか…』と説得を諦めかけたイチハだが、

「友達!仲間!ナナミとかゲンカクじいちゃんとか、ティウはそういう存在なんだよ!」

もう一度だけ…と、訴えた。

「え?この鳥恐怖の料理生命体作ったり、人の為!とか訳わかんない事いって入り婿したりするんですか?」

………通じなかったようだ…。というか、解っていてやっているのかもしれない。

「あはははは!鬼さんこちら〜♪ですー」

すたたたた〜!とカナタは駆けていった。

「あぁ、もう…!」

突然始まった強制参加の鬼ゴッコ…やはり鬼は自分なのか、とぼやきながらもイチハには追いかける他に道は残されてはいなかった…。

 

きゃはは、と楽しそうに駆けてゆくカナタに担がれたティウ。

だが、このまま大人しく黙っているワケがなかった。 身体に巻き付くロープの所為で、自分の自由がきく場所は限られている…が、ティウに残されたくちばしが、唯一の攻撃方法だという事に気付いているのやらいないのやら…背中はスキだらけだ。

 

「クァァァ!!」

 

ココココココ…ティウのつついた場所が金属板だったなら、そういう擬音語がふさわしかったに違いない。

とにかく、ティウはありったけの力を込めて、カナタの背中をつつきにつつきまくった。

「あだだだだだ!(汗)」

お約束通りにつつかれたのはさすがに痛いらしい。

「マジでやりますよ…?」

再びカナタの目に殺気が宿る。

「………あ〜別に容赦しなくて良いですよね〜鳥肉ですし。調理場へゴー!です〜!」

さらに加速して少年は走った。

 

 

………その頃酒場では…、

「さぁさぁさぁ!トランの英雄、ユノ=マクドールに挑戦する者はいねぇのかい!?」

 

少年2人が姿を消した事すら知らずに、さらなる盛り上がりを見せていた。

だが、ここに、唯一気付いた者が1人…。

「あれ、イチハとカナタ君は?」

毛布にくるまって眠るカイルの元に戻ってきたユノは、2人の姿だけがこつぜんと消えている事に今初めて気付いた。

「すぅ………」

ちなみにカイルはまだ寝ている…。

しかも熟睡態勢だ、普段薬を飲まない者が薬を飲むと眠くなる現象だろう

「うーん、どうしよう」

すぐにでもイチハ達を探しに向かいたいのだが、このままのカイルを1人酒場に置いて行くのも気がひける…。 酒に酔った兵士達に襲われでもすれば、(おそらく全て返り討ちにするだろうが…)国際問題にまで発展しかねない。

「そういえば、あの鳥の姿も見当たらない…」

『あの鳥』、がたった今カナタとイチハの間で争奪戦(?)に巻き込まれている事は、知る由もなかった。

 

 

「じゃーん!料理の下拵え〜♪」

「クェエエエエ!」

包丁を片手にさわやかに言い放つ。大分本気らしい、

「本気でヤったら、許さないからな…!」

カナタとの鬼ゴッコで体力の半分以上を失ったイチハは、肩で息をしながらも、ようやくカナタに追い付いた。 いや、この場合、追い付いたのではなくカナタが先に目的地に着いた事で、走る必要がなくなっただけである。

