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S o m e w h e r e i n T i m e

 

 

「・・・あれ〜?ミオさ〜ん!!・・・」

おっかしいなぁ・・・。いつもならここにいるのに・・・。

最近ずっと一緒にいたからミオさんの行く所は大体知ってるつもりだったけど、まだまだオレも甘いってコト?

っていうか早く探さないと、アイツらにミオさんとられちゃうじゃん〜!!

せっかく他の奴よりミオさんと親しくなったのにさ・・・。

ミオさんと二人っきりでいられるのなんて、今の所オレぐらいなもんだよな〜。

・・・そう考えたら・・・オレたちの仲って結構進展してる?!

やったね〜。このまま押していけばいつかは・・・・・。

そんな考えがふっと頭をよぎった時、近くで声がした。

とても楽しそうな笑い声も時々混じっている。

他の奴の声なら絶対気にならなかっただろうけど、今のは気にならないわけがない。

何故なら・・・オレのミオさんの声が、混じっていたから・・・・。

・・・ミオさん?!やっぱりここにいたんだ!・・・・・驚かしてやろーっと。

そう思って飛び出て行こうとした時、だった。オレの方が、驚かされたんだ。

「ミオ殿は、剣を使ったりはなさらないのですか?」

「うん。昔っからずっと棍を使ってるんだ。剣は持ったこともないかな?」

「では、オレが教えて差し上げますから、一度経験してみてはいかがですか?結構役立つと思いますよ」

「本当っ?それは有難いな。是非教えてくれない?」

「・・・・はい!喜んで!!」

な・・・何でマイクロトフなんかと一緒に・・・しかも二人っきりでいるわけ〜?

オレとだけじゃなかったってコト?!オレが一人で勝手に思い込んでただけ?

その上あの殺人的可愛い笑顔まで・・・!!

あ〜あ。マイクロトフってば真っ赤になっちゃって・・・。見てらんないや。でも・・・こんなことしそうにないクセに意外と積極的なんだな〜。

「・・・・お、マイクロトフじゃないか。・・・・ミオ様、こんにちは。お話が弾んでいらっしゃった様ですが、何かあったのですか?」

げ!あいつまで来たよ・・・。

「カミュー、こんにちは。・・・話?あぁ、それはね・・・」

「ミっ、ミオ殿!」

「マイクがね、今度僕に剣を教えてくれるんだって!」

「へぇ。それは、それは」

情けない顔してるなー、マイクロトフってば。ミオさんに嫌われるぞ?

しかもそのままじゃミオさんに一生気付いてもらえないよ。

二人っきりで秘密の特訓です!くらいちゃんと言わないと二人っきりにはなれないね。

まぁオレにはこの方が嬉しいけど。

でもカミューの奴、きっと影から覗いてたな。あの顔・・・・・絶対何か企んでる・・・。

「・・・ぜひ私もご一緒させて頂きたいですね。よろしいですか、ミオ様?」

・・・・やっぱり。予想通りだ。ミオさんだってきっと・・・。

「もちろん!!騎士団長の二人直々なんて光栄だよ!有難う」

・・・予想的中。マイクロトフ、また真っ赤になってる。

まぁマイクロトフはほっといてもいいとして、問題はカミューだ。あのミオさんの可愛い笑顔に平然として

「そう言って頂けると嬉しい限りです。・・・な、マイクロトフ」

な〜んて返してるんだから。きっと心ん中じゃ、色々考えてるんだろうけど。

それならミオさんが危ない!オレが守ってやらなきゃ!

とにかくカミューは要注意人物決定、だな。

「あの・・・ミオ様。わがままを承知でお願いしたいのですが、ぜひ私に棍を教えて頂けないでしょうか?」

な・・・何言ってるんだよ、アイツ!!

オレのミオさんに向かって!調子乗りスギ!!

