耳かきin膝枕

 

「は〜v湯上がりって(色んな意味で)いいですよね〜〜♪」

「そうだね、さっぱりするし…」

ほかほか状態の二人。

今日も今日とてカナタの趣味によって何故か浴衣姿のカイルだった。

 

上気した頬

水の滴る髪…

『カイルさんかわいいです〜〜♪♪♪』

「…………なに?」

「えっ!何でもないです〜v――それよりこっちきて下さい♪」

ぼふぼふと腰掛けているベットを叩き、場所を示す。

寝間着に着替え、後は寝るだけの体勢なのだが何やらカナタには企み(?)があるようだ。

「?」

とりあえず、カイルは言われた通りにカナタの隣に座る。

最近ではほとんど背丈は同じ程になっているのだが、いつまで経ってもカナタの性格は子供子供したままだ。(まあ、外面 だけはという枕詞はつくが…)

その点がカイルの警戒心を薄くさせているのだろう。

にこ〜とカナタは笑うと何やら細長い棒のような物を取り出した。

 

耳カキ

それも、ふわふわした綿が先についているものだ…

 

「耳かきして下さいっ!!」

きらきらきら

期待に目を輝かせて、カナタは言う。

もはや断る事は不可能だと、これまでの経験で身に沁みているカイルは断る術も理由もなかった。

「………いいよ」

「わ〜い♪♪♪」

耳カキを受け取りながら、『こんな事でいいのかな…』などと考えるカイルだが、なにやら最近諦め癖がついてしまっているようで特に反論する気にはならないらしい。

カナタに言わせると…『愛ですっ!愛の力です!!』―――だそうだ。

 

「(は〜v膝枕〜vvv幸せです〜〜〜vvvvv)」

すりすり

「カナタ、動くと危ないよ………?」

動かないように注意するが、カナタには聞こえないようだ………

「カナタ…」

「(は〜〜〜♪)」

 

ぷすっ

 

「…………」

「痛いです…」

 

取り敢えず動かなくなったカナタだった。

 

 

 

「はい、反対」

「ええ〜〜〜〜〜っっ!!!!」

何やら不満げな声が上がるが、一応向きを変え、身体を反転させる。

「何かこうやってるとvラブラブカップルですよねッッ!?」

「え?そうなの?」

きょとんと一言。

「そうなんですっっ!!」

そういったリアクションにもめげずにカナタは言い返す。

「………(///)」

そういわれると恥ずかしくなるのが人情。

カナタからは見えないが、カイルの頬は湯上がりの時と同じくらいにピンクに染まっている。

(どうか、誰にも見られませんように……)

とカイルが祈った瞬間………

 

どたどたどたどたどた…バタンッッッッッ!

 

「カナタカナタ!!まだ起きてる〜〜〜っっ!?」

「!?」

「あ、ナナミー」

 

-間(0,05)-

 

「わ〜〜〜〜〜〜!!!すっご〜いっ!!カナタとカイルさんがイチャイチャしてるーーー!!カナタ!よかったねっ!!」

無邪気にきゃわきゃわと騒ぐナナミの声に誘われて、辺りのメンバー達が(よせばいいのに…)何事だとばかりに部屋を覗き込む。

 

「!!!!!!!!!」

「っだーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!カイルさんっっ!!刺さってます〜〜〜っっ刺さってますーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ホウアン先生〜コレ抜けないんですけど〜…」

その後矢鴨ごとく耳カキを耳に刺さらせた、同盟軍リーダーの姿が見られたとか…

                        END