ストーカー

 

 

「最近、妙な視線を感じるんだけど…」

 

どうやら、うわさの(?)ストーカーらしいのだが被害者はカイルだった。

「それはやっぱり…」

「犯人はこいつだろ?」

フリックとビクトールはきっぱりとカナタを指差す。

「ええっ!?僕じゃないですよ!!」

信じてくださ〜いっと、カナタは懇願する。

「うん、今回はカナタじゃない気がするし…もっと探ろうとする気配だから、」

「まあ、お前がそう言うんならそうなんだろ、」

「よかったな、リーダー」

「でも、それじゃ犯人は誰なんですか!?」

怒りに燃えつつカナタは言う、

「わからなくて、(カナタを振り切って)お風呂に入ってる時も視線がする…」

「カイルさんの玉のお肌をッ!?僕を差し置いて!!!犯人は見つけ次第血祭りです!!」

カイルが言い終わる前にカナタは叫び立ち上がる、

「行きましょうカイルさん!!」

「え?うん、」

カナタの勢いに気おされて、何故だか犯人を探す事になってしまったカイルだった。

「そういえば、昔もストーカー騒ぎがあった気がするな、」

「そうそう、あんときゃレパントがカイルのスリーサイズ測ろうとして失敗したんだった

よな、」

レパントさん、ブッ殺すッ!!

などと、カナタが物騒な事を考えていると後ろから呑気な声がかけられる。

「よう、どうしたリーダー、カイルもしけたツラして」

「シーナ、」

「あっ!!」

カナタは思い付いたように声をあげた。

 

「-----で、なんで俺が犯人な訳?オヤジがそんな事してたってだけで、」

「いいえっ!!それだけじゃありません!!!」

バンッと机をたたく

「なあ、フリックこの酒…」

「カイルも飲むか?」

「お茶にしとく」

三人は遠くでくつろいでいた。

「最近シーナさんは女の子に振られまくってますねっ!?」

「…別に振られまくってる訳じゃないけど、まあな」

「だからカイルさんをッ!!」

チャキっとカナタは、トンファーを構える

「わーーー!!ちょっとまて!あいつに手ェ出すなんて、そんな命知らずなマネできねえよっ!!(お前以外)」

「そうだな、」

「レパントが犯人だってわかった時、カイルが…」

「フリック」

にっこりとカイルは微笑む

「それに、おれにはアリバイがあるぜ」

 

「え〜っとお昼はアップルさんで、夜がアニタさん…」

カナタはいちいち紙に書き留めてゆく、

「俺の疑いは晴れたな、じゃあな」

そういってシーナは、さっさと立ち去ってゆく

「む〜っ、じゃあ一体誰が犯人なんでしょう、」

「カイルにもしっぽがつかめないほどの手練だろ?」

「忍者とかか?」

「それですっ!!!」

カナタはカイルの腕を掴み、駆け出してゆく

「まあ、がんばってこいよー、」

また飲み直す2人だった。

 

「で、なんでオレなんだっ!!」

「サスケが一番怪しいからッ!!」

カナタとサスケがつめあっているのを、カいるは困った顔で遠くから見ている。

「まさか、モンドさんやカスミさんがそんな事する訳ないしっ、サスケはカイルさんになんか敵対心持ってるし!!」

「そ、そんなんじゃっ…」

慌ててサスケはカイルを振り返る

「?」

話を聞いていなかったカイルはふんわりと微笑む

「っっっっっっ!!(///)とにかくオレじゃないからなっ!!」

真っ赤になりながらサスケはどこかに消え去った。

「ちっ、ハズレですね」

「……」

なんと言ってよいのかわからず、カイルは沈黙する

「他に忍者は〜…」

 

