日焼け
「カイルさん!散歩行きましょう!!」
「カイルさん!外でお昼寝しましょう!!」
「カイルさん!畑仕事やりましょう!!」
「カイルさん!ムササビ狩りに行きましょう!!」
「カイルさん!泳ぎに行きましょう!!」
という、強行軍な予定の結果どうなったかと言うと………
「ひ〜んっっっ、身体がヒリヒリするーーー!!」
カナタは、全身見事に真っ黒な日焼けをしていた。
「あたりまえです!!あなたに連れまわされたカイル殿はもっと悲惨な状態ですよ!!」
シュウはこの懲りない軍主に怒声をあげる。
「ええッ!?カイルさんが!?」
「そうです、これに懲りたらあなたも…」
「薬〜〜!!ホウアン先生呼ばないと!!」
だば〜〜〜〜〜〜〜しゅっ
自分の日焼けの事も忘れ(『カイルさん探知レーダー』をフル作動させて、)
カイルの元へ走って行ってしまった。
独り残されたシュウは、床を一度だけ踏み付けた。
「カイルさ〜〜〜ん!!大丈夫ですかッ!?ホウアン先生から良く効く薬貰ってきました〜!!僕がこの手で塗ってあげますねvv」
勢いよく自室のドアを開く。
そこにはグッタリと、全身真っ赤に染まったカイルが横たわっていた。
日にやけない体質なようで、赤く腫れ上がている。
上気した頬がまた艶っぽいのだが…
「カナタ……、…頼んでいい?」
カナタの思惑に気づかないくらいに、重症だ。
「えええっ!?いいんですか!?」
本人までびっくりしてどうする。
しかしカナタにも良心はある(多分)、反省して真面目に薬を塗る事にする。
「じゃあ、塗りますね〜」
そういって素焼きの瓶の蓋を取り、中からデロリとした緑色の物体を………。
一瞬、2人の時間が止まる。
「カッカナターー!?それ何ッ!?怪しすぎるッ!!」
「しっ知りませんーッッ!!で、でも薬草か何かじゃ…うわっなんかぴくぴく動いてます!!」
ひーっと悲鳴が上がる。
「と、とりあえず、元に戻しますーーー!!」
無理矢理瓶の中に押し戻し、蓋を閉める。
肩を上下させ、息をつく
「な、何だったんでしょうか?」
「さ、さあ…?」
2人の心臓はまだドキドキしていた…。
「カナタ〜!お風呂に水はってもらったよ〜!!」
「わ〜いvカイルさんッ一緒に入りましょう!!」
「う、うん…」
まだ納得いかないような顔をしていたが、考えても仕方ない事なのでカナタと同じよう気持ちを切り替えた。
おわり?
あれ?途中で話が変わったような?