ごまかしきれるかッ!?

 

「ちがうっ!本当にオレはただの通りすがりだっ!!」

なんとしてでも、逃げ切ってやる!!

「スパイはみんなそう言うんです〜〜〜」

くそうっ!だめかっ!?

―――――――ん?なんだ?何か読んでるぞ?

オレは眼をこらし、本のタイトルを読み取る。

タイトルは……………なになに?『幻想水滸伝外伝攻略………

って!なんだそりゃ!?いや、それより、そんな本を読んでいるのならオレの正体はばれているんじゃないのかッ!?

「そっそれはっ!?」

「ん?なんだ?」

長髪の軍師が振り向いた瞬間、同盟軍リーダーは見事にそれを燃やした。

おそらく、火の紋章を使ったのだろうが………それにしてもっ!

「なんでもな〜い。」

ぱたぱたと手をふる。

「分かってやってたのかーーーーーーー!?」

「何の事ですか?」

「答える義務なーし!」

軍師の尋ねに愛想悪く答えている。仲は悪そうだ。

ではなく、―――――――くっ!もう打つ手はないのか!?いや!何か方法をっ…………

 

――――――――――コンコン。

 

「どうぞ〜。って!ああっv」

―――――なんだ…?いや、もうどうでもいい。(諦めた)

「カナタ…」

「カイルさーーーーーーーーーーーーーーーーーーんッッッッッッッッッ!!!!!」

物凄い勢いで、入ってきた人物に抱き着く。有無を言わせぬ早さだ。

この角度からでは相手の顔は見えない―――――が、どこかで聞いた名前だ。

 

「カイルさん!!用事終わったんですね!僕と遊んで下さい!!デートです!!デートして下さいーーーーーーーーーーーーーvvvvv」

「うん……(カナタが何かまた、やらかしてるって聞いたからきたんだけど……>汗)」

「カナタ殿、この者はどうするので?」

額に青筋を浮かべた軍師殿が、尋ねている。

「あ、その人、ハイランドのスパイじゃないらしいですし。もう帰ってもらいましょう!じゃ、そういうことでーーーーーーー!!!!!」

と、言って、入ってきた人物を抱えてどこかへと走り去ってしまった。バンダナしか見えなかったな。

 

 

 

その後、オレは痺れた足を引きずり、もう二度とこの城には近付くまいと心に決め、ここを後にした……………。

 

ラッキーポイント獲得(ぴこーん!)