ぼっちゃんラブ城。

ある昼下がり…

――――平和な、とは付き難い、そんな昼下がり。

 

 

 

ドッポ〜〜〜ンッ!!

 

「ぎゃーーー!!;カイカさんが池に落ちましたーーー!!;」

「展望台で身を乗り出したら…!」

「え!?コボルト!?ネコボルト!?」

 

キャーひゃーわーー!!と城中が悲鳴を上げる中、―――カナタとカイルは、カイカ回収に走り回っていた。

 

 

「ちょ、ちょっと疲れました…;」

「………(汗)」

びしょ濡れになったカイカを捕獲すると、風邪を引くといけないので、風呂場へと、ネコの子のように首根っこを摘んで連れて行く事になった…。

「…(♪)」

本人もお風呂は好きなのか、風呂場前の床に下ろされると素直に着替えを持って移動する。

…どうもこのカイカと言う人物は、少し見かけより天然で、少し抜けている所があるようだ。

そんな彼を捕まえると言うのは、オリンピック選手並みに動くと言われている子供を捕まえるという程に大変で、(しかも身体は子供並みではないので、余計に大変)

まあ、そんな苦労をした少年はいまだ荒い息で、トランの英雄ことカイルに笑いかけていた。

「我が子のように可愛いですけど、大変ですねー(汗)」

「我が子って…;」

カナタ…あの人、年上…とカイルは嗜めるが、――――どうしてもそうは見えない。

「それは置いておきましてー。何にせよ、城に馴染んでくれて良かったですよね〜」

「うん、(…でもアレは馴染んでるって言うのかな?;)」

「子供と混ざると判別つきませんしー」

連れ帰り、なんとかシュウを倒して居住権を勝ち取ったその日、妙に物珍しいからか、カイカは異様に遊び、走り回っているのだ。(で、先程の騒動だ。池にはまってもまだ遊び回るという…)

――――しかし、ここの城主も常に遊び回っているので、あんまり代わり映えはしない。

「放っといて下さい。」

「?(汗)」

誰に何を突っ込んでいるのかとカイルが首を傾げた時―――…

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?」

 

…風呂場から声にならない絶叫が上がった。

「………」

「………」

一体何事かと顔を見合わせる。…ちょっと呑気だ。

「何でしょう?」

「さあ?;」

「ゴキブリが出たにしては、驚き過ぎですけど…――――ハッ!!;」

「カナタ?」

何か気付いた表情でカナタが固まったので、カイルは首を傾げた。

微妙に引きつった顔で、カナタは呟く…

「そう言えば、うちの城…(カイルさんの趣味で)のろい人形設置で、常にのろい風呂でしたね…」

慣れとは恐ろしい物で、常にのろい風呂に入っていても、リラックスして風呂に入れるようになっていた城内一同であった…

しかし、それに慣れていないというか、むしろ怪奇現象が嫌いな者にとっては恐怖以外の何者でもなく、

「〜〜〜〜〜〜!!!??」

バタバタバタッ!!と慌てたような足音が湯舟の方から響いて来た!

「はっ!!;ヤバいです!カイルさん!!」

「え?」

脱衣所の中へとカイルを押し込み、自分はその戸を外から塞いだ。

「カナタ?;」

何事かとカイルが問う声に、

「―――――いえ、なんかそのままの(タオル一枚)格好で外に飛び出しそうですから〜。;」

「………(汗)」

それは困る。

確かに適材適所な配置だが―――…

「〜〜〜〜!!」

「あ、カイカさん!落ちつ――――…」

「!!」←パニック

 

ドッターーーンッッ!!

…何か思いっきりぶつかり、縺れ合っているような音が響いて来た。

 

「……………………………………なんか今ものすっ…ごく、中覗きたい気分で一杯です…」

めくるめく百合の飛び交う世界…。(想像)

「ああっ!;男としては覗くべきなんでしょうケド!漢としては潔く見ないのもまた漢で!(血涙)」

「カナタ!訳のわからない事言わない!(怒)」

「〜〜〜」

たんこぶが二人合わせて二つ出来てしまった。

 

 

 

〜おまけ〜

 

寝る場所。それが問題だ。

「うーむ。なんかフェロモン出てますし、1人で部屋に入れてて大丈夫かと心配ですー。」

荒くれ者どもも居ますし。と、カナタは失礼な事で悩んでいた。(ちなみにカイルはカナタと同室同ベットだから安心(?)だと言う事だ。)

とりあえず、悩んでいるカナタはさておき、カイルはカイカを見た。

「…」

「――――…」

じぃ〜っと自分を見上げて来る様子は、何かの小動物にも似ていて、カイルの動物愛護魂が刺激される。

――――――確かに、150年も経っていては、周りはわからない事だらけだろうし、不安もあるかもしれない…

「…カナタ、」

カイルも懇願するような瞳でカナタを見た。

「え!?だめですよっ!?僕のカイルさんと一緒に寝る権利は何人たりとも譲りませんよ!?;」

ビクッと怯えて、拒否しまくる少年だ…。…しかし、この二人の哀願攻撃に勝てる者もそういないだろう訳で、

 

 

 

「まあこれはこれで♪」←何も考えていない

「くー」

「―――」←早まったかもしれない

 

そういう訳で、3人で川の字で寝る事になったらしい―――――…(暑い日は鬱陶しい)

 

 

また何が書きたかったのかわからない物に…;

本題に入りません…テッドさんが出ません…

次も入りません。(爆)