よし!そうだ!!開き直るか!!――――――――もう、こうなりゃ自棄だ。
「そ、そうだ!オレはこの城を調べに来たスパイだ!」
「ようやく白状しましたね!人間やっぱり諦めが肝心ですねv」
もーーどうとでもしてくれ。
オレは遠い眼をして、心の中でそう呟いた。
「カナタ殿、いかがなさるおつもりですかな?」
「無益な殺生も嫌だし………牢屋にはいってもらうのもありきたりですしーーーー。あ、そう言えばもうすぐお昼ですね。」
バタン!
大きな音をたてて、扉から誰かがこの部屋に入ってきた。
「カナタカナタカナタ〜〜〜〜〜〜!!!お姉ちゃんの手作りごはん持ってきたよーーーーーー!!!!!!」
―――――――どこかで聞いた声だ。………もしや、
「あれ?」
向こうもオレに気付いたようで、きょとんとした顔を向けた。
「ナナミの知り合い?」
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーー………忘れちゃったv」
おい。
「でも、カナタ、弱い者いじめ(?)はダメよ!」
「うん。じゃあ、僕のごはんあげて、それで帰ってもらおうか!」
「えらいわよ!カナタ!!さすが私の弟ねv」
あ………あの恐ろしい料理か………。ぐっ………あの、複雑な味は忘れがたいものがあるが、まあ死ぬ 事はないだろうし………。
ん?なんだ?何か、辺りの雰囲気が変わったような?
オレがそう思った瞬間、軍師殿が素早く命令をくだした。
「総員退避!急げ!!(汗)」
「はっ!(汗)」
「なっなんだ?(汗)」
「さあvなんでしょうかーー?」
「はいvどうぞ!今日はシチューなの!」
――――パカッ
――――――――――――――一瞬我が眼を疑った。
なぜだっ!?
なぜっ!容器よりも確実に10倍はするものが出てくるんだっ!?
確か、前食った時は食べ物の形をしていたぞッ!?
「「お上がりなさいv」」>学校給食風に
「どわああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
その後の事は………言いたくない。
取りあえず、生きて帰れたと言う事だけは確かだ。
「……………」
まだ胃の中で、蠢くものを無視して、なんとかオレは城を後にする。
姉弟の見送りの中で、だ。
「気をつけてねーーーーー!」
「もうこないでくださいねーーーーーー!!!――――――――――――――ナッシュ=ラトキエさんv」
名前を名乗った覚えはない。
ゾクリと背中を泡立たせたまま、オレは同盟軍本拠地から逃げるように去っていった……………。
ラッキーポイント獲得(ぴこーん!)