「気にすんなですー!!」

あくまで軽い。

しかも、イチハに手を振って答えている為ティウの毛皮が包丁で切れている…。

「うわぁぁぁっっ!!!!!」

辺りに舞い散る無数の羽毛に、イチハは半分理性を失ったように叫んだ。

「これでも飲んで、落ち着いたらどうですか〜?」

ぽい、と投げてよこした黒い瓶…イチハは反射的にそれを受け取る。

それより、ティウを返して欲しいのだが…。

「はい☆一気一気!」

ケラケラとたのしそうだ。しかし。妖しい…

「それ飲んだら、この鳥(今回は)返してあげますよ。」

カナタはそういうと無邪気に微笑んだ。

『何でそういう話に…』とイチハは思いながらも、僅かに悩む…。

相手の要求を飲んだ方が楽かもしれない、と。

「さ、どうしますか?」

再び問い掛けられる 黒い瓶の中身が何か分からないまま、しかし、イチハは心を決めた。

「飲む!」

それでティウが助かるのなら…と決意を言葉にし、一気に瓶を傾けてゆく。

飲む、というより流し込む、と表現した方が良いだろうか…とにかく、イチハはたった数秒で中身を半分にした、その時だった。

「………―――――っっ!!!?」

異変は、すぐに訪れた。 ガシャンっ イチハの右手から瓶が宙を舞うように離れてタイルの上に落ちる。 まだ半分残っていた中身は黒い破片と共に辺り一帯に飛び散った…。

しゅわしゅわと爽快な音をたてながら地面に広がる液体…どうやら炭酸飲料水のようだった。

「……………ぅ…」

カナタはその反応を見て動きを変える、

「よい、しょ。」

ぶつりと音を立ててティウを拘束していた縄が切られた。

それと同時にカナタは攻撃範囲外に距離を取る、

「イチハさんもあれですよね〜?自分を犠牲にすれば大事な人を守れるとか思ってて…。大事な物ならちゃんとその場で守らないといけないのに。」

まーいーですけど。と呟くとカナタは二ィ〜と笑いその場から駆け出した…。

 

 

たたた…と、軽快な足音が、ようやく落ち着きを取り戻した酒場に近付いてくる。

「カナタ君、」

その者の名前を、ユノは姿を見るなり言葉にした。

「わ〜い☆ユノさんです〜〜〜♪」

少年は嬉しそうな顔で駆け寄ると、ぎゅうっとユノに抱き着いた。

「カイルさん大丈夫でしたか〜?」

カナタは眉をしかめて、辺りの匂いを嗅ぐ。物凄い酒臭だ…。

「今カイルさん起きたら更に大変な事になりますからー。」

自分に抱きついてくる少年の頭を撫でながら『へぇ、そうなんだ』と、曖眛に言葉を返す。

イチハの姿が見えないからだ。

「ねぇ、イチハは………」

所在を尋ねようとした、まさにその時であった。

ドガシャーンっ!!!…と凄じい破壊音が聞こえたかと思うと…

「ゆっのさぁ〜んVV」

避ける暇もなく、ユノは背後からイチハのタックルまがいの抱擁を受けた。

「お〜。こうなるんですか、」

感心したような声でカナタは呟いた、

「わぁい、カナタさんも一緒ら〜」

先程ティウを巡って言い争っていた時とはうって変わったカナタへの態度。

ろれつの回らない舌を一生懸命使い、イチハは何とか聞き取れる言葉を紡ぎ出した。

「…うわ、イチハ炭酸飲んだの?」

…そう、彼こそはたぐい希なる『炭酸に酔う』、という能力(?)の持ち主であったのだ…。

「えへへへへ〜、カナタさんにもギューっっ」

そうこうしている内に、イチハはユノに引っついていたカナタに文字通り抱きついた。

イチハの背後には、隠れるようにティウの姿が見られるが、これはカナタから逃げているわけではなかった。

炭酸に酔ったイチハは…見ての通り、抱きつき魔に豹変する。

カナタが調理場から去った後、傍にいたティウが真っ先に被害者になった事は想像にかたくなかった。

しかも、ただ抱きつくのではない…ありったけの力を込めるのだ。

そして、第三の被害者カナタもその握力に不満を漏らす。

「かなりヤな感じなんですけど。」

苛々とそういうと、ユノに顔を移す

「剥がしてください〜!」

「うーん…もしかして、炭酸飲ませたのカナタ君?」

ユノはカナタの望みに答えるわけでもなく、逆に質問した。

「まーそうですね。イチハさん!離れてください。おんなじ顔でくっつかれるの嫌ですよ〜」

カナタはチョップをかます。

さすがに酔っ払い相手に本気で反撃しないようだ。

そして、忘れられし存在も変化を見せていた…。

「う〜………ゆのさぁん」

「はいはい」

抱きつき魔から泣き上戸へと変化を見せ、ぐずるイチハをユノは子供にするようによしよし、とあやす。

その時まで、誰もがその変化に気付いてなかった…。

「へ〜(汗)」

カナタが溜息を付いた瞬間、酒場内が一気にざわついた!

 

「おい!あれ…!(///)」

「まさかっ!…鼻血がっ!!」

 

