「あ〜…やっちゃいました…。」

 

―――ガラスケースの中、ボフンッ!…パキッと音がしたのを聞き、カナタは縁起でもない声を出した。

 

 

 

 

 

「今日は平和だなー…」

「珍しい事もあるもんだな、なあカイル?」

「……………(汗)」

昼下がりのオレンジドラゴン軍本拠地…本日は珍しく平和であった。そう、カナタが何も騒動を引き起こしていないからだ。

フリックとビクトールは、酒場でダラダラと酒を飲み、その風上でカイルも一緒に座っていた。

「まあ…どうせこの平和もそう長く続かないんだろうがな…(涙)」

「もう少し強くたずな握れねぇか?」

「………………(汗)」

フリックが遠い目になって言い、ビクトールはそのものズバリに笑って揶揄する。

しかし、そんな事を言われても、かいるにも出来る事と出来ない事があるのだ。それに、そんな風に言われると、とてつもなく居た堪れない気分になってしまう。

「まあなんだ、とにかくそんなにヒドイ騒動が起こらなきゃ良いがな。」

「無理だろ(汗)」

「無理かも…(汗)」

思わずハモって正しい返答を返す、2人だった。

 

―――――そして、それを証明するかのごとく、謎の金属音が響いてきた。

 

ガッチャガッチャガッチャ…!

「大変ですーーーーーーーー!!!!!」

何の騒動を巻き起こしたのか…その声はただ事ではないといった雰囲気をありありと宿していた。

「カナ……タ!?;」

何事があったのか、そうカイルが尋ねようとしたが、しかし…――――相手は甲冑を着ていた。

「カ、カナタなのか?…;」

「見てわかんないですか?他の誰だって言うんですか。まったく…」

「いや、見てもわからんぞ。」

やれやれ…といったポーズをとる(顔まで兜で隠れた)甲冑に、ビクトールはそう突っ込む。

そして、すっかり硬直してしまっているカイルは、一体何があったのだろうと更に疑問を深めて、再び口を開いた。

「カナタ…?;なんでそんな格好…?;」

「はっ!そうでした!そう!―――大変なんです!!今ちょっと実験に失敗して、タイヘンな事が起こったんです!!」

 

―――鎧を着て込まなければならないくらいの騒動が『ちょっと』?

 

かなりの恐ろしさに、ぞぉっと背筋に何かが伝う。

しかし、それでも何が起こったのかは確認しなければならないだろう…周囲の人間が息を呑む中、カイルが口を開く。

「一体何があったの?;」

「うっ…それが――『毒薔薇の胞子』が…」

「―――――」

ピタリとカイルは動きを止めた。

何かを思い出したように無表情になり、ただ唇を震わせた。

「おまっ…よりにもよってなんてもんを…!」

「それもカイルの前で――」

「えーいうっさいですっ。」

 

ドスッ。

 

(鎧の付録である)槍の柄で、フリックの脇腹を突く鎧(=カナタ)。当然、フリックは悶絶する。

「僕がカイルさんを傷つけるような事をするはずも、言うはずもないですよ!(怒)」

「よ、容赦もな…(脂汗)」

「じゃあどういうこと何だ?」

「毒バラを品種改良して、なるべく人にも優しい生物にしようとけんきゅーしてたんです!」

「………」

少しカイルの表情が和らぐ。

「――――まあ、その作業の途中で、胞子バラまいちゃったんですケドねv」

 

ゴッ!

 

…今度は、カイルの棍がカナタ(鎧装着)の、身体を傾がせた。

「っ…なんで、そんな冗談にならない事を…っ!(怒)」

「落ち着いてくださいー!!;ごめんなさいです!!;でも、人体には無害には出来てたんです!!人死は出ません!!;」

「――――…」

「毒があっても、人を食べても、バラはバラというわけで、トランの某貴族の方から相談を受けて、てってー的に肉嫌いにさせたんです!――――その代わり、人為的に加工された上で、適当な温度のついた食物繊維が大好物になっちゃた訳です☆;」

「―――具体的には?;」

おそるおそるフリックが問いかける。

「綿とか麻で出来た布を食べちゃうんです。つまり―――服が食べられて、裸祭りです。

「「「……………」」」

 

裸祭り。

 

「撒いた量はちょっとだったんで、城内全域の被害で済むと思うんですけどね〜? 途中、非常連絡網で、女の人は退避してもらって毛糸のパンツと毛皮の服の配布は手配して来ましたし〜まあ、カイルさんの所に直行するついででしたけど♪」

そう言うと、カナタは「はいvコレ上から着て下さいね〜v」と毛皮の服をカイルに手渡した。

「………一応聞くが、俺達の分は?」

「ないです。」

キッパリ!

…周囲のメンバーらの脳裏に、間違いなく素っ裸カーニバルが実現する光景が浮かび上がった…。それはもう、鮮明に。

 

 

 

―――そして、5分も経たずに、城内の至る所から悲鳴は上がりだした…。

…毛皮の衣装の中、自分の衣類が消えるように溶けていくのを感じながら、カイルは口を開いた。

「………………カナタ、」

「はいvなんですかーv?」

「―――――反省して!(怒)」

「ぎゃーーーーー!!!!!;」

…また1つ、城内に悲鳴が響き渡った…。

 

 

 

 

 

しかし…

 

「今度は細菌が目に見えるようになる能力を開発したいですねーvかもすぞー♪って☆」

少年に、余り反省した様子は見られなかったりした…。

 

 

ノートの整理していたら、発見された遺物…。

他にも出てきましたが…まあ、とりあえずオチをつけてみたです。(笑)

フ●メタネタですね。

…というか!かなりへたれ文更新するの久しぶりな気が…!;

企画物としてばっかり主坊を書いていた感じです…;