ハイランド

「今我々が進軍しているのは…」

「ふわぁ〜、こういうのは苦手だぜ‥」

シードは大きくあくびをして、机に平伏す。

「おきろ、シード」

「そうは言っても退屈じゃねえか、あーなんかおもしれえ事…」

ドサドサッ

「何ごとだっ!?」

「カナタ!?それにトランの英雄さん!?」

2人は、机の上にもつれあうようにして落ちてきた

「どうしますか、ジョウイ様」

「おもしれえ事になったぜ、」

シードは素早く剣を構えるが、しかし----

「ジョウイッ!!カイルさんをストーカーするなんてッ!!!」

「カナタ…まだ決まった訳じゃ…」

カイルは憤るカナタを宥めようとしたがムダだった。

「ジョウイ様…」

「そんな事を…」

じと〜っと周りから視線が集まる。

なぜか疑う者はいなかった。

「なっ、そんな事ある訳ないだろっ!?」

慌ててジョウイは否定する

「だって、忍者(カゲ)やとってるし。」

「だからって、ストーカーなんかに使う訳ないだろ!!!」

「いいや、絶対ある!!前ミューズでうらやましそうな顔で見てたじゃないかッ!!!」

「あっあれはそのっっっっ!!!(///)」

ぎゃいぎゃいとカナタとジョウイは叫びあう

「…トランの英雄殿、そこで話すのもあれですから、降りて頂けますか」

「一度あんたと戦り合ってみたかったんだけどな、」

シードも剣をおさめる。

しばらく三人は和んでみたりする。

 

「はぁーーーーはぁーーーーっ」

「ぜぇーーーーぜぇーーーーっ」

肩で息をつきつつ、カナタとジョウイの戦闘(?)は終わった。

「あ、終わったようなので僕はこれで失礼します、」

「おうッ!また来いよ!!」(ムチャ)

「また一つお手合わせ願えますかな、」

すっかり意気投合した三人である。

ヒュンッ

どこからともなく、ルックがあらわれる

「迎えにきてあげたよ、」

「ルック」

「ほら、帰るよ」

「ぜーーーーぜーーーーぜーーーー(覚えてろよジョウイ!!)」

「はーーーーはーーーーはーーーー(望む所だっ!!)」

ルックは2人を連れてテレポートする。

「一体なんだったんだ…」

「さあ…」

ハイランド兵のつぶやきは誰にも届かなかった

 

「一体犯人は誰なんでしょうね、」

「さあ…」

もうどうでもよくなってきたカイルだった。

「え〜っと、いつも気配しか感じなくて〜…」

そんな事はお構いなしに考えはじめたカナタだった。

「どうでもいいけど、ここで悩むのやめてくれない、」

ルックはいつもの定位置で文句を言う。

それにヒントを得たようにカナタは顔をあげる

「はっ!わかりました!!犯人はルックです!!!」

ビシイッとポーズをつける

「………いい度胸してるね…」

いまにも『切り裂き』を使いだしそうなルックの頭には、青筋が何本かできていた。

「カナタ…、ルックも抑えて、」

「ふん、一体どういう思考回路してるんだい?」

「だってテレポート使えるじゃないか、それならばれないし」

「僕を疑う前に、本職に聞きにいったらどうだい、」

「「本職?」」

 

「トランの英雄の調査をしたかって?」

「はいっ!!…さっさとはいた方が身のためですよ、」

カナタの目には殺意が浮かんでいた。

「じゃあ、特別に教えてやろうかな。…そこの別嬪さんに殺されそうだしな?」

ニコリと棍を構えていたカイルが微笑む

「依頼したのは誰ですか?」

ニコーーーとカナタも微笑む

「それはな-----」

 

ドタンバタンッ ドカッ

「ん?何の騒ぎだ?」

「シュウーーーーーーーー!!!」

「これは、カナタ殿何用ですかな?」

ドゴォッッッ!!バキッ!!

カナタの渾身の一撃が決まった。

「僕のカイルさんをストーカーするなんてッ!!」(※したのはリッチモンドだ。)

「カナタ…(いつの間に君のに?)」

「カ、カナタ殿誤解ですっ!!」

虫の息でシュウは言い募ろうとするが、

「言い訳無用ですーーーーー!!!『大爆発』!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜」

シュウは炎に焼きつくされた。

「ふう、もう安心ですねカイルさんv」

「そうだね…」

「一緒にお風呂はいりましょう♪」

「………うん(なんでお風呂なんだろ?)」

カイルは腕をとられつつ風呂場へと引きずられていった。

 

ところで、シュウがストーカーした訳は…

「訳だと?カナタ殿の身を守るために決まっているだろう、トランの英雄が何を考えて

いるのか調べるのも軍師の仕事で…(以下略)」

----と言う訳だそうです。