「!?」

嫌な予感に、カナタは音速で振り向く。

そこには…

「熱い…(///)」

「カイルさーーーん!!!!!」

カイルが脱いでいた。

酔っ払ってしまったらしい。

「うわ………」

イチハにも刺激が強過ぎたようで、酔いとは別に頬が紅く染まる。

「見ちゃ駄目ですー!」

「イチハ、目閉じて!」

カナタの叫びとユノの目隠しはほぼ同時であった。

「おっけです! カイルさん!ふく!服着てくださいー!!」

「………カナタ…?」

潤んだ瞳で、半裸状態のカイルが見つめる…。

上着をはだけ、薄く染まった肌が見える姿はかなり扇情的であった…

「「「う…」」」

思わず周囲の人間は息を飲む。

「殺ります。(どうせ僕ん所の108星とかじゃないですし!)」

少年から殺気がほとばしる。

「殺るなっっ!!!」

カナタの言葉に反射的に言葉を返し、

「み、皆! ここから出ていってくれっ」

目隠しされたままの状態で、同盟軍兵士に軍主として命令を下した。

皆も己の命が大事と見える。 わらわらと我先にと出口に集結し、またたく間に姿を消していった。

これで、一応兵達の命も救われた、と思う…。

「顔全部覚えたから、後で滅…!」

ボソリと呟き、カナタはカイルを振り返るがもうそこにはカイルの姿はなかった。

「寒い…(///)」

と、手近な体温に抱き着いている。

「クゥ…」

その手近な体温は、柔らかく抱きつかれ声を上げた。

「〜〜〜〜っっティウ!!!?」

「鳥ーーーーーーー!!!!(怒)」

怒り状態になったカナタはトンファーを振り上げ跳躍した!

 

「カナタ…」

 

右斜め45度に首を傾け、瞳をうるませながらカナタを見つめる。

意識的にやっていないにしろ、カナタの動作を一瞬止めるのには充分であった。

「ぶっ…!」

カナタが鼻血を吹き出した瞬間、ティウは短い雄叫びを上げると…

 

ベシイ!

 

「クエエ!」

顔面に蹴りを放った。

「vvv…」

カイルはまだ擦り付いている。

どうやら気に入ったらしい。

しかし、このまま放っておいても無用な混乱を招くだけに違いない…スヤスヤと気持よさそうに眠るカイルを見ると少し心が痛んだが、これ以上の暴走を止める為、ユノとイチハは協力して2人を外へと移動させる。

冷たい風にでもあたれば、頭も落ち着くのでは…と考えたのだ。

ちなみにカナタは気を失っている。復活までまだ間が空きそうだ…。

「ん………」

冷たい空気がカイルの頬を包み、僅かに声が上がった。 閉じかけていた瞳が開く

「しっかり、」

ユノが軽く頬を叩いた。

「カイルさんっ……起きてくださいっ!」

カナタさんが来る前に!とイチハも必死だ。

「ぅ…?」

ぼんやりとした視線が辺りをさまよう、すぐ傍にとユノ、イチハ2人の顔があった。

現実感を取り戻そうとするかのように、自分や辺りを見渡す。

どうやら、酒場のすぐ外にいるらしい…何故かは分からないが。 上半身には酒場から持ってきた毛布がかけられていて、寒さは感じさせなかった。

「カナタは…?」

酔いは醒めて来たのか、カイルはそう言って二人を見た。

「えっと…」

口を濁すイチハ。

「…?」

と、その時であった。

 

「カイルさんーーーーーーー!!どこですか〜〜〜!!ついでに鳥ーーー!(怒)」

物凄い形相でカナタが飛び出して来た。ちなみに鳥コト、ティウは既にいない。自分の場所に帰ったようだ。

「カナタ、」

「そこですかー! カイルさ〜んvどこか行っちゃったかと思いました〜vvv」

うれしそーに擦りつく。

「カナタ君、大丈夫そうだね」

顔には鳥足の痕がくっきりとついているが、カナタは元気そうだった。

「………………」

そのユノの背後で、背中を向けたイチハは無言のままゆっくりと姿を遠ざけようとしている。

「イチハさん?」

カナタがそれを呼び止めた。

しかし、イチハの背中はピクリと動いただけで…。

 

「もう嫌なんだぁー―――っっ!!!」

 

逃げた。

「な、なんか今生活につかれた夫に置いていかれる妻の気持ちになりました…。(汗)」

「………(どんな気持ち何だろ?>汗)」

唐突なイチハの行動に、さすがのカナタも首を傾げる。

「あ〜まあいいです。なんかイチハさん(人生に)疲れてるみたいですから『今日は』帰ります〜☆ユノさんまた遊んでくださいね〜♪」

「それじゃあ、失礼します。」

「バイバイです〜☆」

カイルは一礼し、カナタは手を振って帰っていった…。

 

 

 

 

 

―――数日後の同盟軍本拠地、軍主の部屋では…―――

「イチハ殿、オレンジドラゴン軍リーダーから封書が届けられておりますが…」

「絶っっ対、嫌だ!!! 何があっても俺は読まないからな!」

そんなクロト軍主の姿があった…。

 

カナタ:あはははは!嫌われましたね〜!

カイル:(一体何があったんだろう…)

 

嫌いというか、苦手?