攻防戦
ずるるるるる…
「おいしいですね〜〜〜。」
「うん。」
ずるるるる〜〜〜
本日、この2人、レストランにて昼食中であった…。
しかし…………
「なんで『うどん』なんだ?(汗)」
そう、彼等が食べているのは、『天ぷらうどん』と『きつねうどん』…。
「なんでって言われましても、うどん好きですし。」
「僕も…。」
ずぞぞぞぞぞぞぞぞ……。
うどんを食べるトランの英雄(カナタは放置)……。なんとも微妙だ。
「大変大変大変よーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!ムクムク達がーーーーーーーーーっ!」
バタバタと慌ただしく駆け込んでくるナナミ。
「何ィ!?ムクムクがっ!?」
「いいからカナタ!早くきて!!」
せかされて、椅子を倒す勢いで立ち上がるカナタ。しかし――――…
「カナタっ!(汗)うどん持っていかない!」
うどんを離さなかった。
「でも、カイルさん!残すともったいないお化けが出ます!!」
う……(汗)そうだけど…と言葉につまるカイル。
そこへナナミが、解決策をだす。
「安心して!お姉ちゃんが代わりに食べてあげるわ!ムクムクは展望台よ!!先に行って!!」
「ナナミ!ありがとう!!さ!カイルさん行きましょう!!」
「………(汗)」
何やら、勢いのまま連れていかれるカイルだった………。
そして、残った少女は…
パチン☆
「わ〜〜〜♪『きつね天ぷらうどん』ねーーーーvvv」
新たに割り箸を割り、呑気に昼食を取り始めた…。
周囲のメンバー達は、突っ込む気力もない……。
そして、展望台に向かった、カナタの見た物はッ!!
「―――――――こっ!これはっ!!」
出入り口に打ち付けられた板。その周囲に張られた柵………。そして、立てられた看板(『ムー』ばかりで読めない。)
どこをどうみても………
「バリケードですね!」
「うん…(汗)」
呑気に呟きあう2人……。
しかし、その時、展望台のてっぺんから人影…………いや、獣影が見えた!
「ムーーーームムムーーーーーー!!」
ムクムクだ。
「ムムムーーーーームーーーーー!!」
次に姿を見せたのはマクマクである。
「ムムーーームムムーーーーーー!」
次は……(略)
周囲のメンバー達に何を言っているのか、わかるはずがない。
しかし、少年の叫びにより、何を言っているのか大体はわかった…………
「何ッ!?『我々はカイルさんとの自由接触を希望する』だとーーーーーー!?(怒)」
「自由接触………?(汗)???」
「そんな事が許せるかーーーーーーーー!!(怒)」
カナタの怒声が展望台に放たれる。
「ムーーームムーーーーーー!!」
「何!?『その為なら我々は徹底交戦の構えである』!?敵ながらなんて根性!!おのれ!負けません!!」
「カナタ……(汗)」
同時通訳はいいのだが、訳のわからない揉め方をしている。
「オイ!どうでもいいケド、早いとこ何とかしてくれよな!!オレの居場所がなくなって困ってるんだよ!」
ムクムクたちに追い出された形になったチャコが、そう声をかけてくる。
「?他の場所にちょっと間いってたらいいんじゃ?」
「そうなんだケドよ……他に行くのは…」
「チャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜コ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「うひいっ!!(汗)でたっ!!ギャーーーーーーーー!!」
ダッシュ(羽あるのに…)で、逃げるチャコだ。
確かに、シドに終われながら安住の地を見つけるのは大変かもしれない。
「………(汗)」
カイルが他人事とは思えない…といった視線をその後ろ姿に向けていた…。
「えーーーっと、ともかく!カイルさんは渡しません!!」
ビシイッ!とカナタはそう宣言した。
「ね!カイルさん!!」
「え?僕はムクムク達と遊びたいんだケド―――…」
ピシャーーーーーーンッ!(落雷バック)
「「「「「ムム〜〜〜〜vvv」」」」」
嬉しそうなムクムク達の声。
それにカナタは――――
「くわっ!」
「『くわ』?」
「カイルさんは僕よりあの獣達を取るんですねーーーーーーーーーーーー!?せっかく今まで、カイルさんに背後から忍び寄ろうとする毛玉 物体をカイルさんにばれないように叩き落としてきたのにーーーーーーーーー!!!!!」
「………そんな事してたの?」
それが、本日の事件の原因らしい………。
「こうなったら!こっちも徹底交戦の構えです!!どちらかが命尽きるまで戦い抜く事を――――――…」
「ダメよーーーー!!」
スパーン!とハリセンが炸裂した………。
「ふぎゃっ!(汗)ナナミ〜〜〜っ(泣)」
「そんな事したら、展望台に登れなくなっちゃうでしょ!お姉ちゃん今日は展望台に登りたいのよ!」
―――――――なぜに、ここの3人組(2人+一匹)は自分の本能のままに生きているのだろうか?(そのしわ寄せは全部ジョウイにきているが…)
しかし、カナタはそれで納得する訳には行かない。なんとか反論しようとする。
「そんな事言っても……」
「ダメよ!ね?カイルさん!!」
ナナミはカイルに援助を求めた。
「うん、喧嘩はダメだよ…?」
わずかに首を傾けての言葉………。
陥落
「はいv」
「ムー…v」
和平交渉は成功した…。
に、見えたが…。
「よーーーーーし!お姉ちゃんちゃんと、2人が仲直りできるように、おうどん作ってきたのよーーーーーーー♪」
「なっ!(汗)」
「ムッ!(汗)」
「い〜〜〜〜〜〜ぱい食べてねv」
ぞろり………
ギャーーーーーーーー!!最初のはコレの伏線かーーーーーーーーーーーーー!!と、絶叫が上がったそうな…。
ちなみに、展望台は再建まで、1週間かかったと言う。