「・・・うん。僕なんかで良かったら、いいよ。マイクは・・・いい、の?」

「え?あッあのオレは・・・」

「ミオ様・・・。二人っきりで、秘密の特訓を、したいのです。わがままで申し訳ありませんが・・・」

なんでコイツ、オレがさっき思ったのと同じ様な事言ってるんだよ・・・?

オレにもナンパな可能性あるのかな・・・?全然嬉しくないけど・・・。

「・・・・・そうなの?じゃあマイク、もしマイクもやってみたいのなら、また今度で・・・いいかな?ごめんね?」

「・・・はいッ!その時はぜひよろしくお願いします!お待ちしてます!」

ち・・・・ちょっとミオさぁん・・・。

マイクはまだいいにしろ、カミューと二人っきりなんて危険すぎるよ!

しかも狙われてるの丸分かりなのに、どうしてそんな笑顔を返すワケ?

どーぞ襲って下さいって言ってるようなもんじゃないか!

アイツら・・・オレのミオさんに手ェ出したら『輝く光』で・・・って!!カミューの奴、オレのミオさんにさわるな〜!!やっぱアイツ、油断ならないよ!

ミオさんもミオさんだ!どうしてずっとそんな笑顔でいるの?!鈍感すぎるにも程があるよ!!もうちょっと危機感ってものを持つべきだ!

「おッ!!ミオじゃないか。こんなとこで何やってるんだ?」

げ・・・また嫌なヤツが来た・・・。どうしてこうも嫌なヤツばっかり・・・。

「・・・・・やぁ。何やってるの?」

まただ・・・。フリックにルック。

こいつらは前にミオさんと一緒に居たらしいから、カミュー以上に要注意なんだよね。

「よぅ! ミオ! 一緒にグレッグミンスターまで行かないか?」

シーナまで・・・。今日に限って人が来すぎなんだよ!!!

にしてもこいつも要注意人物だ。ナンパするんなら女の子だけにしておけばいいのに、あろうことかミオさんにまで手を出すなんて!マジで許せないっ・・・!!

まぁったく!!!この城はどうなってるんだか・・・。・・・・・・って何だかやたらと騒がしくなってない?

・・・・・げッ!!どうしてこうも人が集まって来るんだよ!

さっきはフッチやサスケなんていなかったのに!しかもどうしてシュウまでいるんだよ〜?!ちゃんと仕事しろっての!

ミオさんはずっと笑顔のままだけど、絶対誰かどさくさにまぎれてミオさんを触ってるよ!!だってオレならきっとそうしちゃうもん。

・・・・もうガマンできない。・・・待っててミオさん!今すぐオレがそこから助け出してあげるからね!!

「・・・ミオさんッ!ちょっと来て下さい!・・・早くッ!」

「え?え?・・・どうしたの、シト?・・・ってうわッ」

オレは、さっきからずっと隠れていた柱の影から飛び出し、ミオさんに向かって叫んだ。

ミオさんが、突然聞こえたオレの声に戸惑っている様だったので、オレはあのムカつく人だかりの中へ無理やり入っていき、彼の腕を引っ張って走り出した。

「おい!シト!!ミオを置いていけ〜!」

「・・・・・紋章使用決定、だね」

「・・・シトどの〜ッ」

なんて叫び声が聞こえたけど、全部ムシ。

ボー然としてるヤツだっているんだから、それを少しでも見習えっての。ほーんとヤダヤダ・・・。オレはそんなくだらない事を考えながら、ミオさんを引っ張っていった。

 

 

 

「ふぅ〜。さすがにここまで来れば大丈夫、かな?・・・ミオさん、ごめんね。腕、引っ張ったりしちゃって・・・」

「・・・ううん。あれくらい大丈夫だよ。気にしないで」

かっ・・・・・かわいスギ・・・。犯罪だよ、この可愛さって・・・

「でも、大変でしたね。あんな人だかりに囲まれて・・・」

「・・・うん。有難う、シト。でも…どうしてあんなに人が集まってくるんだろう・・・?よく分からないんだけど・・・シト、分かる?」

「それは・・・」

ミオさんにそう尋ねられて、オレは返答に困ってしまった。

きっとここで正直に言ってもミオさん信じてくれないだろうし・・・。でも変にウソついても、またああいう事が起こるかもしれない。

そんなのオレには我慢出来ないよ。・・・一体どう答えたら・・・。

「あの場所って・・・そんなに人気があるのかな?」

――え?

