ストレートパーマ
「カイルさん!ナナミを止めて下さいっ!!」
「!?」
突然駆け込んで来た少年(いつもの事)に、図書館で本を呼んでいたカイルは慌てて顔を上げた。図書館では静かに!と言うのが、規則である。
「カナタ…;」
静かに、と注意するが、カナタによっぽど慌てているのか、気付かない。
「ナナミが大変なんですっ!」
「え?」
「カイルさんも一緒に止めて下さいっ!!」
カナタの必死な表情を見て、ただ事ではないと、わかったが―――――――
「ナナミがストレートパーマを当てるって言ってるんです!」
…。
「当てるんじゃなくて、ニナちゃんに当てたら?って言われただけなのっ!」
ぷんすか怒っているナナミだ。
「だって〜…」
「お姉ちゃん別にこのままの髪型で気に入ってるのよ〜!」
勘違いに巻き込まれたカイルこそ、迷惑と言う物だろう。
確かに、ナナミの髪は、毛先が多少ウェーブがかっているが、それをまっすぐにしようという意思まではなかったようだ。
「でも、ちょっとくらいはいいと思うけど〜」
「だめ!反対!!断固拒否!」
「カナタ?」
ひ〜!と顔を青ざめさせて叫ぶカナタの珍しいリアクションに、カイルは首を傾げる。
「だって!カイルさん!!パーマなんてっ!頭をちりちりに焼かれて!あまつさえ髪の毛を機械の中に巻き込まれたら、皮膚ごと持って行かれて血みどろになるんですよっ!?」
「………。」
間違っている。
(それは、パーマな上に、そんな事態も起らない上に、知識が古い。)
「きゃーーーーっ!!;そんなのだったのーーーー!?」
「そうだよっ!ナナミッ!!」
「あっ…;」
ナナミが信じてしまった。
かくして、今日もほのぼのとした騒動が勃発するのであった…。
END