それは、とあるアホな2主が起こした事故からはじまる、(彼らにとっては)ごく当たり前な
一日の風景なのでした・・・
「アリムラさん〜っ!!背中流してあげます〜っ!!!!!」
「・・・・・・・・・」つるっ!!ばっしゃ〜んっ!ごんっ!!!
「なぁ、アリムラぁ。アリシラの奴が行方不明になったって?」
「1週間ほど前から姿が見えないと聞いているのだが・・・」アリムラのもとに、セイルくんとライムさんが遊びにきてくれました。
遊びに・・・というよりは、セイルくんは興味本位で、ライムさんは心配してくれて、というのが
本当のところのようです。「うん・・・医務室から逃げ出してね・・・。今シュウさんたちが、狩りにでかけてるんだけど」
「か・・・狩り・・・?」
「もはや獣扱いか・・・まぁ分かる気はするが・・・」そう、アリシラは、とある出来事が原因で、お城から逃走していたのでした。
セイルくんとライムさんがここに来てくれたのも、そんなことがあったからなのです。「お前、また何かアリシラにやらかしたのか〜?」
「え〜、人聞きの悪いこと言わないでよ、セイルくん。ただちょっと、強引にお風呂に入ってこられた時に
飛びついてこようとしたのをフェイントでよけたら、アリシラがそのまますべって浴槽にダイブしたあげくに
後頭部痛打したくらいだよ?」
「・・・・・・・・・」
「まぁ、自分の身を守りきれなかったアリシラが悪いな」
「やっぱ、ライムさんもそう思います?」
「お前ら鬼かっ!?」さらりと言ってのけるアリムラとライムさんに、セイルくんはアリシラに同情せずにはいられませんでした。
そう、同じ「マクドールさんゲット」を目論む2主としては。「しかし、1週間も戻ってこないのは、少々心配だな・・・」
「まぁ、アリシラしぶといから、死ぬことはないと思うんだけど、このままだと、シュウさんの
胃と髪が確かに心配ですね〜」
「あぁ。そろそろ胃炎で倒れるんじゃないか?最近生え際も・・・」
「お前ら、んなこといいから、アリシラ探してやれっ」のほほんとアリシラよりもシュウの心配をする2人を見て、セイルくんは涙せずにはいられませんでした。
この人を見かけたら、連絡ください。
見つけてくださった方にはお礼します。
特徴:「アリムラ」という名前に神速で反応します
見た目は子供ですが、腹の中は暗黒です
現在「愛のブロークンハート」という偽名をつかっています
翌日、国中に、そんなチラシが貼り出されました・・・・・・
「アリシラさんが迷子になったんですか〜っ!?」
「カナタ・・・迷子とは違うと思う・・・・・・」チラシを見たカナタくんとカイルさんも、心配して来てくれました。
カナタくんの手には、なぜか虫取り網がにぎられています。「?カナタくん、その網・・・」
「はいっ!ここに来る最中にアリシラさん見かけたら、これで捕獲しようと思ってたんですけど〜」
「僕は網より、鳥餅の方がいいって言ったんですけど・・・」カナタくんもカイルさんも、アリシラをつかまえるために必死に頑張ってくれているようでした。
「ほんと、ごめんね・・・。うちの『ぽち』が迷惑かけて・・・」
「「謝らなくてもいいんですよ、『タマ』さん!」」アリムラとアリシラは、お知り合いWリーダーのお仲間さんたちからは、コードネーム「ぽち」「タマ」で
呼ばれていました(核爆発ぼんっ)
その後、カナタくんは「アリシラさん見つかったら、捕獲は僕にまかせてくださいっ!今から練習です〜」
と言って、カイルさん相手に捕獲の練習(要は抱きつき)をしてくれていましたが、アリムラから見れば2人が
じゃれあっているように見えてしまうのでした。「相変わらず、仲いいね・・・」
「アリシラいなくなったって〜?」
「心当たり探したりとかしたんですか?」カナタくんから連絡を受けたセイくんとカインさんも来てくれました。
セイくんの手には、貼られていたチラシが握られています。「『愛のブロークンハート』が偽名?」
「ま、多分アリシラなら、そう名乗るかなって思って」
「どっちかって言うとブロークンハートってよりも『ルーザー』の方が似合ってるかもな〜。
ほら、敗北者って意味合いで」
「セイ・・・敗北者って・・・まだ、そう決まったわけじゃないよ?」
「同じこと、同じこと♪」そう言うと、セイくんは嬉しそうに懐から何かを取り出しました。
