トラブルメーカー
ぷか〜〜…
呑気な音を立てて波間に漂うカナタ…。
別に溺れて流されている訳ではなく、うき輪で泳いでいるのだ。
「カイルさ〜んv」
パタパタと手を振って、嬉しそうにカイルを見る旦那さん。
それを苦笑しながら見るカイル奥さんは、上はパーカーを羽織っただけという出で立ちで、膝までの浅瀬の場所で魚を見るなりして楽しんでいるようだ。
ちなみに、ナンパをしてくるような者達は速攻で旦那さんに倒された(などと言う生易しい物ではないが、)のだった。
「カイルさ〜んv」
「………(苦笑)」
「カイルさーん、」
「………?」
「カイルさーーーんっっ!!;」
「………?;」
何度も何度も呼ばれ、何事だろうとカイルは訝しげに思ったが…理由はすぐに判明した。
…遠ざかっている。
つまりは――――流されている。
「!?;」
慌てるカイルだ。
「ヘルプです〜〜〜っ!!;」
「カ、カナタ!?;」
どうしようと、あたふたと周りを見回すがしかし、幾らカナタでもまだ自力で戻れる程の距離だろう…そう、考えてカイルは少しだけでも落ち着こうと深呼吸をくり返す。
…………が。
「大波だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!!」
ザッパ〜ンッ!
「………!!;」
ギャーーーーと、悲鳴が上がり、波間に飲み込まれて消える少年の姿。
「……カ、カナタ?(汗)」
なんとか姿はまだ確認できるが、かなり沖合いにまで流されている…。
そこに更に追い討ちがかかる。
「サメだーーーーーーーーーっっ!!!!!!」
「!!!!!;」
ぎょえ〜!;という声と、ジョーズのテーマが辺りに響き渡った…。
ホテル。
「クルガンテメーーッ!!(怒)」
夫婦喧嘩真っ最中の2人…。
どうやら、シード奥さんは機内プレイをまだ根に持って暴れている所らしい。
ぎゃーぎゃー!と枕が舞い飛ぶ中、呑気な声が響いて来た。
「戻りましたーv」
開けた後でノックをする、隣の旦那さんだ。
しかし、そんな事も頭に血が上り切ったシード奥さんには気付く事が出来なかったりした。
「丁度いい所に!お前らからもなんとか―――――…」
シードはぴしりと固まる。そして、代わってクルガンが口を開いた。
「カナタ殿、それは?」
「サメですv」
「………(汗)」
捕って来たらしい。
「これでフカヒレ作ります〜v精がつきますよ!」
「余計なお世話だっ!(怒)―――ってわ”ーー;まだ生きてるじゃねぇかソレッ!!(汗)」
「野生の力を嘗めるなという事ですね!」
「カナタ殿、フカヒレは一朝一夕で出来る物ではありませんよ。」
「アンモニア臭は…;」
「そういう問題じゃねえっ!!!!!(怒汗)」
…どこに居てもトラブルメーカー。
このような騒動は二泊三日の旅行中、ずっと続いたという嬉しくない話であった…。
END