「ね、シト。あそこってみんなに人気あるんでしょ?だからあんなに人が集まってきたんだよね?」

・・・・・どうしてそう、なるのかな・・・?

ミオさんは、人を信用しすぎなんだよ。今だってオレと二人きりなのにこんなに可愛い無防備な笑顔でいるし・・・。オレだって男なんだから、好きな人と二人きりになんてなったら何するか分からないじゃないか。

なのにどうしてそう笑ってるの?

・・・きっと誰と二人きりになっても、この人はこうして今みたいにさらっと笑うんだろう。オレ以外の誰かに迫られたとしても・・・・・。

「シト?どうし・・・」

「ミオさんは・・・ミオさんはどうしていつも笑ってるんですか?どうしてみんなに対して優しいんですか?」

話し出した途端、オレの中で何かが壊れたような気がした。

「・・・シト?どうしたの、急に・・・」

「どうしてなんですか?!」

「・・・・みんなが、このお城のみんなが大好きだから、だよ?」

「みんな・・・ですか?・・・・ミオさんには特別な、この人だけっていうような特別な人はいないんですか?」

「え・・・?それ・・・・は・・・・」

ミオさんはこのオレの質問にすごく困っているようだった。

その証拠にミオさんの顔に今までの笑顔はもうなく、あるのはただ、困惑の色だけ。

「オレは・・・・ずっと言ってるように、ミオさんが好きです。ミオさんはオレにとって特別、なんです・・・」

「シト・・・?」

オレはミオさんの反応が怖くて、彼の顔を見ることが出来なかった。

でも、そんなオレにミオさんは優しく声をかけてくれた。

「僕もシトのこと・・・好きだよ?でも、このお城のみんなも同じように好きなんだ。それじゃダメ、なのかな・・・?」

「みんなと同じじゃ意味ない。オレはただ好かれるだけじゃなくて、ミオさんの特別な人になりたいから」

「・・・シト・・・」

――オレ、きっとミオさんを困らせてる。ミオさんを困らせたって意味、ないのに・・・。

ミオさんが悪いわけじゃないのに・・・。全部オレ一人が悪いのに。分かってるけど、止まらないんだ。

「・・・ねぇ、どうしたの?今日のシト、・・・何か変、だよ?」

そう言い、オレの頬へとミオさんは手を伸ばす。

ひんやりと冷えた手が、オレの熱くなっていた頬をゆっくりと冷やしていった。

それでも頭までは冷えないらしく、何故だか胸のイライラ感だけが、オレの身体に残っていた。

「変なんかじゃありません!!オレは本気なんです!今だって・・・」

そこまで言うとオレはミオさんを無理やり引っ張り、強引に口づけをした。

ミオさんの身体がビクッと強張るのが分かったけれど、それでもオレはやめなかった。

自分で自分を抑えられないほどに、オレは切羽詰まっていた・・・。

 

「・・・んぅ・・・」

どれ位時間がたったんだろう。オレはミオさんの声ではっと我に返った。

そして強引につなげた唇を恐る恐るゆっくりと離していった。

・・・・オレ・・・。今ミオさんに何を・・・・?

ミオさんはずっとうつむいたままで、その姿がオレの心の中の不安を更に大きくした。

「ミ・・・オさ、ん・・・・」

ほとんど無意識にそう呟きながら、オレはミオさんの頬へと手を伸ばした。

パシッ!