「まぁ、安心しなよ、アリムラさん。アリシラに何かあったらさ、俺がこれであいつのこと
楽にしてやるからvv」
「セイ・・・・・・(汗)」その手には、わら人形と木槌がにぎられていました。
晴れやかな笑顔を見せるセイくんに、アリムラはなぜか同じように嬉しそうに笑いました。「うん、じゃ、苦しまなくてもいいように、いっそ一思いにお願いするね」
「アリシラさん、まだ見つからないんですか?」
「アリムラさん、心配でしょうね・・・」依然見つからぬアリシラを心配したイールくんとラルウァさんも来てくれたのです。
「ん〜・・・心配ねぇ・・・まぁ、アリシラが出かけた先で、誰かに迷惑かけてるんじゃないかと
思うと、確かに心配かな・・・」薄情ともとれるアリムラさんの発言に、ラルウァさんは少々苦い顔をしましたが、イールくんは
ころころと笑って答えました。「だけど、ほら。アリシラさんってば、僕と同じ不幸同盟の仲間だから、周囲に迷惑かけて不幸にさせる
よりも先に、自分が不幸になってるはずですから。だから、大丈夫ですって」
「あぁ、そうだよね。ありがとう、イールくん」
「アリムラさん・・・もう少しアリシラくんのこと心配してあげても、バチは当たらないんじゃ・・・」ラルウァさんの言葉は、一番もっともなものなのでした・・・
ラルウァさんが心配してくれていることに恐縮しながら、アリムラは、なぜかイールくんが
寂しそうに涙しているのを目にしました。「ラルウァさん・・・それくらい僕のこと気にかけてくれても、それこそバチ当たらないんじゃ
ないですか〜!?」
「イールは、心配無用なんだろう?私がいなくても、何とかやっていけそうだしね」
「そんなことないです〜っ!!!」哀れなイールくんの叫びに、アリムラは納得したように頷きました。
「あぁ、なるほど・・・不幸同盟ね・・・」
「あれぇ?アリシラさん、お出かけ中なんですか?」
「なんかアリムラさん、疲れてますか?お茶でも飲んで、少し落ち着かれたらどうです?」カナトくんとフィランさんが、事情を知らずに遊びにきてくれました。
フィランさんがくれたお茶を飲んで、アリムラは、のほほんと言いました。「まぁ、ほっといてもお腹がすけば、そのうち帰ってくると思うんですけどね」
「でも、もう1週間帰ってきてないんじゃ・・・」フィランさんのツッコミは適切です(笑)
「えぇ!?もう1週間も!?じゃ、きっとアリシラさんお腹ぺこぺこですよね?僕アリシラさんの
ために僕が料理してきますね〜」
「それじゃ、僕はサーモンとかエビでも釣ってこようかな。アリムラさんもいっしょに釣りに行きますか?
気分転換とかも必要ですよね」にこにことしているフィランさんのお誘いに、アリムラは喜んでごいっしょしました。
ところが、アリムラは食材にできる魚は、釣ったことがないのでした・・・「アリムラさん、釣れました〜?」
サーモンとエビ、帆立貝などなどの魚達を魚篭にいっぱいにしたフィランさんが振り向くと・・・
「超巨大長靴と大物フグが5匹ほど・・・」
たくさんのマクドールさんと2主くんたちが心配して集まってくれたにもかかわらず、
アリシラは帰ってきません。
狩りにでかけていたシュウさんたちも、少しも手がかりを得られないまま帰ってきました。「まったく、どこに行ったんだか・・・」
呆れたように呟いたアリムラは、足元にすりよってきた茶色い毛並みの子犬を抱き上げました。
突然現れたその犬に、全員の目がくぎ付けになりました・・・「ア・・・アリムラさん?その犬・・・」
「え?あぁ、1週間くらい前に、ここに迷い込んできた子なんだけど」ラルウァさんの言葉に、アリムラが答えました。
戦災孤児の類を見ると引き取らずにはいられなかったテオパパの血を継いでいるせいか、アリムラは
捨て犬やら捨て猫を見ると、後先かまわずに拾ってしまうのでした。
しかし、まわりが気にしているのは、そんなことではありません。「・・・名前とか決めてるんですか?」
「え?うん、『ぽち』」その言葉に、全員が凍りつきました。
「なんで・・・ぽち?」
「いやぁ・・・なんとなく、この子ならぽちかなぁって・・・」思わず聞いたカインさんに、アリムラが答えると・・・
「あぁ〜っ!!!」
突然カナタくんが大声をあげました。
「カ・・・カナタ?どうしたの?」
「あれは、きっとアリシラさんですっ!!!」大声に驚いたカイルさんがカナタくんに話し掛けると、カナタくんはアリムラに抱かれた子犬を
