新婚劇場〜始まり編〜

 

「カイルさ〜んv荷物もちます〜〜v」

「え?いいよ…」

「いいですから〜♪」

隣からそんな声が響いてくる。どうやら新婚らしい。

 

「……………」

 

そんな声を聞いているうちに、この家の妻、シードはだんだん不機嫌になってきていた。

「……どうした?」

「どうしたもこうしたもねぇ!!これじゃあ詐欺じゃねえかっ!!」

バンとシードは机の上の紙を叩く。

婚約届けだ。

何やらミミズののったくったような字で、シードのサインが書かれている。

 

「詐欺ではない、ちゃんとお前の許可もとった。」

「オレの酔ってるときにだろう!!」

今にも噛み付かんばかりの勢いである。

「なんでオレがお前と結婚なんか…っっ」

「では聞くが、結婚して今までと何か変わったか?」

「…?ん〜?????」

 

もともと会社の同僚で、そんな関係だったわけだが一一一…。

食う、寝る、暮らす、

すべてが今まで通りだ。(シードにとっては、)

 

「一一一一?何にも変わらねえな?いや!そう言う問題じゃ…」

「そうだな、」

「!?」

突然クルガンに引き寄せられ口付けられる。

「ーーーーーーーーーーーーーっ!?」

「…まあ、新婚なわけだしな、」

次々と手慣れた様子で服を脱がされてゆく、

「なっに一一一一っ!?」

「いいから黙ってろ、」

 

「え?」

「あっ」

「あああ?」

「あ〜〜〜〜っ!??」

 

あれよあれよと言う間にそう言う事になってしまっていた。

 

 

 

「っつーーーー!!お前なんか嫌いだ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」

わーんっとシードは走って家を飛び出していった。

「……………」

クルガンは暫し考えてからぽつりと言った。

「一一一まあ、結婚をすれば痴話喧嘩が夫婦喧嘩になると言う事はあるな、」

 

 

 

                                    続く(死)

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