修羅

 

「…………」

 

無気力

無意識

無感動

 

「カナタ殿、御命令を」

「うん、」

 

やりたい事なんか一つもない。

ただ望まれるからここにいる。

 

自分の意志など一つもない。

ただここに在るだけ、

 

 

 

 

「えっ!?カナタが変?病気っ!!まっててね!お姉ちゃんが今助けにっ!!」

「そうじゃなくて、なんかいつもの様子じゃないっていうか…」

アイリのその言葉にナナミは急に口を噤む。

「………戦争中だから、…だから私あの子を連れて逃げたかったの、」

 

あの子は一一一本当は…やりたくなかったのかも知れないって思って………

 

 

 

悲鳴

 

意味もなくそんな事をしたくなかった。

ジョウイもどうでもよかった。

 

ただ殺戮のみを求めていた…

 

でも一一一一

 

 

「でもね、今は違うと思うのっ!!カナタ多分…っ」

 

「はあっ!?」

ナナミの続けた言葉にアイリは唖然とする。

 

 

 

「カイルさんに逢いた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いっっっっ!!!!!!!」

「カナタ殿ッ!今は戦争中ですっ!!」

 

 

 

あの人がいるから一一一一一一………

 

 

 

 

 

                                        「は、くしゅっ!」