指差して、自信たっぷりに言いました。「あれが・・・アリシラくん?」
「はいっ!!」子犬をじーっと見つめたフィランさんが不思議そうに言いました。
恐らく誰もが認めたくない事実でしょう。「じゃ、こうすりゃはっきりするよな」
そう言うと、セイくんはアリシラの髪の毛入りわら人形と木槌を手にしました。
それを目にした子犬が、アリムラの腕の中で「きゃんきゃん」と騒ぎ立てながら暴れ始めました。
それには気付かずに、(気付かないフリ?)セイくんは木槌を振り上げると、一思いにくいを
打ち込みました。「ぎゃいんっ!!」
くいが打ち込まれるのとほぼ同時に、腕の中の子犬が悲鳴をあげて泡を吹いて倒れました。
全員の目が、再び子犬に注がれます。
ただ一人、セイくんを除いては・・・
彼は、さわやかな汗などかきながら、ひたすら木槌をたたいておりました。「セイ・・・それくらいにしておかないと、アリシラくんがかわいそうだよ?」
カインさんが止めてくれたおかげで、子犬と化したアリシラは、すんでのところで三途の川を渡らずに
済んだのでした・・・「でも、なんでアリシラ、こんなことになったんだ?」
「そうだな。さすがに人が犬に化けるなんてこと、普通なら考えられないが・・・」アリムラの腕の中で、ぴくぴくと瀕死の状態でもだえているアリシラを見て、セイルくんとライムさんが
冷静に言い放ちました。
それを聞いたカイルさんが、なにげなくカナタくんを振り返ります。「・・・・・・・・・カナタ・・・」
「はいっ♪なんですか、カイルさん〜?」
「君、まさか・・・・・・」
「いえっ!そんなこと全然ないですよ〜っ!?アリシラさんに泣きつかれて、『アリムラさんをネコにして
思うがままにしてみたい略して猫化薬強化版』を製造してはみたものの、実はそれが、どういうわけか
製造の過程で『犬化薬』になってしまい、それに気付かずにアリシラさんに手渡してたなんことは!!!(ワンブレス)」カナタくんの言葉は、妙に現実性には欠けているものの、彼が言うと真実性が増してしまうのでした。
「カナタ・・・・・・・・・」
「ま、仮にそれが本当なんだとしても、アリシラさんが犬になったことは事故であって、僕とは
無関係ですけどね〜」カイルさんの何か言いたげな視線をよそに、カナタくんは晴れ晴れとした表情で笑いました。
「でも、このままじゃ困るよね?どうすれば元に戻るの?」
カインさんの言葉に、カナタくんは嬉しそうに答えました。
「はいっ!アリムラさんの『愛のちゅぅ』で万事解決ですっ!!!」
実際にカイルさんの時もそれで戻ったんですよ、とカナタくんは目をきらきらさせています。
カイルさんは、あらぬ方向を見つめて頷きました。
そして、それを聞いた全員は、冷や汗をしたたらせているアリムラを見つめます。「アリムラさん・・・・・・」
「・・・・・・・・・他に方法ないの?カナタくん・・・」
「ないです(きっぱり)」いつの間にか復活したアリシラは、アリムラの腕の中から期待に満ちた目でアリムラを見つめていました。
アリムラは、たっぷり10分以上も悩み、こう言い放ちました。「さ、ぽち。今日は、もう寝ようね〜」
「きゃいんっ!!きゃいんきゃいんっ!!!」くるりとみんなに背を向けたアリムラは、犬のままのアリシラを連れて部屋を出て行こうとします。
「アリムラさん・・・・・・(汗)」
さすがに哀れさを感じたのか、ラルウァさんが声をかけます。
しかし・・・・・・「いや、だってさ・・・当然元に戻ったら、アリシラ服着てないわけだよね、カナタくん」
「そーですよ〜?」
「服着てない状況で、僕がキスなんかして元に戻ったら・・・」いかにもいやそう〜な顔をしているアリムラに、納得したように、セイルくんがぽんと手を打ちました。
「据え膳とか叫んで、押し倒すな。間違いなく」
ま、俺がライムとそんな状況でもそうするけど、と笑ったセイルくんに、ライムさんの見事な棍の一撃が
決まりました。
アリムラは、セイルくんの言葉に頷くと、腕の中のアリシラを見下ろしました。「そういうわけだから。ま、そのうち勝手に戻る方法でも見つけてね」
「きゃんきゃんっ(泣)」アリシラが必死にアリムラに何かを訴えていましたが、それは冷ややかな視線で却下されました。
心配してくれていたみんなも、意外なかたちでアリシラが見つかったとあって、ひとまずは
