忘れ物
「あーーーーーーーーーー!!!!!;」
キーンコーンカーーンコーーン…と、いかにも学校です!という音に合わせて、絶叫した少年の名はカナタ。
この学校の新一年生である。場所は裏庭、…何故一人で昼休み前にこんな場所にいたかと言えば、それはもう…サボリ。で、昼休みまで、ここで寝ていたからだろう。ちなみに、欠席理由は恋煩い。「愛の為に、授業が受けられませんーーーーーッ!!」と叫んで、しょっぱなからフリック先生の授業から逃亡したのだ。
それでまあ…
「おっ…お弁当忘れたっ…!」
がーん!と持って来ていたカバンを覗き込み、ショックを受けているカナタ。どうやら家に弁当を忘れて来たようだ。
昼休み、育ち盛りの少年にはかなり辛いだろう。ちなみに、現金は持ち歩かない主義らしく、売店で何かを買う事さえ出来ない。
「…こうなったら仕方ない、」
キラリと妖しくカナタの目が光る。…この少年、闇討ち部(自分の中で勝手に作った部で、部員がいない)に所属しているだけあって、かつあげをする気満々だ。
じりり、と近づいて来た気配に、木陰から出て行く準備をする。
「………」
ガサガサと茂みをかき分けて、校舎側に出た時、そこで見た物は――――…
「、カナタ」
「カイルさんvvv」
パァァア…vと、カナタの表情が一気に変わる。
「会いたかったですーーーーっvvv」
……茂みに、学生服の一部が引っ掛かっていなければ、確実にカイルに飛びつき、押し倒していた事だろう。
「何してるんですか〜?」
「えっと…ちょっと部活の事でここ通りかかったから…、それで今からお昼にしようと、」
「そうなんですかv」
ぐきゅ〜…ひっかかった短ランの裾を引っ張っていたカナタから、空腹のアラームが鳴り響く…。(ちなみに、制服は学生それぞれバラバラに着用している。)
「……お腹減りました」
「お昼まだなの…?」
「忘れました(泣)」
「………食べる?」
持っていたそれ程大きくはない弁当箱を示すカイルだ。
それに、ぱぁ〜〜〜vと花を頭に咲かせてカナタは笑顔になる。
――――――――憧れのカイルさんとラブラブ弁当っ!運が良かったら、はいあ〜んvが出来るかもっ!!
「いただきますっ!!」
たまには、忘れ物をするのも、いいかも知れないという日。