『ジョウイ君の受難』
カナタ……ナナミ………
君たちは今頃どうしているんだろうか…
―――――バタバタバタッ…
「クルガンのバッキャロ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ!!!!!!」
「シード、」
ドタタタタタ…
「……………(汗)」
最近持病化しつつある、神経性胃炎がキリキリと胃を苦しめる、
胃を擦りつつ、机の引き出しから胃薬を取り出そうとするが…、外から更に聞こえてきた声に動きを止めた。
「きゃ〜v喧嘩ですわ〜v生の痴話喧嘩ですわ〜〜〜vvv」
ズルウッ
「なっなっ…」
確かに自分の妻の声に、ジョウイは外へと立ち上がる。
「ジルっ?!」
勢いよく扉を開き、そこで彼の見た物は…
「あはは〜〜〜♪喧嘩した時の対処法、対処法。メモらないといけませ〜〜ん♪♪♪」
スタタタタタタタ…
一瞬目の前が真っ白になったジョウイだが、なんとか気を取り直して声をかけた。
「カナタ!!?」
うれしそ〜〜〜に、ノートを持って走る親友の後ろ姿に、
「あ、ジョウイ。忙しいから後にして、」
「まていっっ!!」
ガシイッとマジ顔でカナタを掴む。
「なんでこんな所にいるんだっ!!」
「そんな、今更〜〜〜。」
たしかにそうだ。
「まあ、言うなれば、『愛のため』」
キラキラと自分の世界に浸り込むカナタ。胸元には『クルガンさんとシードさんの愛の営み』と書かれたノートがあてられている。
「そう!カイルさんとの『愛の営み』(?)のために!日々こうして特訓しているんだ!!」
きらきらきら〜と周りに星が飛び交っている。
「いっ…今は戦争中でっ…」
「関係なしッ!!(つーか興味なし!)ふっ…カイルさんと出会うため!だけに、今まで同盟軍リーダーやってただけだしね!!」
それはダメだろう………(汗)
何やら力説するカナタになおも喰いかかろうとするジョウイだったが、ジルの声にそれは打ち消された。
「置いていきますわよ〜〜? きゃ〜〜〜vシードが捕まりましたわ〜〜〜vvv」
「わーーー!行きます〜〜〜!!!!」
バタタタタタタタタタ〜〜〜
「ジル……(いつの間にカナタと手を組んだんだい………)」
胃の痛みに耐えかねたのか、ジョウイは廊下に座り込み、男泣きに泣いた。
てこてこてこ…
軽い足音がジョウイの側にやってきた、それに気づいたジョウイが顔をあげるとそこにはピリカがいた、
「ピリカ…」
「……………」
心配そうな表情で、ピリカはジョウイの手を『大丈夫?』と言うように握る…
「ピリカ………」
感極まってジョウイも握り返すが
「ジョウイ−ー?」
「あなたーーー?」
ほぼ同時に、大分遠くまで行った二人に、声をかけられた。
「「幼児に手を出したら犯罪だよ(ですわよ)−ー−?」」
ドサァッ………
「!!!!!」
ついに、ジョウイは倒れた………。
「も、もう嫌だ……こんな、生活っっ…………」
ジョウイ=ブライト享年17才の事であった………(嘘)