視界に一杯の赤、

紅(アカ)に染まる…

 

 

「あ…」

それが紅葉だと気付いたのは、空を見上げてからだった、

空を遮るように伸びた木々が、視界に映った紅を落とすのを見て気が付いて…

空の色は何なのかわからない、

紅葉が覆い隠してしまっているから…

地面の方はもっと凄かった、ただ一面の紅、

 

 

この色はどこかで見た事がある

 

 

でも、どこで…?

「……わからない、」

そうポツリと独りごちて、一歩足を踏み出してみた、

その動きに合わせて、積もったばかりの紅葉が舞う…

 

 

誰かが呼んでいる気がして紅葉の中を歩いていった。

――――――ふいに泣き声、

「あ。」

そう、聞き覚えがある、

大事な存在であった少年の声、

泣いている…

紅葉の中、地面に踞って泣いていた

 

その背中に呼び掛ける、

首を傾げて、

 

「どうして、泣いてるの…?」

「―――さん、」

「うん、」

ハラリと紅葉が落ちる。

「何か、あったの…?」

「大事な物、落としちゃったんです…」

ひくっ、と一つしゃくりあげる。

「大事な物?」

「はい…なくしちゃったんです」

「どこで…?」

少年は黙って周囲(アタリ)を示した。

ああ…

確かに、こんなに紅が積もっていては見つからない、

「―――さん、一緒に探してくれますか?」

「うん…いいよ、」

差し出された手を頷いてとった。

 

 

「あ。ありました!」

 

探し物はすぐに見つかった。

「ほら!―――さん、見つかりましたよ!」

「うん、」

でも、僕には見えなかった。

少年は紅葉の積もった地面をかき分けて、そこで見つけた何かを大事そうに抱きしめた。

 

――――それでも、彼が見つけたと言うのなら、そうなのだろう…

 

「良かったね…?」

「はい!―――でも、後5つもあるんです、」

「そんなにも落としたの?」

「…はい、」

その確認をしただけの言葉に、少年はまた泣きそうな顔になった。

泣かないで…

「行こう…?ちゃんと見つかるから、」

「…はい!―――さんと一緒なら全部見つけられる気がします!」

あ、笑った――――…

紅葉が一枚(ヒトヒラ)落ちた。

 

 

「あ、ありました!」

「見つけました!」

「後3つです!」

 

彼が見えない何かを拾う度に、両腕を抱えにくいといった様に動かしている。

どうやら少し重い荷物(モノ)らしい。

「手伝おうか…?」

「大丈夫です、大事な物ですから…」

少年は愛おしそうに、腕にある荷物を見つめた。

チリリと胸が痛む。

「あ!またあります!あと1つです…!」

「…………、」

今度の物は、今まで拾った物よりも大きい物らしく、少年は暫くその物があるらしい場所で逡巡してから、今までの荷物を大切に並べた。

「いいの…?置いていって…」

「はい!もう見つかりましたから、ちゃんと後で取りに戻れます、それに…」

それに…?

ザァッ…と、紅葉が風に舞った。

「最後の一つもすぐそこにありますから!」

「そこ…?」

少年が指差した場所、

やはりそこには何も見えなかった。

ただ、そこは周囲よりも紅が深かった。

そこは…嫌だった。

 

その紅は嫌い…

 

「ね?行きましょう、」

「………うん、」

迷いながらも、手を引かれるまま連れて行かれる…。

ザァザァと響く風の音と、舞い散る紅葉が怖かった。

 

 

「ほら、ありましたよ?―――さんの…」

 

 

 

 

風の音はしなくなった。

紅葉の紅も気にならなくなった。

ただ、見えるのは少年の嬉しそうな笑顔と、自分の顔をした…『顔』、何故か首の下に付いているはずの身体がない。

歩いて来た場所を振り返った。

そこにはキレイに、手と足と同体が並べて置かれていた。

両腕と両足、対になるように二本ずつ、胴体はその隣に、

 

紅の中、そこだけ白く…

 

「ね?キレイに出来たでしょ?キレイなままに切れたでしょ?貴方の身体、」

「―――…」

少年が嬉しそうに、楽しそうに、その腕にある首に話しかけた。

少年の身体は紅で、

その手も、その頬も、その髪も紅で―――…

 

 

僕が染めた紅?

 

 

ああ…

そうだ…

切断され(キレ)た時に噴き出した血飛沫で、周囲は紅に染まったんだった。

腕から、足から、首から…

すべて周囲にぶちまけて…

 

 

「―――さん、大好きです。これでずっと一緒ですね?」

 

 

少年が腕の中の物に口付けた…

周囲は紅葉が舞い散り、

僕の視界は紅に染まった――――…

 

 

永遠に

 

 

END

 

 

 

てへvやってみたくてやっちゃいましたvvv(吐血)

カナタ:捕まるような真似させないでくださいよっ!?;(怒)

カイル:………;(さすがにエグイかも…)

よくある話を書いてみたかったのです…;(目を逸らし)

名前が出ていないのは、幻水知らない友人に見てもらう為でしたが、

反応はいまいちでした。;うーむ;精進せねば;

ちなみに、野依さんの反応は…

 

「うわっキモッ;」

 

でしたv

後、食人と死●で、3部作にしようかと思ったのですが…

 

「好きにしたら?私に見せたら破るからな?」

 

との事でしたので、断念…(ちっ)

カナタ:まったく!訳わかんない作品に出演させないでくださいよ!?
しかも途中で身体の数合わなくなってますし!!(怒)

カイル:カナタ!;そう言いながら、セットで使ったマネキン持って帰らないで!!;

カナタ:ええっ!?;せっかくこんなにカイルさんそっくりに出来てるのにっ!!

カイル:いいから捨てて!!;

はーい;撤収〜。