憎しみ的存在…〜存在する事すら許したくないくらい憎いんです!〜
「はーーらーーたーーまーーーきーーよーーたーーまーーー…(?)」
「…………。」
ゴォーッ!と燃えさかる祭壇(?)の前で、巫女装束(…。)のカナタは、何やら訳のわからない呪文を唱えていた。しかもバサバサと榊の葉を振っている…。
………ちなみに、自室である。
勢い良く燃えさかる火が、部屋の室温を一気に上げている。たまらずにカイルは服の前をくつろげさせた。
「………(汗)」
声をかけたい。声をかけたいのは山々だが、まったく声がかけられる雰囲気ではない。
そうこうしていると、カナタから…
「キェーーッ!(怒)」
…と奇声が上がり、意味なく塩をまき散らした後動きが少し収まった。
そして、カイルは今しかないと思い、意を決して声をかける。―――カイルも、わざわざこんな行動に付き合わなくてもいいと思うのだが、その辺りが愛なのだろう…。きっと。多分。
「―――カナタ…何してるの?(汗)」
「呪いです!蚊を滅殺するんです!!」
既に口癖徒言うか、お決まり文句なっているセリフを言うと、少年は突拍子もない返事を返して来た。
か?
蚊?
「…蚊?」
「そう!蚊です!蚊なんですっ!にっくきヤツらなんですっ!!!!!(怒)」
んがーーーっ!と頭を抱えてカナタは絶叫する。
「夏がーっ!夏が来るんですーーっ!(怒)蚊!蚊がイヤなんです!!耳元で深いな音を立てて睡眠不足に追い込まれますし!灯りを付けたら何故か見つかりませんしっ!!(怒)もしカイルさんが蚊なんかに顔を刺されたらっ…!!」
「カナタ、落ち着いて…(汗)」
「顔が毒で腫れ上がるんですーーー!!しかも瞼を刺されたら、目が開かないくらいに腫れ上がって!恐ろしい事になるんですーーーーーーー!!!!!(泣怒)」
「だから、カナタ…(汗)」
もうどう止めていいのかわからなくなっているカイルに、ふいにカナタは真剣な視線を向けた。
「………さあ!カイルさんもっ!!」
「え?;」
ガバァッと押し倒され、無理矢理服を脱がされかけるカイル。その少年の手には、巫女装束が…
「カナタ!?(汗)」
「一緒に巫女装束をーーーーっ!!」
「ちょっ…カナ…!?;」
―――――ガラガラガラ…。
――――その時ふいに、積んであった木が崩れ落ちた。…もちろん、火は勢い良く燃え上がったままで、
「!!!!!(汗)」
「蚊は滅亡しろなんですーーーーーーーー!!あははははははははは!!;」
ゴーーー!お一気に火は部屋に燃え広がった…。
…。
「えへv(汗)ゴメンなさいですv;」
「………………(怒)」
…大変だったカイルらしい。カナタも多少落ち着いたが、――――今年の夏は、まだまだ今から始まる…。