あまりに突然の出来事に、オレは一瞬何が起きたのか理解出来なかった。

ミオさんがオレの差し出していた手を、叩き払っていた・・・。

「ミオさ・・・ッ!」

もう一度、彼の名前を呼ぼうとしたけれど、出来なかった・・・。

ミオさんが目に涙をいっぱい溜めて、オレを見上げていたから。怒っているとも悲しんでいるとも、そのどちらともいえない表情をして。

・・・・ミオさんが・・・泣いてる?いつもいつも笑顔でいた・・・・ミオさんが・・・。

オレが・・・・・ミオさんのこと守ろうって心に誓っていたオレが・・・・・。


ミオさんを、泣かせた?


「・・・・・ッ!!」

その事実にオレはガク然とし、その場から走って逃げ出すことしか出来なかった。

「シトの・・・バカ」

だからミオさんが最後に呟いたこの言葉も、そこから逃げ出したオレには、もちろん届いてはいなかった・・・・・。

 

 

 

どうしよう・・・。ミオさんを泣かせちゃった・・・。これで確実に嫌われちゃったよね?

あー・・・どうしてあんな事・・・・。しかも謝りもせずに逃げ出してきてるし。マジでサイテーだな、オレ・・・。

「・・・・・どうしよう〜〜」

「あれ?・・・シ〜ト〜!!どうしたの?何か元気ないね?」

「・・・ナナミ・・・。何でもないよ・・・」

・・・・多分ナナミは少なからずミオさんに好意を持ってる。そんなナナミに話したって仕方ないし、それに余計な心配をかけるだけだ。

言わない方が良いに・・・決まってる。

「ウソよ〜。お姉ちゃんはシトの事なら何でもお見通しなんだから!ほら、遠慮なんかしないで話してみて?」

・・・・・・遠慮してるつもりはないんだけどな。あ〜あ。わらにもすがる思いってこういう事なのかな・・・。

ナナミなんかに頼ることになっちゃうなんてね。

そしてオレは今までの出来事をナナミに話した。もちろん最後にしたキスのことだけは省いて・・・。

ナナミは静かにオレの話を聞いてくれた。一言一言きっちりと、最初から最後まで少しも茶々をいれることなく。

「・・・・というワケ。もぅオレ、ミオさんに嫌われたとし・・・」

「シト。シトはミオさんに酷いこと言って泣かせちゃったんだよね?」

「・・・うん(ホントは強引にキスしたからなんていくら何でも言えないし・・・)」

「・・・・あのね、私思うんだけど、嫌いな人の前でミオさん絶対泣いたりしないと思う。嫌いなら何されても気にしなさそうだもん。それより攻撃しちゃいそうよね〜。ミオさんだけは、私ゼッタイ怒らせないようにしようっと。あッ!ごめん、ごめん。話ズレちゃったね」

「・・・・・」

確かにナナミの言う通りだ。ミオさんが泣いてるトコみたのなんて、オレが初めて・・・だよね。多分・・・・。

「あのね、シトは気付いてないかもしれないけど、ミオさんは一人でいる時はいっつも寂しそうにしてるの。でもね、シトが隣にいると、すっごい可愛い顔して微笑んでるんだから!ミオさん自分でも気が付いてないみたいだけど・・・。あんな顔してもらってるの、きっとシトだけよ?」

解放軍の時一緒にいた人は知らないけど・・・。

と小声でナナミが呟くのが聞こえた。ナナミがオレに気を使うなんて・・・・。

そう思うと何だか無性に笑いたくなる。

「だからね、シト。ミオさんが自分の気持ちに気が付くまで、待ってあげなよ。いつまでかかるか分かんないけど、私も手伝ってあげるわ。それにミオさんのことは私もシトに負けないくらい好きだけど、シトなら・・・シトにならこの気持ち譲ってあげる。だからほらっ!早く行って謝ってきなさ〜い!!」

ナナミ・・・。ナナミのお手伝いはいらないけど、気持ちはありがたく受け取るよ。

こんな時に言っても調子良いだけかもしれないけど・・・。ナナミがお姉ちゃんで良かった。オレ、ナナミも大好きだよ。もちろんミオさんの次に、だけどねっ!

