今年も…

 

 

「…………」

「…………」

 

寝台の上に2人正座で並ぶ、カナタとカイル。

 

「カイルさん、」

先に沈黙を破ったのは、カナタだった。

「うん、」

 

「――――――――――そこですーーーーーーーー!!」

バーーーンッ!

少年は、いきなり叫ぶと思いっきり壁を殴りつけた。

 

「……………………手が痛いです…(泣)」

「…………うん、(汗)」

カイルの視線は宙を彷徨う。―――――――何を見ているのかというと…

 

虫。

 

それも、蚊ではなく、それ以上に小さい虫だ。蚊のようには音はたてていないのだが………。

 

「…………」

「…………」

 

「あ゛ーーーーーーーーー!!!!!!うっとおしいんですーーーーーーーーー!!!(怒)」

そう、うっとおしいのだ。そして、その上数も多いし、スピードも早い。

「棍でも潰せませんかッ!?」

「うん…」

風圧で飛んでしまうのだ。(風圧をなくし、一瞬で叩き潰すというのもできるのだろうが、そこまでして殺す気はカイルにはない。)

 

「…………」

「…………」

 

また沈黙が満ちる。

 

「――――――しょうがありません。」

「うん。」

カナタが口を開く。そして―――――゛

 

「寝ましょう!」

キッパリと言い放った。

「そうだね…」

もそもそと毛布に潜り込む2人。もはや、2人で寝るのが常識(?)になって来ている今日この頃だ…。今さらではあるが…

 

 

 

 

「…………」

数分後。

カナタは瞑っていた目を再び開いた。

腕を見る。

無数に刺された小さな痕………………………………かゆい!

「…………(怒)」

少年は無言で立ち上がると、ベッドの下から何やら取り出した。

――――――何やら、ポリタンクのような物で…

「…………(怒)」

 

どぽぽぽぽぽぽ…

 

「ん……?」

何やら強い匂いで、カイルはパチッと目を開いた。

そこで見た物は!!

 

「――――――――カナタッ!?何まいてッ!!!!!(汗)」

「ガソリンですーーーーーーーーーーー!!!!!虫なんぞ、皆燃え尽きればいいんですーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

錯乱。

 

「カナタッ……!落ち着い――――」

「ファイヤーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

炎上。

 

 

 

 

その日……城内で、とてつもない火災が発生したという…(死傷者0)

そして、何故か中庭で並んで正座させられているリーダー2人の姿も目撃されたそうな………(犯人)

 

意味不明に終了。