掃除機

 

 

ガーーーガガーーーーーー…

極めて古い掃除機の吸引音が響く。

 

「貴方はもう忘れたかしらぁ〜〜〜♪赤いぃ〜手拭いマフラーにしてぇ〜〜〜♪♪」

 

そこに、音楽協会に引っ掛かりそうな曲が流れていた。 メロディーは確かに合っているのだが、妙に拳が込められていて、元々の調子から外れた音である…。

ガーーーガガガーーーーーー!

「いつも私がぁ待たされたぁ〜〜〜♪」

いい気分で、少年は曲を歌い終わると、掃除機のスイッチを切った。

「ふーー!キレイになりましたーv」

カナタの家では、夫婦家事分担の様である。

………一体、仕事は何をやっているのか?などとは、口が裂けても言ってはならない。

隣の家のクルガン氏はきちんと毎朝仕事に出かけているのだが、この少年は微妙に居たり居なかったりを繰り返している。

今日はそんな少年の謎に迫りたいと―――――…

「カイルさんがが買い物から帰ってくるのが楽しみですーーーv」

カイルは今シード奥さんと買い物中だ。

そんな時、

 

ピンポーン…

 

「はーい。」

チャイムの音に、パタパタとカナタは玄関へと向かう。

ガチャリと、無造作に開けたその戸の前には、

「カナタ殿ッ!いい加減社の方へお戻り下さいっ!!」

「訪問販売はお断りです。」

ガチャンバタン。

 

カナタは訪問販売員(言い切った。)を閉め出した。

 

「さーーーーー。もう一回掃除機でもかけますかね〜?」

再び掃除機にスイッチが入る。

隣の旦那さんの仕事は今もって謎と言う事だった…。(嘘)

 

END