「ありがと、お姉ちゃん!」

そしてオレは驚くナナミを背に、その場から走り出した。

目指すはあの人、ミオさんのいる所だ!!

 

 

 

・・・・ここにも、いない・・・。

自分の部屋にもいないなんて・・・一体どこに行ったんだろう?もしかして・・・怒って帰っちゃったのかな・・・。もう、あの笑顔も見れないの・・・・かな・・・。

――ダメだ。どうしてもマイナス思考になっちゃう・・・・。

前はミオさんのいる所ならどこでも分かる自信あったのに・・・。

どうして今は・・・分からないんだろう・・・どうして・・・。

「こんな大事な時なのにッ!!」

大声で叫んでも、人のいないここではむなしく響き渡るだけだ。

誰も助けてくれない。・・・・誰かに助けてもらうことじゃない。自分一人でやらなきゃダメなんだ。

―――っていっても、もう心当たりは全部探したし・・・。

あ゛〜!!もぅ!他に一体どこがあるっていうんだよ?!

ミオさんのバカ〜〜〜!!!

・・・・ってこれじゃさっきと一緒じゃん。ミオさんのせいなんかじゃないのに・・・。

「進歩ねーな、オレって・・・。はぁっ。一回自分の部屋に戻って気持ち落ち着かせた方がいいかも・・・。それからまた探そ・・・」

だってこのままもしミオさんを見つけれたとしても、またオレいらない事言っちゃう気がするから・・・。

だから・・・ごめんね、ミオさん・・・・。

そう思ったオレは、うなだれながらもこの場を後にした。

 

 

 

「ミ・・・・オさん?」

自室に戻ったオレの目に一番初めに飛び込んできたのは、見慣れたあの人が小さくなってすやすやとベッドで眠っている姿だった。

・・・ミオさんだよ、ねぇ?オレのベッドで丸くなって寝てるのって・・・。

――こんなトコ、思いもしなかった。ミオさんが怒ってるって勝手に決め付けて、きっとオレから離れて行くんじゃないかって思ってたから。

嫌われて・・・・ないの、かな?

・・・そんなワケないか。でも・・・・・。

それならどうしてこんなトコに・・・。

―――そんな事より、あのままじゃミオさん風邪ひいちゃう。確かここに・・・・・。

ある物を探す為に、オレはごそごそとベッドの近くをあさる。

あ!あったあった。オレ、寝相悪いからなー。

そしてふわっとミオさんの身体に見つけた毛布をかけてあげた。

「・・・ん・・・」

ヤバ・・・。起こしちゃった・・・かな・・・。

「・・・・あ、シト・・・」

「ごめん、ミオさん。起こしちゃったね」

「・・・・・・ううん。こっちこそ・・・ごめんね?シトを待ってたら知らない間に眠っちゃってたみたい・・・」

オレを・・・待ってた?ミオさん・・・・が?

その言葉に驚いてボー然としているオレにミオさんは気付かず、話し続けた。

「それで・・・さっきのこと、なんだけど・・・・」

「・・・・・それは・・色々ごめんなさい・・・。もう、忘れちゃって下さい・・・」

「酷いな・・・。せっかく考えて考えて考え抜いて・・・・僕なりの答えを出したのに・・・」

「え?ミオさん・・・それって・・・・」

再びオレはミオさんの言葉に驚かされた。

考えて・・・くれてたんだ・・・。

あんな酷いコトした、オレの・・・事―――。

「やっぱり一人に絞れっていうのはまだ・・・ムリだけど・・・。シトは僕にとって特別な存在だよ。それは本当。だから・・・・これからも・・・・・」

「ミオさん・・・。オレ、ミオさんが好きです。だからミオさんを独占したくって・・・。ホントにごめんなさい・・・」

「ううん。・・・・答えになってないかもしれないけど・・・・僕もシトが隣にいてくれると安心できるよ。いつも・・・隣にいてくれたよね?・・・・ありがとう」

ふわっといつものように優しくオレに微笑みかけてくれる。

嫌われて・・・ない?怒って・・・・ないの?

