甘え
それはナナミの一言から始まった。
「そう言えば、カナタはカイルさんに甘えるけどカイルさんはカナタに甘えないわね?」
「!!!!!」
「カイルさん!僕に甘えて下さい!!」
「な、なに?」
いつもながら唐突なカナタの言葉にカイルは後ずさる。
「いいから甘えて下さ〜いっっっ!!」
「突然そんな事言われても…」
ジリジリと後退してゆく
「甘えて下さいっ!!」
「うわっ!!」
後はいつものパターンで追いかけっこが始まった。
一一一一一一一一が、今回は五時間程度では終わらず夜を超えて次の日までに及んだ。
「はー、はー、なんかさすがに疲れました〜。めまいがします〜カイルさんどこですか〜〜〜?」
徹夜で走り続け、疲れが足にきたのだろう。
カナタはふらふらしていた、
「あれ?」
ぐらっ
ゴスッ
一一一一一転けた。
「な、なんか、今回はしつこい………。」
一方カイルの方も疲労が極限に達していた
眠い目を擦りつつ、明るくなった空を見上げる。
「?」
ふと、木の根元を見やると足が出ていた
カナタだ。
「カナタ…、寝てるの?」
すやすやと気持ちよさそうな寝息が聞こえる
どうやら倒れた瞬間に寝てしまったらしい。
「…………」
ムカッとするよりも、微笑ましいと思える
カナタの寝顔を見たからか、カイルも眠くなっていた…
「ふっ、あ…」
欠伸を一つするとカナタの横に座り込む
「一一一おい、フリック」
「………?」
「あれ見ろ、アレ」
何やら楽し気なビクト−ルの声に、フリックは振り返ると一…
「カイルさ〜ん…」
「んー…カナタ………」
仲良く寝入っている2人
「コイツ、カナタには甘えてるよな、」
「そうだな、」
笑い声だけだけが後に残っていた…
『……………』
「へー、トランの英雄の寝顔が見れるなんてめったにないな…」
「今のうちに写真、写真v」
「カイル様…」
「あ〜、ボナパルトぉ〜カナタさんの足食べちゃダメぇ〜〜〜」
「クカ−ー−−−−ッッッ」
「ヒゲ描いてやる」
「サスケ…」
『お、起きるに起きれな〜いっっ!!カナタ、早く起きて−ーーーーッッ!!』
起きるに起きれなくなってしまったカイルだった。
後は一刻も速くカナタが起きる事を祈るだけだろう……………
おわり