安心したようです。
遅くなったから、と言って5組のWリーダーさんたちは、その場を後にしました・・・
数日後―――――
「あれぇ?アリシラさん、元に戻ったんですか」
「はい・・・・・・」再び様子を見に来てくれたみんなの前に、人間に戻ったアリシラの姿がありました。
「案外、犬のままの方がアリムラとうまくいったんじゃないか?」
「セイル・・・それは禁句だろう」セイルくんとライムさんの、酷な一言。
「ま、薬失敗しちゃったんじゃ仕方ないですよね〜」
「カナタ・・・やっぱり、君の薬・・・」のほほんと笑うカナタくんと、その言葉にひっかかるものを感じたカイルさん。
「安心しろな?アリムラさんとの仲で苦しむことがあれば、俺がこれで楽にしてやるからさ♪」
「・・・・・・ま、仲良くね、アリムラさんと」わら人形片手のセイくんと、苦笑するカインさん。
「でも、アリシラさんだけ幸せになるなんて裏切り、僕は許さないですけどね」
「イールはともかく、私は君に幸せになってほしいと思うよ?」相変わらず不幸同盟なイールくんと、それとは逆なラルウァさんからのお言葉。
「まぁ、ほら。お弁当持ってきたから、これでも食べて元気だしてください〜」
「僕はお茶でもいれてこようか?」相変わらず準備万端のカナトくんとフィランさん。
こうして仲むつまじいWリーダーさんたちを見せ付けられながら、アリシラは、ただただ涙するしか
なかったのです。
そう、今彼の隣にはアリムラがいないのでした。「あれ?アリムラさんは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・実家に帰られました〜っ(滝涙)」アリシラは、その場で泣き崩れます。
なんとか薬の効力がきれて人間の姿には戻ったものの、その場でアリムラに嬉しさのあまり(裸のままで)
抱きついたことが原因で、怒りマックス状態になったアリムラはトランに里帰りしてしまったのです。
やっぱり、アリシラもイールくんと同じ不幸同盟の人間なのでした・・・
かくしてアリシラ失踪事件は、彼の恋愛破局によってアホな幕を閉じたのでした
めでたしめでたし?
カウンター2918(ゴロ→憎い奴)ゲットの陸海月様からのリクエスト。
「なりきり交換日記のWリーダーオールキャラ」
え・・・えーと・・・ひとまず、オールキャラはクリアですよね?(おどおど)
結局、私は何が書きたかったのか・・・(涙)自分でも分からないっす。
まぁ、今回リクいただいた海月様のところのカナタくんのお薬大活躍vってことで。
うん、そういうことにしておこう。しかし、えらく中途半端な話ですな・・・
うわ〜んっ!海月様、ごめんなさい〜っ(泣)
人様のWリーダーいじるのって、すんごく難しかったので、許してください(こら)
せっかく理想のWリーダー様を皆様がつくってくださってるのに、それを自分で ぶち壊したくなかったもので・・・。
カイルさんとカナタくん、大好きなのです・・・
だからこそ難しかったのでしゅ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!本当にごめんなさい〜!!
鈴鳴は修行にでてきますっ(逃)
オマケ♪
カナタくん「でも、なんでアリシラさんが薬つかうことになったんですか〜?」
アリシラ「いや・・・お風呂で、あんまりにもアリムラさんが冷たかったから、あの薬使って作戦どおり思いのままに〜・・・って思ってたんですけど・・・」
カナタくん「けど?」
アリシラ「アリムラさんに薬をかけようと走りよったら、その気配を感じ取ったのか、アリムラさんがフェイントで身をかわして・・・」
カナタくん「・・・・・・・・・」
アリシラ「そのままバランスくずして転んじゃって、自分で薬をかぶるハメに・・・」
カナタくん「アリシラさん・・・・・・」
アリシラ「はい?」
カナタくん「修行がたりませんっ!!そんなんじゃアリムラさんをモノにするなんて、一生ムリですっ!」
アリシラ「はぁっ!?(がびーん)・・・・・・師匠っ!!僕に修行させてくださいっ!(めらめら)」
カナタくん「分かりました!さぁ!!マクドールさんゲットの道は厳しいですよっ!?」
アリシラ「はいっ!!!」その後、里帰りしたアリムラを迎えにいったアリシラがほっぺたに手形をつけて(一人で)帰ってきたのは
言うまでもない・・・・・・