読むと気分の悪くなる話。〜お姉ちゃんと僕〜

 

 

「小指をタンスの角にぶつけた時!」

「割れた爪にシーツが引っ掛かってそれを引っ張った時。」

「お腹が痛いのに、乗り物から後10分は降りられない時!」

「盲腸の時に、強烈なボディーを食らう!!」

「間違って針を飲み込んじゃった時っ」

「見開いた眼球に近づく火の付いたマッチ…!」

 

「……………」

 

カイルは耳を塞ぎたくなりながらも、この義姉弟の会話を聞いていた…。

読書時の集中が、ふいに途切れた時、こんな会話が耳に入って来たのだ。たまった物ではないだろう…。

そして、少年が「耳を…」と言いかけた時に、ついにカイルはストップをかけた。

「カナタ…;」

「はい?なんですか??」

「…何してるの?(汗)」

「「『恐い話対決』です☆」」

…見事に、姉と弟で、声をハモらせて、そう言った…。

――――そして、

痛い話の間違いではないかと、カイルは思った。

 

 

「えーっと、なんかヒマだったんで、恐い話でもしようと思ったんですっ!」

「でもっ恐い話は恐いからお化け以外の話をしようと思ったの!」

「うん、」

――――で、ああいう話になった。

「………あの…;やめて、欲しいんだけど…(汗)」

カイルは勇気をだしてそう言ってみた。

「ええっ!?なんでですか!?」

「なんでって…;」

「もうちょっとで決着がつきそうなのに〜っ!!」

「ナナミちゃんも…(汗)」

 

しかし、カイルの言う事はもっともな訳で、二人は駄々をこねにこねたが、何とかカイルの手により、その対決を中止させることが出来た。

…はずだったのだが、しかし。

 

 

「ネコを掴んだ時の内臓と骨のわし掴み感っ!」

「犬を撫でた時にごっそり毛が抜けた時!」

「水たまりに入って、靴の中に水が染み込む!」

「靴下で田んぼに立った!穴から、どろがむに〜っと…!」

「目薬が鼻の方に来た時よ!」

「ごはんが口から鼻に通じる穴に挟まっちゃった時!!」

 

「………。」

 

…今度は、『何か不快な話』対決になっていた。

 

終われ。;