「ミオさん・・・。やっぱオレ、ミオさん大好きだよ!!ミオさんのもっともっと特別な人になるために頑張るから・・・・見ててね?!」

「・・・楽しみにしてる。でも・・・あんな事はもうしないで、ね?」

「・・・はい。ごめんなさい・・・。出来る限り、ガマンします・・・」

そう言いながらオレはミオさんへと抱きついた。

「約束、だからね?」

「は〜いっ!」

でも・・・出来る限りガマンしますって言ったんだから、ガマンが切れたらしちゃうかもね。

そう言ったらきっと怒るだろうから言わないケド・・・。

でも・・・大好きだからしちゃうんだよ?それを分かってくれたらいいのにな〜・・・。

そしてオレはミオさんと仲直りをした後、疲れていたのかすぐに眠ってしまった・・・。

 

 

 

チュンチュン・・・。

ん・・・まぶし・・・・。

ん・・・?まぶしいって・・・・ッ?!

「朝じゃん?!!」

オレは爽やかな小鳥のさえずりとまぶしい朝日に気が付き、慌てて飛び起きた。

爽やかな朝とはかけ離れすぎていて何だか無性に情けなくなる。

そう思いつつベッドから起き上がると、机の上に、ある一通の手紙が置いてあるのが目に入った。

「・・・何だろ?・・・・・ッ?!ミオさんからだ!」

その手紙にはこう書かれてあった。

 

『シトへ

今日は泣いちゃったりなんかしてごめん。シト・・・きっとびっくりしたよね?

でも僕もびっくりしちゃって・・・気が付いたら涙が流れてたんだ。ホントにごめんね。

ホントは直接言おうと思ってたんだけど、あれからすぐにシト、

眠っちゃったから手紙にします。直接言わなくてごめんなさい。じゃあね。

                                         ミオ』

 

ミオさん・・・。全部オレ一人が悪いことなのに・・・。

そう思うとオレは身支度もそこそこに部屋から飛び出した。

オレももう一回ちゃんと謝らなきゃ!!

そう心に誓って・・・。

 

 

きっと今ならミオさんは広間にいるハズ・・・・。

オレは広間に着くなり、辺りをきょろきょろと見回した。

ッ!!いたッ!

そこにはやっぱり昨日と同じように、色んな人に囲まれているミオさんの姿があった。

もう怒らないって決めたばかりなのに〜!神様なんていないのかよ?!

そう思った時、だった。

ミオさんがふいにこっちを向いて、オレに微笑えみかけてくれたのは・・・。

見間違いじゃ・・・ない。こっち向いて・・・笑ってくれてるんだ・・・。

オレのこと・・・気付いてくれたんだ・・・。

そう思うとオレはいてもたってもいられなくなり、ミオさんのいる方へ走り出した。

そしてミオさんの隣に着くと「大好きです!」と一言だけ言い、唇を合わせた。

「ッ?!!」

周りの反応なんか気にしてられない。オレにはミオさんだけが大事だから。ね?

そう思って唇を離すと、ミオさんの顔は真っ赤になっていた・・・。

 

あの後・・・。オレは『怒りの一撃』や『疾風』とかをお見舞いされたのは言うまでもない。

でもそんなの、ミオさんが笑ってくれるなら何ともないんだよね!!

 

 

 

〜あとがき〜

 

Thanks 444 Hit!For 陸海月様

このお話、普通に小説置き場に置こうと思ってた物なんです。
下書きをしてた時にちょうど海月さんがあのリクをして下さって、急遽!
・・・・すごいですね!やはり主坊な同志です!!(やめろっての)
こんなお話ですが、少しでも楽しんで頂けると嬉しいですv
あ、書き直し命令ももちろん受けつけますので・・・。
海月様、444Hit&ご申告有難うございました!!

 

 

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