頑張れ源氏大作戦!!
〜クルガン氏の子育て奮闘記〜

 

 

 取り合えず、私はこの膨らみの正体を見極めるべく、シーツを捲って見る事にした。

 

 「……………………………………。」

 

 どうやら起き抜けの所為か、まだ頭が働いていないらしい。

 そう判断した私はそっとシーツを元に戻し、もう一度捲った。
 しかし、そこに『存在する』ものは変わっておらず、私はどうしたものかと思わず途方に暮れかけた。

 一瞬、シードの新手の嫌がせか何かかとも思ったが、そうではない。
 そうである筈が無い。
 彼はこういった嫌がらせをする際には必ず近くで見学をしている。
 しかし、今、この場に彼が隠れている様子は全く感じられない。
 彼の気配似たものは、ある。

 「これは一体どういう事だ…。」

 辛うじて出た台詞がこれである。
 知将ともあろうものが情けない。
 そう思っては見たものの、私は動揺を隠せなかった。

 私が見たもの、それは紅い髪の赤子だった。

 この赤子からどういう訳かシードの気配がする。

 理解不能だ。頭痛がしてきた。
 考えたくない事ばかりが頭の中で巡り始める。
 有り得ない事だ、と否定しながら妙に納得する自分がいる。
 しかし、いつまでも同じ事で悩んでいるのは時間が勿体無い。

 (この赤子が、シードだ…。)

 認めてしまうとどこかすっきりとした。
 状況が変わった訳ではないが頭が次のステップを踏み始める。

 (恐らく、またジル様当たりに何か妙なものでも飲まされたのではないか…。)

 溜息を吐き、そう思ったとき、”シード”が起きたのか泣き出した。

 「うえええぇぇぇっ、ええええぇぇん!!!」

 私は慌てる事無く、そっと抱き上げると軽くあやした。
 すると、また、安心したように腕の中で眠った…。

 さて、これからどうしたものか。

 

 

 1.ジル様のところへ行く。

 2.執務室に行く。