I wish you a merry Christmas! |
「寒っ……」 会場を出た途端、刺すような冷たい北風が青年の身体を凍てつかせた。 慣れない礼服。 「うんざりだよ…」 後ろを見ると先ほどまで自分がいたパーティーの会場が闇夜に浮かぶようにその煌びやかな外装を誇っていた。 そして、その中では外装に負けぬ豪華なパーティーが催されていた。 (あいつは怒るかな?それとも呆れるかな?) パーティー会場に於いて来た相棒の顔を思い浮かべ、くすくすと笑う。 愛想だとわかっていても自分以外の者に笑いかけるところを見たくない。 わかっていた、わかっている…自分の一人よがりな我侭だという事を…。 (どうかしてるぜ…) 自嘲気味に笑うと蝶ネクタイを乱暴にもぎ取り、踵を返した。 「さて、と…これからどうしようかな?」 コートは会場だ。 「そんな格好で出歩くと風邪を引くぞ…」 「クルガン…」 驚きを隠せず、思わず目を見開く。 「何を呆けた顔をしている。このような所、義理を済ませた以上長居する必要はない。さっさと帰るぞ…」 そう言うとクルガンはシードの返事も待たずに歩き出した。その背を見たシードの口元に笑みが零れた。 「クルガン!!」 呼ばれて振り返った相棒に飛びきりの笑顔を向け―――。 Merry Christmas いつの間にか振り出した雪が二人の足跡を消してくれた…。 END |
†言い訳(撲殺)†
以前、露城琉那様に捧げたクルシーSSです。
露城様、このようなへタレを押し付けてしまってすみませんでした。(汗)
ふふふ、DATEが消えたっ!!!と思っていたのに…
おかしな…今頃になって出てきました…。(爆死)
これは…パソコン一回洗い浚い見てみないと…。(真剣)
もしかすると他にも埋もれたSSが出てくるかも…。(苦笑)
深海紺碧