「修学旅行ッ!修学旅行を!是非とも高等部全体でッッ!全体で行けるように!!全員で!全員で行かせて下さいーーーッ!!!!」
「えへ♪直訴して来た結果、カイルさんと一緒に修学旅行行けるようになりました〜〜〜♪♪」
「Σえ!?;」
ほくほく顔で報告して来るカナタに、カイルは、まさか…!;とびっくりするばかりだった…。
修学旅行が高等部全体で行われる事になった。…そう正式に担任から発表された日の事である。
「…テッド?;」
「…………」
「テッド??;」
暫く前から親友の様子がおかしくなった事を、カイルは心配していた。今も、LHR(ロングホームルーム)中であるとは言え、全く意識が戻って来ない。
最初は、いつも通り寝ているのかと思っていたカイルも、こう度々続いていては体調を壊したのではないかと考えてしまう…。
「あ、」
ふと、教室に知った顔が入って来た事に、カイルは少し驚いて声を出した。
「…」
「………」
目の前に海色の瞳。
夢か何かかと、テッドは思った。
…………が、夢ではなかったらしい。
「てっど」
「わ!?;」
息もかかる距離で名前を呼ばれ、テッドは椅子から転げ落ちそうになった。
「カイカ!?;何でここに…っ」
「あ、テッド、起きた? カイカさん、班決めの人数で余っちゃっって…一緒の班になったんだけど…」
「別のクラスだろ!?;」
「別のクラスでもいいって生徒会から聞いて来たから、お願いって…;」
実際、そう言って来た彼のクラスメイト(同校出身)との会話は、もっとアバウトだったりする…。
『4人一組って班決め、人数制限出来ちゃったからカイカの事お願いしていい?ニヤニヤv』
『ほら、そこのテッドとカイカ仲良いだろ?ニヤニヤv』
『彼と一緒の方が、カイカも喜ぶと思うんです、ニヤv』
『ちゃんと生徒会長から許可もらって来たからさ、ニヤリv』
『…』
『あ、はい??;(困惑)』
…ニヤリ笑いを行うのが、カイカのクラスでは流行っているのかとカイルは思った…。
まあ、そんな訳でカイカは同じ班組みになったという経緯だ。
「いいよね…?」
「〜〜〜〜いいんじゃないか?;」
「…(♪)」
そう確認をとられては、反対する事も出来ない。テッドは渋い顔で頷いた。
「じゃあ、後一人…」
「はい!そりゃもう僕しかないですよね!立候補です!!」
にゅっ!と窓から顔を覗かせた少年が宣言する…。
「カナタ…?カナタは、学年が……;」
「あ〜生徒かいちょーさんに聞いたら、良いって許可が下りました♪」
何考えてるんだ生徒会長…!
満場一致の意見だ。
………と言うか、この場合気にすべき点は、カナタが授業をサボってカイルのクラスに来ている事だろう。…あまりに今更の事なので、誰も気にしていないが。
で。
「おおー!ここが京都ですか…!」
「カナタ、逸れないでね;」
…全学年同時修学旅行という恐ろしい試みに、一箇所に全員が行ける訳もなく…希望地区ごとに引率者がつき、適当な人数に割り振られて修学旅行に行く事になった。
そして、この4人は京都に来る事になったのだ。(―――ちなみに、引率者は個性的過ぎるこの学園の生徒を引率するのを諦め、自由行動→宿に集合というスケジュールを言い渡していた…。)
バラバラと各班が観光場所へと散って行く中、カナタら4人は駅前のバスに並ぼうと―――…
「あれ?テッドさんとカイカさんいませんよ??」
「テッドは僕らの分もまとめてバスの1日乗車券を買いに行ってくれてて、カイカさんは………?;」
「カイカ!この…ナンパされるなッ!離れるなッ!後コイツは男だッッ(怒)」
「「……………」」
今時いないだろうナンパ魔と、声をかけられていたカイカ(男女兼用制服着用)と、そのカイカをバスのチケットで叩いているテッドの姿…。
「テッドが元気になって、良かった…」
「僕も今、修学旅行が私服じゃなくて良かった〜って思ってますー☆」
ほっと親友の姿を見つめるカイルと、私服姿のカイルとカイカを連れてあるくと(ナンパ魔が大量発生して)京都の路地が死屍累々になるだろうなと思うカナタ(むしろ倒す気満々)が、会話になっていない会話を交わしつつ二人を見つめていた。
だらだらした話のまま続く…