頑張れ源氏大作戦!!
〜クルガン氏の子育て奮闘記〜

 

 

 私は見なかった事にして、このまま着替える事にした。

 いつものようにクローゼットから軍服を出し、着る。
 だが、どこか胸が騒ぐ。

 私らしからぬ。
 ベットの中の膨らみが気になって仕方が無いのだ。

 (何を気にする事がある…。)

 そう自身に言い聞かせながら、心落ち着かぬまま、私は着替えを終えた。

 ちらり、と後ろを振り向くと、やはり膨らみは先ほどのままそこに存在する。
 動いたのか少し位置が違うように思えた。

 (動く…と言う事はアレは生き物なのだろうか…。)

 ぼんやりと気にしつつ、私は一旦部屋を出た。

 その次の瞬間。
 耳を劈くような”声”が聞こえた。

 「何事だ…。」

 解っていながらも認めようとせず、私は慌てて寝室へと引き返した。
 そして、シーツを捲った私が見たものは―――赤子だった。
 赤子が泣いていた。
 シードと同じ、紅い髪の赤子が…。

 (そういえば昨夜赤子の話をしていたな……生んだのか?…いや、まさかな…。次に目覚める時はこのような悪趣味な夢でない事を祈ろう…。)

 そこで私の意識は途切れた…。

 

 

END