義理のきょうだい
なんとなく、忘れがちになっているのは、その似たような爆発暴走系な性格の為か、仲の良さか、一応カナタとナナミは義理の姉弟である。
本人らも、それは知っている事なのだろうが、確かに仲は良い。
そして、その性格はとても似ている―――――…そう、カナタが押されている程に、
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!;ありがとうナナミ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!!!」
まったくもって、喜んでいるようには、聞こえない声で、少年は絶叫している。しかも、猛ダッシュだ。
「おかわりもあるから、い〜っぱい食べてねーv」
そう言ったナナミの手元の大鍋から、緑色の粘体が勢い良く噴き出して、カナタの後を追う。
「わかったーーーー!!」
そう、返事しながらも、カナタはまったく立ち止まるそぶりを見せない。
食べるにしても、何にしても、今の敵(シチュー)の強さでは、逆に食われかねない勢いだ。
一方カイルさん。
「………。」
とろとろと歩きながら散歩中だ。
そんな中、殺気にも近い気配に、カイルは足を止めた。
「!?」
「ぎゃーーーーーーっ!!あーーーー!;カイルさん!危ないですーーーーーーー!!」
しかも、気づいた時には、カナタが真正面から突っ込んで来ていた。
――――――しかし、カナタは頑張った。
カイルに(いつものように)ぶつかる訳には行かないと頑張った。
そして…少年は、空を飛んだ……。
―――――――ドンガラガッシャーーーーーーーン!!!!!!
という事もなく、カイルを大きく跨ぎ越すと同時に、積み上げられた材木の中に頭から落ちた。
「カ、カナタ…?(汗)」
何事?とばかりに、たじろぐカイルだが、すぐさま少年から声が発せられた。
「しゃがんで下さいっ!」
「!」
反射的に、カイルはその場に伏せた。
その途端、身体の上をかなりの質量を持った物体が通過した…。
異臭もする。
「!?;」
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!」
ナナミ料理だ。
哀れ…カナタは、料理の餌食に――――――…
「げふっ……;」
「大丈夫…?」
「大丈夫です〜…」
ほとんど死んだような表情で、カナタは返事を返す…。全てを食べ尽くした少年は、土気色の顔色をしていた…。
「ううっ…元々、あんなにも料理の範疇を越えた物を作ってた訳じゃないんですけどねー…(泣)」
「………(汗)」
かける言葉もない。
ふーーー…と、ため息を付いて、胃の中で動き続けている異物を消化する事に勤めているカナタだ…。
それ以外は、特に何を口にする訳でもなかった。
他の者がやらかした事ならば、「この恨みはらさでおくべきか〜〜〜っ」と黒い怒りに燃えているだろうが、義姉相手には、そんな事はないようだ。
仲がよい。
「仲良いよね、」
「はい〜〜大事なお姉ちゃんですしね〜」
微笑ましそうに言うカイルに、カナタもぐったりと地面に平伏しながらも、笑みを返している。
「あっ!カイルさんも特別大事ですよーーー!――――――だからちょっとお腹さすってくれると嬉しいです…;」
「大丈夫?;」
「うっ!;裂けそうな感じです!!(汗)」
「え;」
たとえ義理であろうが、なかろうが、まったくこの姉弟は気にしていない。
そして、その絆は固く結ばれているのであった…が。
「カナタ〜〜〜〜♪デザート〜v♪」
「ギャーーーーーーーッ!!;」
「!!;」
それと命の危機とは関係ないらしい。(そして、少年は全部食ったらしい。)
end