球技

 

 

まあ、仮に幻水学園と銘打とう。

ここに在籍している今年の4月に入学してきた少年の名前は、カナタと言った。ぴちぴちの新1年生だ。

そして、本日は球技大会。種目は分かれている物の、全学年合同の催しである。

そんな中、カナタ少年はと言うと…

 

「離せーーーーーーーっ!ジョウイーーーーーーッ!(怒)」

「ダメだっーーーー!!もう試合が始まる時間だろう!?(汗)」

「アンナの誰が出たって一緒だって!(怒)それよりも僕は愛に生きるっ!!」

「やめてくれぇ〜っ!頼むから委員長(別名雑用係)の僕の身にもなってくれっ!;」

「嫌。」

 

背中にジョウイをくっつけたまま、ズリズリと音を立てて爆進していた。

ちなみに、学校指定のジャージ姿(上は長袖、下は短パン)である。

目当ての人は、学年が2つ離れており、どうやら開会宣言の時に発見できなかったらしい。

「カーーーーーイーーーーーールーーーーーーさーーーーーーんっっ!!!!!!!」

「うーーーわーーーーー;時間がーーー失格に〜〜〜〜っ!;」

ズリズリズリズリ…

カイルさんのクラスはどこだー!と捜しまわっている少年と、それを止めようと涙を流している少年の元に、何故かバレーボールが飛んできた。

 

「レシーブv」

「はっ!―――パス!!」

「アターック!v」

「ヘブッ!?;」

飛んできたボールをカナタが上げ、それを再び相手が打ち返して見事、ジョウイの顔面 にぶち当たった。

 

「ナナミ、」

「カナタ〜♪お姉ちゃんの勇姿見てくれた?一試合目は勝ったわよ〜!カナタは?」

義姉と行っても、同じクラスの同じ学年である。

「僕は愛に生きるから、試合には出ない事にしたんだv」

「ええっ!カナタ情熱的〜〜〜vv」

「そ…それは、やめ……グフッ!;」

ジョウイは息絶えた。

「で、カイルさんのクラス知らない?」

「カイルさんなら、隣のコートだったから知ってるわ〜vバトミントンの試合に出てたの!」

その言葉を菊や否や、一気に駆け出そうとした少年だったが、

 

「カナタ?」

 

ふいにかけられた声に、一切の動きを止めた。

…そして、振り返る。

…スローモーションでいて、光速な動きだ。(謎)

「カイルさん…v」

きゅぴりーん☆と目を輝かせた少年の視線の先には、ラケットを2本持ったカイルが立っていた。(その隣には、バトミントンの羽を弄んでいるテッドの姿もあったが、もはや視界に入っていないらしい。)

「試合終わっちゃったんですかっ!?今から応援しに行こうと思ったんですけど!」

「うん……;カナタは?」

熱烈なラブアタックをしてくる後輩に、カイルはたじたじになってはいるが、一応会話の意思を見せいている。…まあ、愛なのだろう。

「今からですっ!ドッチボールなんですよ!えっ!カイルさん応援しに来てくれるんですかっ!?僕の勇姿を見せますよ〜〜っ!勝ちます〜〜〜〜vvv」

「え、あ…うん;」

押し切られるように頷くカイルだ。なし崩し的に、合計4人(カナタ、カイル、テッド、ナナミだ。)は試合コートへと行く事になったのだが…

 

ジョウイは置き去りだ。

 

欠員(ジョウイ)の分はナナミが出場し、見事カナタのチームは優勝したという…。

しかし―――――哀れなジョウイに幸あれ…。

 

もろこさんに捧げます…(死)